日本農芸化学会誌
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52 巻, 10 号
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  • 高橋 満里子, 石橋 晃, 亀高 正夫
    1978 年 52 巻 10 号 p. 427-431
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    単胃動物における非蛋白態窒素の利用機構を明らかにすることを目的として,ラット反転腸管をインキュペイトし,NH3-Nから,非NH3-Nへの転換を調べた.NH3-15Nから非NH3-15Nへの転換は,メディウム中NにとしてNH3-15Nのみ存在する場合には,吸収された15Nの5%,必須アミノ酸が存在する場合には19%,さらにα-ケトグルタル酸が存在するときには31%を示した.アミノ酸への取込みは可欠アミノ酸に多く,必須アミノ酸への取込みは,ほとんど認められなかった.最大の取込み量を示したのはAla,次いでGlu (NH2)であった.
  • 川崎 東彦, 高須 一重, 大亦 正次郎
    1978 年 52 巻 10 号 p. 433-440
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 高度好塩性菌は1, 2の例を除き糖を資化しないとされていたが,われわれの分離した赤色高度好塩性菌R113はグルコース,ガラクトースおよびマルトースをよく資化した.
    (2) この細菌のグルコース分解経路を検討した結果,グルコースは変型Entner-Doudoroff経路で分解されることがわかった.この経路に関与する酵素はいずれも好塩性酵素であり,またいずれも3~10mMのMgを要求した.
  • 高橋 浩司, 白井 邦郎, 和田 敬三, 川村 亮
    1978 年 52 巻 10 号 p. 441-448
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    馬鈴薯,蓮根,里芋,甘藷ならびにこれらより水沈殿して単離した澱粉について示差熱分析を行なった.また馬鈴薯中の澱粉の糊化に及ぼす塩化ナトリウム,ショ糖,エチルアルコールの影響,および馬鈴薯の貯蔵による糊化温度の変化をDTAにより検討した結果,各食品中の澱粉の熱的挙動を単離しない状態で測定することができることを認めた.以下に実験結果を要約する.
    1. 馬鈴薯,蓮根,里芋,甘藷細切片のDTAの結果,1つの明瞭な吸熱ピークを認めた.このDTA曲線は,単離した澱粉のDTA曲線よりも高温側に3~7°Cずれている以外は,よく一致したパターンを示した.また吸熱ピークの過程で偏光の消失を伴うことから,各食品の吸熱曲線は食品中の澱粉の糊化をとらえたものと判断した.
    2. 塩化ナトリウム溶液中では馬鈴薯の糊化温度は低下し, 20%濃度では10~12°C低下した.ショ糖溶液中では濃度の増大に伴い糊化温度が上昇し, 50%で約80°Cとなった.エチルアルコール溶液中でも糊化温度は増大し, 50%で約75°Cを示した.単離澱粉もほぼ同様の傾向を示した.
    3. 馬鈴薯を約4, 15, 30°Cに48日間貯蔵しDTAを行なったところ, 15°C以下の貯蔵では未貯蔵と変らない糊化温度を示したが, 30°Cの場合は4°C以上高い値を示した. 30°C62日間貯蔵した馬鈴薯,およびその単離澱粉ともに未貯蔵のものよりも高い値を示した.また1976年産馬鈴薯およびその単離澱粉の糊化温度は,1977年産のそれよりも高い値を示した.
  • 宮沢 三雄, 池田 開, 亀岡 弘
    1978 年 52 巻 10 号 p. 449-455
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    メマツヨイグサの各地,各部の精油成分をカラムクロマトグラフィーおよびGLC分取によって単離し, IR, NMR, MS, GLC (tR)などを用いて,標準物質と比較同定を行ない,各成分の検索を行なった.その結果はTableIV, Vに示した.
    主要成分はいずれもブルフラール,フルフリールアルコール,フルフリールアセテートなどの3種のフラン系化合物であり,その他cis-3-ヘキセン-1-オール, iso-アミルアルコール, n-アミルアルコールなどの8種の脂肪族アルコール,アルデヒド,リナロールなどの16種のテルペン化合物, 4種の芳香族アルコール,アルデヒド, 29種の脂肪族炭化水素, 5種のフェノール性化合物, 14種のカルボン酸で構成されていた.
