日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
57 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 古屋 武, 石毛 雅夫, 内田 一生, 吉野 宏
    1983 年 57 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    プロトプラストの融合により醤油醸造用麹菌の育種を行った.
    (1) Aspergillus oryzae var. No. 13と,それより紫外線処理により造成されたNo. 13の約8倍のプロテアーゼ生産能を持つNo. 8536に,分生胞子の色と栄養要求性のマーカーを付けて融合に使用した.
    (2) 18時間液体培養した菌体にカタツムリ酵素を作用させ, 2×106/mlのプロトプラストを得た.
    (3) 異なるマーカーを有する2種類の菌株のプロトプラストを20% PEGを含む液で処理し,約1%の頻度でヘテロカリオンを得た.
    (4) ヘテロカリオンから安定な緑色株を得た.緑色株は2倍体と推定された.
    (5) 緑色株は製麹試験において,プロテアーゼ生産はNo. 13の2倍以上であり,生育や分生胞子の着生,菌体量もNo. 13とほぼ同程度で,工業規模での醤油醸造に用いうる性質を持っていることが確認された.
  • 伊藤 均, Anwara BEGUM, 久米 民和, 武久 正昭
    1983 年 57 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    各種の近海産魚粉や混合ミールなどの動物性飼料原料中の微生物分布と放射線殺菌効果について検討し次の結果を得た.
    (1) 国産の魚粉や混合ミール中の総細菌数は1g当り2.4×104~3.0×106個, 大腸菌群は5.6×101~1.0×105個,好浸透圧性糸状菌は7.5×101~6.3×103個,一般糸状菌は8.8×101~5.4×103個検出された.しかし,東南アジア産混合ミールは糸状菌汚染が著しかった.骨粉や羽毛粉では微生物汚染は魚粉より少なかった.
    (2) 魚粉や混合ミール中の総細菌数は主にMicrococcusBacillusで構成されており,MoraxellaPseudomonasも干検出された.大腸菌群は分離株の30%以上がEscherichiaおよびCitrobacterで占められており, EnterobacterKlebsiellaも多く検出された.好浸透圧性糸状菌はAspergillus glaucus群とA. gracilis, A. candidusが多く検出され,国産魚粉類の一般糸状菌はRhizopusが多かった.一方,東南アジア産混合ミールではA.flvusなどが多く検出された.
    (3) 魚粉や混合ミール10検体のうち5検体からサルモネラ菌が250g当り1~20個検出され,多くの分離株は血清C1型とE型菌の2群に分けられた.
    (4) 放射線照射により混合ミール中の総細菌数は0.5~0.6 Mradで約104個生残しており,大腸菌群は検出限界以下に殺菌された.またA. flavusなどの糸状菌も0.4 Mradの照射により検出限界以下となった.サルモネラ菌を1g当り10-6個まで殺菌するためには0.5~0.6 Mrad照射する必要がある.なお高線量照射後にはMoraxella sp.や運動性を有さないPseudomonas sp.が主に生残していた.
    したがって魚粉などの動物性飼料原料の病原微生物を殺菌するためには0.5~0.6 Mradの線量で十分と思われる.
  • 緒方 靖哉, 田原 康孝, 野地 四郎, 林田 晋策, 本江 元吉
    1983 年 57 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    新規に土壌から分離したBacillus subtilis B 24と名付けた菌株の培養液から,種々のClostridium属細菌とBacillus属細菌の生菌体や加熱処理菌体,さらにEscherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Staphylococcus aureusなどの加熱処理菌体を強く溶菌する溶菌酵素を,硫安塩析, DEAE, CM-セルロースクロマトグラフィー,アンホライン等電点分画によって分離した.精製酵素は,その比活性が115倍に上昇し, DISC-電気泳動的に均一であり,等電点はpH 8.0にあった. SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって求めた分子量は約40,000であった.本酵素は反応温度が35°C~40°C, pHが8.0,イオン強度が0.005M~0.05Mのとき,最大の活性を示した.本酵素は細胞壁ペプチドグリカンのグリカン部のN-アセチルムラミン酸とペプチド部のL-アラニンとのアミド結合を切断するN-acetylmuramyl-L-alanine amidaseであった.
