日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
57 巻, 6 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 上原 哲
    1983 年 57 巻 6 号 p. 529-533
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    甘藷澱粉粒を30°C, 1時間, 7M尿素で処理して糊化させたあと, 13,000rpm, 5分間の遠心分離を行い,可溶性画分(上清画分)と不溶性画分(沈殿画分)とを得た.各画分にn-ブタノールを添加後,加熱して澱粉成分の完全な分散を行った.次に,各画分の分散液をSephadex G-25カラムクロマトグラフィーにかけて低分子成分(尿素, n-ブタノール,その他の不純物)を除去した.得られた各画分の濾液を試料としてそれぞれのアミロース・アミロペクチン組成比をヨウ素呈色比色法により決定した.
    可溶化された澱粉量は全澱粉量の約13.3%であり,この画分中のアミロースとアミロペクチンの比率は約97.7:2.3であった.一方,不溶性画分中の澱粉量は全澱粉量の約86.7%であり,このうちのアミロースとアミロペクチンの比率は約1.0:99.0であった.以上の結果から,全アミロースの約93.6%が可溶性画分中に溶出され,全アミロペクチンの約99.8%が不溶性画分中に残ることが計算された.
  • 三浦 義治
    1983 年 57 巻 6 号 p. 535-541
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Mucor属, Rhizopus属, Aspergillus属菌株の10年間にわたる流動パラフィン重層保存法による保存研究の結果,属により,また種により生残率が異なっていたが, Mucor属では高い生残率を示し,糸状菌の保存法の一つとして有効であることを認めた.
  • 小宮 孝志, 山田 哲也, 奈良 省三, 川岸 舜朗, 並木 満夫
    1983 年 57 巻 6 号 p. 543-549
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    放射線照射によりo-, m-およびp-BPG化合物が微生物細胞E. coli Bに対する致死作用を増強し,それらの化合物の増感効果は臭素原子の置換位置によって異なり,その強さはo-<m-<p-の順であった.また薬剤自身の効果を生存曲線での薬剤無添加の場合の傾きをk0,薬剤添加の場合の傾きをkとし, k/k0で表すと,酸素条件下よりも窒素条件下のほうがその値は大きく現れた.
    このようなo-, m-およびp-BPG化合物の放射線増感効果に関連して,これらの化合物の水溶液における放射線分解過程を水の放射線分解物であるeaq-,・OH,・Hのラジカル捕捉剤添加効果より明らかにした.その結果,臭素原子の置換位置によるBPGの分解率の大きさは放射線増感効果と相応した. Fig. 4に示すように, BPG水溶液の放射線分解の主な反応としてeaq-と・HがBPGのC-Br結合を開裂し, PGラジカルとBr-を生成した. G(Br-)値は3.0で臭素原子の置換位置により変化しなかった.続いてPGラジカルは未反応のBPGの糖残基より水素原子を引き抜いてPGを生成したと考えられる.この際, o-BPGのG(PG)値は他の2つに比べて著しく小さく,これはPGラジカルの水素引抜き反応で立体障害を受けたものと考えられる.その他少量の反応として・OHによるBPGのグルコシド結合の開裂に伴うグルコースの生成がみられ, G(Glc)値の大きさはBPGの臭素原子の置換位置により異なり, o->m->p-の順でG(-BPG)値およびG(PG)値とは逆の結果となった.
  • 阿部 昭吉
    1983 年 57 巻 6 号 p. 551-556
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Experiments were conducted to investigate the influence of ordinary amines on scenedesmus which was a vegetable colony formed by the eight cells of Scenedesmus bijuga var. alternans. Amines morphologically transformed scenedesmus into spherocell, as previously reported in blepharisma. This activity increased as the pKa values of amines increased and the pH value of the medium increased.
    Spherocell obtained from scenedesmus by amine required the combination of Fe(III) ion and Ca(II) ion or Zn(II) ion and Ca(II) ion in reverse transformation to normal scenedesmus. The action of amines on scenedesmus was the same as that on blepharisma. However, the metal ions responsible for the maintenance of the morphology of scenedesmus were different from those in the case of blepharisma.
