日本農芸化学会誌
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55 巻, 1 号
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  • 廣井 忠夫, 高橋 剛, 嶋 悌司, 鈴木 恒夫, 月岡 本, 小笠原 長宏
    1981 年 55 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    天幕式堆積循還通風装置を用いて,色素高生産変異株UN 202-13菌による固体麹の製造条件を検討するとともに,麹製造過程における色素ならびにプロテアーゼ,アミラーゼの生産性について検討し,つぎの結果を得た.
    (1) 製麹機内部の殺菌には, 1%塩化ベンザルコニウム液が有効であった.
    (2) 種麹の製造は,液体培養によって得た菌体が汚染が少なく良好である.培地としては, 5%グルコースを含むNo. 2の培地が好適であり,培養温度32°C,通気量0.22vvm,攪撹拌数300rpmの条件下, 120時間の培養で十分であった.
    (3) 固体麹の製造に用いる種麹使用量は,白米重量の0.05%(乾物菌体として)以上が必要であり,麹堆積層の厚さ15cm,品温37~38°C,風量5~8m3/min(自動間歇通風),水分38~40%で8日間培養すると,汚染の少ない良質の紅麹が得られることを認めた.
    (4) 製麹中の酵素活性は,プロテアーゼ(pH 3.0およびpH 6.0), α-アミラーゼは5日目に最高となり,以後減少するが,糖化力は最後まで増加する.また, α-アミラーゼ活性がきわめて低いことを認めた.
    (5) 製麹中の色素生産は, 6~7日目にかけて急速に増加する.また,紅麹菌の生育に伴う発生熱のもっとも多い時期は5日目であることを認めた.
    (6) 白米原料のほうがパンフレークより色素生産性において優れていることを認めた.
  • 櫻井 英雄, 橋場 弘長, 奥原 章
    1981 年 55 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 透析後の生揚しょう油中の高分子物質は,しょう油エキス重量の5.7~6.9%を占め,総窒素の2.3~5.5%を占めている.
    (2) 高分子窒素化合物はSephadex G-50によるゲル濾過により, P1, P2, P3の各区分に分れ,火入れ操作によりP1, P2区分は火入れ〓などとなり,消滅する.
    (3) P3区分は生揚しょう油,火入れしょう油ともに存在する最大の窒素化合物ピークであり,非タンパク態窒素化合物が約50%近く存在していた.
    (4) P3区分はアスパラギン酸,グルタミン酸の組成が非常に高く,両者で約半分量近くの組成を占めていること,および特異的にシスチン残基が多いことが,他の窒素化合物ピークとは異なる点であった.
  • 四方 治五郎, 徳元 正和
    1981 年 55 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) オニヒトデ幽門盲嚢よりN-acetyl-β-D-gluco-saminidaseをディスクゲル電気泳動的に単一なタンパクバンドにまで精製した.
    (2) 本酵素はその約1/2の比活性のN-acetyl-β-D-galactosaminidase活性を有するN-acetylhexosaminidaseであることが示唆された.
    (3) 本精製標品はN-acetyl-β-D-glucosaminidaseとして最適pHは4.0であり, Km値はp-nitrophenyl N-acetyl-β-D-glucosaminideを基質とした場合0.71mMであり,分子量はゲル濾過法により215,000と推定された.
  • 下田 満哉, 古川 太, 三宅 正起, 筬島 豊
    1981 年 55 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    貯蔵臭の原因物質を明らかにするため,ストレート果汁および還元果汁を40°Cで貯蔵し,内部標準法により香気成分を経時的に定量した.低沸点成分の分析にはヘッドスペース法を用い,より沸点の高い成分の分析には減圧蒸留-抽出法を用いた.
    その結果,低沸点成分ではアセトアルデヒド,ジメチルスルフィド,アセトン,メタノール,エタノールが同定され,ジメチルスルフィドのみが貯蔵中に急激に増加した.これは,とくに精油含有量の低い果汁において官能的に重要であった.一方,より沸点の高い成分ではβ-ピネン,シトロネラール,リナロール, β-エレメン,ゲラニルアセテートおよび数種の含酸素テルペンの大幅な減少と,フルフラール,テルピネン-4-チオール, β-テルピネオール, α-テルピネオールおよびフェンチルアルコールの増加が認められた.カビ臭のテルピネン-4-オール, β-テルピネオール, α-テルピネオールおよびフェンチルアルコールを貯蔵臭成分と考えた.とりわけ,フェンチルアルコールは,最も重要な貯蔵臭成分であり,初めて報告されるものである.