  • 茂田 井宏, 林 和也, 石山 孝, 曽根原 豪志
    1983 年 57 巻 1 号 p. 27-36
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    醤油(麹菌としてA. sojae KS使用)の火入れおりの濁度量,密度,粒度を測定することにより,生醤油中に残存する麹菌由来の酵素であるアルカリおよび酸性プロテアーゼ,α-アミラーゼの火入れおり沈降への寄与を検討し,以下の結果を得た.
    (1) 生醤油中のアルカリプロテアーゼ,酸性プロテアーゼ,α-アミラーゼはそれぞれ火入れおりの前駆体であり,生醤油中の残存活性は火入れおり量と高い相関を示した.
    (2) 精製したα-アミラーゼを生醤油に添加して火入れをすると,添加量の増加とともに火入れおり量は増大したが,火入れおりの密度,粒度分布は変らなかった.
    (3)生醤油中から酸性プロテアーゼのみ選択的に除虫して火入れを行った場合,火入れおり量は減少し,凝集が遅くなったが,火入れおりの密度分布はほとんど差が認められなかった.
    (4) 精製したアルカリプロテアーゼを生醤油に添加して火入れをすると,添加量の増加とともに火入れおり量および火入れおりの密度は増大した.一方,初期の火入れおりの生成および凝集の促進がみられたが,時間の経過とともに次第に凝集が遅れ,最終的には凝集を阻害し,沈降しにくい微小の粒子の割合の火入れおりとなった.したがってアルカリプロテアーゼは火入れおりの沈降を阻害すると推定した.
    (5) アルカリプロテアーゼの活性中心をブロックしたDIP-酵素を生醤油に添加して火入れした場合,火入れおりの生成量,凝集速度は活性プロテアーゼ添加の場合に比べ,ほとんど差が認められなかった.このことはアルカリプロテアーゼ添加による火入れおり生成促進,凝集阻害はプロテアーゼ作用によるものでないことを示唆した.
    (7) 以上の結果,火入れおりの沈降に生醤油中の残存α-アミラーゼは寄与せず,酸性プロテアーゼは促進し,アルカリプロテアーゼは阻害すると推定した.
  • 亀岡 弘, 尾本 裕司
    1983 年 57 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    This paper deals with the chemical components of the essential oils of Nymphaea mexicana ZUCC. collected at Sakai-shi in June 1981. The plant was separated into four parts; leaves, stalks, petals and the anther-pistil-stamen. Oils obtained by steam distillation were separated to acidic, neutral and phenolic divisions and then were isolated by column chromatography and preparative gas chromatography.
    Compounds found in gas chromatographical and spectral data included C10_??_C25 alkanes, C9_??_C20 alkanols, citronellal, geraniol, linalool, a-terpineol, geranyl acetate, a-terpinyl acetate, eugenol, isoeugenol, methyl isoeugenol and C12_??_C18 fatty acids.
  • 菊地 正雄, 山内 洋子
    1983 年 57 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The constituents of seeds of Ligustrum obtusifolium SIEB. et ZUCC. were investigated. Glyceride, α-amyrin, β-amyrin, acetylursolic acid, acetyloleanolic acid, ursolic acid, oleanolic acid, 2α-hydroxyursolic acid, maslinic acid and β-sitos-terol were identified from the etherial extract. β-Sitosteryl β-D-glucoside, mannitol and D-glucose were isolated from the methanolic extract. Secoiridoids and phenylethane derivatives were not detected in the seeds.
  • 室岡 義勝
    1983 年 57 巻 1 号 p. 45-53
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 村上 浩紀
    1983 年 57 巻 1 号 p. 55-62
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • N. Y.
    1983 年 57 巻 1 号 p. 89-90
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 横田 孝雄
    1983 年 57 巻 1 号 p. 90-93
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 堀米 隆男
    1983 年 57 巻 1 号 p. 94-96
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top