  • 杉元 康志, 沖田 卓雄, 古賀 克也
    1978 年 52 巻 10 号 p. 457-462
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) ニワトリの卵黄に,プロテアーゼインヒビターが存在することを見出した.このインヒビターのトリプシン阻害活性は,胚発生の進行とともに増大した.
    (2) 孵卵直前および16日目の卵黄から脱脂,トリス塩酸緩衡液抽出,ついで硫安塩析法で部分精製した粗プロテアーゼインヒビターは,ウシの膵臓トリプシン以外にウシの膵臓キモトリプシンおよび細菌アルカリ性プロテアーゼにも阻害を示した.
    さらに両インヒビターは,これらの3種のプロテアーゼに対する阻害活性のパターンを異にすることが認められた.
    (3) 両インヒビターは常温ではpH1から12までの範囲および中性70°C加熱では安定であった.しかし, 0.1M NaOH処理および90°C加熱では失活した.
    (4) 卵黄中の内因性プロテアーゼは酸性プロテアーゼであり,卵黄プロテアーゼインヒビターによっては阻害をうけないことが認められた.
  • 松本 欣也, 松森 国彦, 井手 明雄, 渡辺 博恭
    1978 年 52 巻 10 号 p. 463-470
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The mechanism of reactions of Grignard reagents toward ethyl 3-quinolinecarboxylate (I), ethyl 4-isoquinolinecarboxylate (II) and their derivatives was estimated by HMO calculations.
    Grignard reagents attack preferentially one of the heteroaromatic ring carbons as estimated by HMO calculations. Compounds I and II react with Grignard reagents, RMgX (R=methyl, ethyl, propyl, butyl, phenyl, benzyl), to give, respectively, ethyl 4-substituted-1, 4-dihydro-3-quinolinecarboxylates (III) and ethyl 1-substituted-1, 2-dihydro-4-isoquinolinecarboxylates (V) instead of corresponding alcohols. Oxydation of III and V with potassium permanganate gives ethyl 4-substituted-3-quinolinecarboxylates (VII) and ethyl 1-substituted-4-isoquinolinecarboxylates (VIII). Each of compounds VII further reacts with the Grignard reagent to give a mixture of the 4, 4-disubstituted-1, 4-dihydro-3-quinolinecarboxylate and 3-(α, α-disubstitutedhydroxymethyl)-4-substituted quinoline, while compounds VIII to give only 4-(α, α-disubstitutedhydroxymethyl)-1-isoquinolines.
  • 酒田 和彦, 石山 哲
    1978 年 52 巻 10 号 p. 471-475
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    デントコーンサイレージの不揮発性酸性部のメチル化物を,シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画し, GLC分取で単離し, GLC, IRおよびMSスペクトルなどを用いて各成分を検索した.その結果新たにC9~C12の一連の飽和ジカルボン酸(Table II), p-クマル酸およびヒドロシナピン酸を同定した.
    揮発性フェノール性部はTMS化した後にGC-MS分析に供し,標品とのMSおよびtRの一致などからTable IIIに示した6成分を同定した.主成分はpエチルフェノール, 4-エチルグアヤコールおよびヒドロキノンであった.
  • 清水 祥一, 小林 猛, 佐藤 一精, 大宮 邦雄, 森 正司, 西村 敬子, 佐々木 正博
    1978 年 52 巻 10 号 p. 477-484
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    単離した菌は,主としてBergey's Manual(25)の第7版に従って, Protaminobacter ruberと同定された.どころが,最近出版された同書の第8版(30)では,Protaminobacterの項は削除されてPseudomonasの一員に加えられ, Pseudomonas AM 1によく似た菌として分類されている.この種のメタノール資化性細菌は,まだ分類学的にはっきりとは定まっていない現状であり,分類が確立するまで本菌をProtaminobacter ruber NR-1株と呼ぶことにしたい.
    本菌の特徴として, (1) 凝集しやすいこと, (2) メタノール以外の炭素源,すなわち1, 2-プロパンジオール,フルクトース,アルキルアミン類などにも良好な生育を示すこと(Table III), (3) かなり多量のPHBを作ること, (4) ビタミンB12,カロチノイドの含有量が高いこと(Table VIII)などがあげられる.本菌の利用をはかるうえで,この凝集しやすいという性質は集菌が容易になるため大きな長所となるであろう.