    果汁中のフルフラール含量は,貯蔵期間とともに増加していくことから,貯蔵臭の程度を示す指標として温州ミカン果汁にも適用することが可能であることが示唆された.
  • 梶本 五郎, 筒井 芳樹, 吉田 弘美
    1981 年 55 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    成熟過程における綿実種子脂質中のリン脂質組成の変化とその構成脂肪酸ならびに脂肪酸分布について調べ,以下の結果を得た.
    (1) 成熟初期には非極性脂質は少なく,開花後20日目以後急増した.これはトリアシルグリセロールの増加が主因であった.一方,極性脂質では初期には糖脂質が多く,開花後30日目以後はリン脂質が多く含まれていた.
    (2) 開花後20日目までの種子には,ホスファチジルコリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジルエタノールアミン以外に,ホスファチジン酸,ボスファチジルグリセロール,ジホスファチジルグリセロールなども割合多く含まれていたが,成熟に伴いホスファチジン酸,ホスファチジルグリセロール,ジホスファチジルグリセロールなどは減少し,完熟種子ではホスファチジルコリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジルエタノールアミンの3種類で96%以上を占め,他のリン脂質は少量であった.
    (3) 綿実種子のホスファチジルコリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジルエタノールアミンの主要構成脂肪酸は,成熟全期間を通じてリノール酸,パルミチン酸,オレイン酸,ステアリン酸の4種類であった.ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノールアミンでは種子成熟に伴いリノール酸の割合が増加し,パルミチン酸の割合が減少する傾向がみられた.とくにホスファチジルコリンでは,開花後40日目以後その傾向が顕著であった.ホスファチジルイノシトールはパルミチン酸が成熟初期より完熟に至るまで特徴的に多く含まれていた.
    (4) ホスファチジルコリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジルエタノールアミンの分子内脂肪酸分布では,成熟全期間を通じて,いずれのリン脂質においても, 1位に飽和脂肪酸, 2位に不飽和脂肪酸が圧倒的に多く分布していた.とくに,飽和脂肪酸では,パルミチン酸,不飽和脂肪酸では,リノール酸が主体を占めた.中でも,ホスファチジルイノシトールの1位は,パルミチン酸が成熟過程中,圧倒的に多く占めていた.
  • 仁井 晧迪, 古川 靖, 岩切 三雄, 久保田 尚志
    1981 年 55 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The essential oil from the fruit of Machilus thunbergii Sieb. et Zucc. grown of Ibaraki-city (Osaka prefecture), has been studied.
    The constituents of each essential oil, which was obtained respectively from the mesocarp, seed and leaf by steam distillation, were investigated by chromatographic and spectral methods. As a result, 77 compounds were identified. The major components in the mesocarp oil were α-pinene, β-pinene, α-phellandrene, cis-β-ocimene, trans-β-ocimene and α-zingiberene, those in the seed oil were α-pinene, α-copaene, caryophyllene, δ-cadinene and caryophyllene oxide, while those in the leaf oil were caryophyllene, germacrene-D and δ-cadinene.
    Seasonal variation of the oil content was examined. The oil content decreased with ripening of the fruit. This tendency is similar to the result, which was observed in the fruit of Lindera strych-nifolia (Sieb. et Zucc.) F. Vill. The content of α-phellandrene and trans-β-ocimene, which were the main constituents in the whole fruit oil, increased with the ripening of the fruit, but decreased in the over-mature oil.
  • 栗田 啓幸, 小池 茂
    1981 年 55 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Antimicrobial effect of perilla was examined, using microorganisms from air and pure cultures of fungi and bacteria.
    Either 0.01% ether-extract of perilla leaves or 10% NaCl allowed considerable growth of microorganisms on usual agar media. However, it was found that in agar media containing more than 5% NaCl, the ether-extract of perilla leaves at a concentration of 0.01% completely inhibited growth of many kinds of microorganisms.
    This synergistic antimicrobial effect of perilla and NaCl concentrations may offer a useful tool for preserving some foods without applying any synthetic preservative.
  • 磯部 稔
    1981 年 55 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 相田 浩, 一島 英治
    1981 年 55 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 慶田 雅洋
    1981 年 55 巻 1 号 p. 85-87
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 福井 俊郎
    1981 年 55 巻 1 号 p. 87-88
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 杉山 達夫
    1981 年 55 巻 1 号 p. 88-90
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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