1) 発芽緑豆はβ-GlcNAcaseとともに,かなり強いα-マンノシダーゼ,α-およびβ-ガラクトシダーゼを含んでいた.
2) 緑豆β-GlcNAcaseは発芽によって活性が増大し,発芽前期では子葉,後期では胚軸や幼芽において高くなり,その比活性は,子葉において発芽4日目付近で最高になった.
3) 酵素は,硫安分画,DEAE-セルロースクロマトグラフィーおよびセファデックスG-100ゲル濾過によって精製され, F
1およびF
2の2成分が得られた. F
1は650倍,F
2は115倍に精製されたが,特にF
1は他のグリコシダーゼをほとんど含まない状態で得られ,その分子量は約90,000,等電点は4.7付近と推定された.
4) 緑豆β-GlcNAcaseの最適pHは4.6~5.2,最適温度は45°Cであり,酵素はpH 5~8の範囲で安定であるが,熱に不安定で, 70°Cの加熱によりほとんど失活した.酵素は,Ag
+やHg
2+によりほとんど完全に, N-アセチルグルコサミンや, N-アセチルガラクトサミンにより,部分的に阻害された.β-pNPGlcNAcおよびβ-pNPGalNAcに対する
Km値は, F
1では0.64mMおよび0.55mM, F
2では0.71mMおよび0.54mMであった. F
1およびF
2の一般的性質は似ており,また,これらの性質は他の植物β-GlcNAcaseに類似していた.
5) 酵素の精製過程において,β-GlcNAcaseに対するβ-GalNAcaseの活性比はほとんど一定であった.
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