日本農芸化学会誌
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53 巻, 7 号
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  • 篠原 隆, 渡辺 正澄
    1979 年 53 巻 7 号 p. 219-225
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1. ガスクロマト法により市販ワインおよび試醸ワイン中のフェネチルアルコール(2-phenylethyl alcohol)ならびにγ-ブチロラクトンを分析した.さらに,これらの揮発成分の生成とワインの品質に対するアルコール発酵条件について検討した.
    2. ワインに内部標準物質を加えて溶媒(酢酸エチル:n-ペンタン)抽出し,得られた溶媒層の一定量を直接ガスクロマトグラフ(FID付)に注入した.カラム条件は(1) PEG-20M, 5%, 145°Cおよび(2) PEG-4000, 10%, 135°C(カラムはともにステンレス製, 2m×3mm i.d.)で行った.
    3. 市販テーブルワイン(国産,外国産)268点,発泡酒(国産,外国産)14点およびシェリー酒(スペイン産)11点を分析した:フェネチルアルコールの含有量はそれぞれ10~89mg/l, 16~57mg/lおよび31~46mg/lであり, γ-ブチロラクトンはそれぞれ0~27mg/l, 0~13mg/lおよび0.17mg/lであった.揮発成分の含有量は産地国やワインのタイプ(白,赤ワイン;fino, oloroso sherry)によって異なっていた.
    4. 発酵条件として酵母株,補糖,窒素化合物,亜硫酸,果醪の清澄化,好気および発酵温度の7条件について,甲州種ブドウの果汁ないし果醪を用いて試験した.
    (1) フェネチルアルコールの生成:ワイン酵母10株の生成量は0~74mg/lであり,酵母の生成能に大きな差が認められた.補糖,アミノ酸(カザミノ酸, L-フェニルアラニン)添加,亜硫酸使用,好気的発酵および高温側(20°C以上)の条件は生成を促進した.一方,硫安添加,果醪の清澄化および低温側(20°以下)の条件は生成を抑制した.
    (2) γ-ブチロラクトンの生成:発酵試験での生成量は0~13mg/lで微量であった.補糖条件は比較的生成を促進したが,その他の条件について明確な影響はみられなかった.
    5. ワインの香味に対するこれらの揮発成分の関与を閾値,〓酒評価および等級別高級ワインの分析値から検討した,揮発成分のodor valueは0.44以下であり,また,ワインの品質との相関は示されなかった.これらの揮発成分は,ワインの番気や品質に直接的に関係するものではなく,それぞれ基本的香気成分として,ワインの香味に寄与していると考えられる.
  • (第1報) 1-テトラデセンおよびn-テトラデカンからのクエン酸生産について
    寺沢 真人, 長田 武雄, 高橋 穣二
    1979 年 53 巻 7 号 p. 227-232
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    酵母によるα-オレフィンの利用を目的として, α-オレフィンを資化しうるCandida属酵母2株を選択し, 1-テトラデセンおよびn-テトラデカンを各々単一炭素源としてα-オレフィンとn-パラフィンとの資化性およびクエン酸生産性を比較検討した.
    (1) C. tropicalis IFO 0589は, 1-テトラデセンもn-テトラデカンをもよく資化して前者からは40g/l(収率96%),後者からは48g/l(収率116%)のクエン酸を生成蓄積した.それに対してC. lipolytica IFO 0746は,n-テトラデカンからは47g/l(収率115%)のクエン酸を蓄積し1-テトラデセンにも良好に生育するにもかかわらず,クエン酸をほとんど蓄積しなかった.
    (2) 1-テトラデセンを基質とした場合, C. lipolyticaはチアミンのみを要求し, C. tropicalisはビオチンのみを要求した.n-テトラデカンを基質とした場合にも同様の結果が得られているので,栄養要求性に関しては両基質の間に差違のないことが知られた.
    (3) C. tropicalisによる1-テトラデセンからのクエン酸生産に際して,チアミンは生育因子ではないが,正クエン酸とイソクエン酸との生成量に大きな影響を及ぼすことが知られた,すなわち,チアミン無添加での正クエン酸とイソクエン酸との蓄積最はそれぞれ22g/lおよび13g/lであるのに対し,チアミン存在下ではそれぞれ17g/lおよび22g/lとなり,イソクエン酸量の増加が明らかであった.
  • 藤田 修二, 東野 哲三
    1979 年 53 巻 7 号 p. 233-240
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 温州ミカン米熟果の抽出液から,硫安分画, DEAE-セルロースおよびCM-セファデックスC-50クロマトグラフィー,セファデックスG-100ゲル濾過によって, PyOとPhOとが分別精製された.粗抽出液に比べ, PyOは約110倍, PhOは約2130倍に精製された.前老はディスク電気泳動的に均一であった.また,両酵素の分子量はPyOで約59,000. PhOで約27,000と推定された.
    (2) PyOはピロガロールおよび没食子酸を, PhOはフロログルシノールおよびフロログルシノールカルボン酸を速やかに酸化するが,いずれもジフェノール酸化活性は認められなかった.
    (3) PyO, PhOとも最適pHは7~8の微アルカり側にあり, pH 6以上で安定であった.また,両酵素とも他の植物PPOに比べて熱に安定であり,とくに, PhOは100°, 5分間の加熱でも10%の失活にすぎなかった.
    (4) 金属イオンの影響について調べたところ, PhO活性はMn2+により著しく賦活化されたが, Cu2+によってはほぼ完全に阻害された.これに対し, PyOはMn2+によってはほとんど影響されなかった.また,両酵素ともシアン化カリウム,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムおよびL-アスコルビン酸により顕著な阻害をうけた.
  • 中村 隆博, 大野 靖尚
    1979 年 53 巻 7 号 p. 241-242
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    A new method for enzyme fixation was studied. An enzyme aqueous solution was added slowly to a polymer solution (e. g. ethylcellulose-benzene, polystyrene-tetrachloromethane) while being stirred vigorously. An emulsified solution or an clear solution thus prepared was dried by the frozen benzene technique.(1)
    The fixed enzymes prepared in these procedures showed moderate enzyme activities.
  • 小野 正之
    1979 年 53 巻 7 号 p. 243-245
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Naringinase obtained from Aspergillus niger is used for industrial production of canned Natsudaidai (Citrus Natsudaidai HAYATA), because it can hydrolyze a bitter component, naringin (4', 5, 7-trihydroxy flavanone-7-rhamnoglucoside) containing in Natsudaidai and convert to none bitter substances.
    In order to debitter more effectively the naringin in canned Natsudaidai, the heat stability of naringinase under various conditions were tested. The results obtained were as follows:
    1. The heat stability of naringinase at pH 5.5 was higher than at pH 3.3.
    2. The heat stability of naringinase was increased in the presence of sucrose or naringin.
    3. The heat stability of naringinase was much improved in the presence of sucrose and naringin.
  • 1979 年 53 巻 7 号 p. N96
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 原田 篤也
    1979 年 53 巻 7 号 p. R61-R70
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 米原 弘
    1979 年 53 巻 7 号 p. R71-R76
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • N. Y.
    1979 年 53 巻 7 号 p. N81-N82
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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