    また,ビタミンB12含有量の高いことも,本菌のもつきわめて望ましい性質の一つといえる.炭化水素資化性酵母の蛋白質の飼料化の研究は,わが国でも農林省畜産試験場などでかなり大規模に実験が行なわれ,いくつかの問題点を除くとおおむね良好な結果が得られている.その問題点の一つとして,酵母蛋白にはビタミンB12がほとんど含まれていないため,そのままでは飼料効果の激減することがあげられている(31).この点,本菌はビタミンB12をかなり多量に生産するので,そのままで利用に供しうる利点を有している.しかしながら,ビタミンB12の生成量は培養液1l当り100~330μg程度(Table XI, Table XII, Fig. 4)であり,ビタミンB12のみの工業生産を目的とするに1は,現状では無理である.ちなみに,著者らは,本菌におけるビタミンB12の形態が,主としてメチル-B12とアデノシル-B12であり(32),それらの関与する酵素反応は,それぞれB12関与メチオニン合成酵素系(32)とメチルマロニルCoAムターゼ系(33)であることを見出している.
    また,本菌の生産するカロチノイドは(34),ふつうに知られているカロチノイドに比し,より長波長側に吸収をもち(クロロホルムーメタノール(1:1)での粗抽出液の主吸収位置が505nm付近),極性も非常に高いので興味深いが,その構造については現在検討中である.
    PHBは,多くの細菌において貯蔵物質として作られることが知られており,それ自体特に本菌を特徴づけるものとはいい難いが,本菌のPHB生成量が,フルクトースを炭素源とした場含に,かなり高いことは注目に値する. PHB含量と菌の凝集性との間の関連性が指摘されているが(35),その関連性に疑問を持つ報告(36)もあり,本研究においても,メタノールを炭素源にして培養した菌はもっとも凝集しやすいにもかかわらずPHB含量が少ないという結果が得られているので, PHBと凝集性とを直接関係づけることは困難なように思われる.
    本菌において比較的含有量の高いものについては上述のとおりであるが,蛋白質含量やそのアミノ酸組成をはじめ各種含有成分も他のSCP材料と比べてそれほど見劣りしないし,著者らの溶存酸素を指標とする制御培養法によると菌体量が約20倍と飛躍的に増大する(7)ことから,応用的な目的にも十分期待がもてるといってよいであろう.
  • 前梶 健治
    1978 年 52 巻 10 号 p. 485-487
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The variation in velocity of induced reaction of gelation of konjac mannan with the sort and concentration of gelatinizer was measured by use of an amylograph. The velocity varied with the concentration of OH- but not with that of gelatinizer itself. The variation profile was almost independent of the sort of gelatinizer. The gelatinizer seems to play the role of reservoir or provider of OH-. The relation between the velocity and the concentration of OH- is derived as follows;
    V=K[OH]n, where V (min-1) is the velocity, [OH] the concentration of OH-(M), K and n the constants. As the value of n is less than 1, the formation of junction of konjac mannan seems to be hindered with increasing concentration of OH-. From the result, it is concluded that OH- acts as not only the initiator of gelation being due to the deacetylation, but also the inhibitor probably due to the peptizing effect of the ion.
  • 嶋田 誠一, 下川 敬之
    1978 年 52 巻 10 号 p. 489-491
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Effects of ethylene on chlorophyllase activity and chlorophyll degradation in peels of Satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.) fruits were studied using an ethylene-flow system to prevent the inhibitory effect of CO2 on the ethylene action. Chlorophyllase activity and chlorophyll degradation were not increased by exposing to ethylene. After exposing the ethylene-treated fruits to air, chlorophyllase activity and chlorophyll degradation were acceralated simultaneously.
    Based on these results, a role of ethylene in chlorophyll degradation of the fruits is discussed briefly.
  • 1978 年 52 巻 10 号 p. N158
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 桑原 保正
    1978 年 52 巻 10 号 p. R139-R149
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 古坂 澄石
    1978 年 52 巻 10 号 p. R151-R158
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 坂村 貞雄
    1978 年 52 巻 10 号 p. N151-N152
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 坂村 貞雄
    1978 年 52 巻 10 号 p. N152
    発行日: 1978年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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