  • 能勢 征子, 小林 彰夫, 山西 貞, 松井 正直, 武居 三吉
    1983 年 57 巻 6 号 p. 557-561
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Sotolon, 3-hydroxy-4, 5-dimethyl-2(5H)-furanone, the most important key substance in the characteristic sweet aroma of raw cane sugar, was prepared by condensation of pyruvate and 2-oxobutyrate, 2-oxoglutarate or glutamate. The solution of the substrates was boiled at pH 8 and then concentrated at acidic pH. These experimental conditions resembled the industrial processing of raw cane sugar. The findings indicate the possibility of sotolon formation during the processing of raw cane sugar. Some homologues of sotolon were also obtained in these reactions.
    †Deceased.
  • 堀内 久弥, 東 敬子
    1983 年 57 巻 6 号 p. 563-570
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    もちの加熱による軟化要因の一つに,捏和時に混入する気泡の膨脹が挙げられるが,それを検討するために,もちに最も近いモデル物質としてモチトウモロコシデンプンを選び,糊化寸前まで加熱した粘稠な懸濁液をかく拌して起泡後,さらに蒸熱してゲルを形成させた.対照とした寒天は起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステル0.1%を加え,溶解後,かく拌,起泡,冷却してゲル化させた.両者とも減圧,脱気を繰り返した脱気ゲルを同時に調製した.
    冷却7日後のゲルについて,見かけの比容の温度依存性の微分値が急増加し始める温度は,かく拌の度合いにほぼ反比例して低くなり,気泡の膨脹を表すものと考えられた. 2Hzにおける動的弾性率の温度依存性は20°Cあるいは30°Cをピークとして曲線状に減少し,とくに50°C付近からの減少は急激である.既報の白玉もちの緩和弾性率G(0.5)の温度依存性を30°Cを基準として表し,それに気泡含有試料の数値を重ね合わせると,起泡モチトウモロコシデンプンゲルが最ももちに近いことがわかった.脱気デンプンゲルが起泡寒天ゲルよりはるかにもちの曲線に近かったことは,気泡の弾性率弱化効果よりも,成分が同種のアミロペクチンであることのほうがより有効なことを示したものと考えられる.
    さらに,気泡の弾性率弱化効果を2相分散系の弾性率を規定したUemuraの式で計算した,寒天ゲルにはほぼ適合したが,デンプンゲルには全く効果がなかった.これはデンプンゲルが固形分を含む3相系であることに一因があると考えられた.
  • 日高 秀夫, 菅 麻也子, 立川 涼
    1983 年 57 巻 6 号 p. 571-579
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    魚の化学薬剤に対する忌避反応を定量的に評価するための忌避試験法を考案した.前報(2)のアユを使った方法に比べて本法の改良点は, (1)標準的試験魚であるメダカを使用し, 1年を通して試験することが可能となった. (2)試験水槽を理論上最もよいと思われる完全並流型にした. (3)装置を小型化したので, 1日に使う試験水量が2tからltに減少した. (4)試験魚の馴致と忌避試験を同一のスモールチェンバー内で行った.そのため,魚へのストレスが減少し,試験水槽内での魚の馴化が早くなった. (5) 1回の試験時間が100分から25分に短縮した.アユのときは1日5尾であったのが,メダカでは1日(約5時間)最高20尾,通常15尾の結果が得られた. (6) 再現性が非常によく,全体とLて迅速,簡便になった.
    試験結果は記録時間5分間に対する薬液無添加側の水域に魚がいた時間割合(%)である忌避率で表し,通常10回の結果を平均する.その統計処理は,ブランク試験結果の度数分布が正規性を示すことから,簡便で効率のよいt-検定法が適用できる.
    界面活性剤を用いて検討した結果, (1) メダカの産地や入手時期による忌避試験結果の差はなかった. (2) 前報の向流型試験水槽と比較すると,忌避曲線のパターンは同じであるが,向流型のほうが並流型よりやや忌避率が高くなる傾向がみられた. (3) 1回に使う試験魚が単独の場合と集団とでは結果に差がなく,メダカの忌避行動は視覚ではなく嗅覚や味覚基にづくことが示唆された.
    このメダカによる並流型の試験法は,化学物質の影響評価の一つとしての標準的忌避試験法の条件をほぼ満たしていると思われる.
  • M. LeMaguer, 矢野 俊正, 飯淵 貞明
    1983 年 57 巻 6 号 p. 581-590
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • N.Y.
    1983 年 57 巻 6 号 p. 620-622
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 矢野 圭司
    1983 年 57 巻 6 号 p. 623-624
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 57 巻 6 号 p. 640
    発行日: 1983年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top