日本農芸化学会誌
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58 巻, 4 号
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  • 赤星 亮一, 大熊 広一
    1984 年 58 巻 4 号 p. 357-365
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 34°Cにおける水,エタノール,エタノール水溶液および蒸留酒のNMRスペクトルの化学シフトについて測定を行った.純エタノールは4.075ppm,純水は3.528ppmであり,エタノール水溶液および熟成蒸留酒のOH基プロトンのNMRスペクトルは,いずれも水の化学シフト位置の近傍に出現する.これは,エタノール水溶液や蒸留酒は,その水素結合の状態がきわめて水に類似した液体構造を持つものと考え,られる.
    (2)エタノール水溶液や蒸留酒中に微量の酸が存在すると, OH基プロトンのNMRスペクトルは,酸を含まないものに比べて約0.01~0.05ppm低磁場にシフトする. 0.01~0.18%の濃度範囲では酢酸の濃度が変っても,シフトの位置は変らず固定されている.
    (3)熟成蒸留酒には必ず微量の酸が存在するので,貯蔵年数の異なる試料のNMRスペクトルは,酸の存在によって決まる一定のシフト位置に出現し,熟成に伴う差異をみることができなかった.
    (4)蒸留酒のOH基プロトンスペクトルの半値幅は貯蔵年数とともに増大し, 10年当り約0.5 Hz増大する.半値幅の増大はプロトン交換速度の減少および単量体の減少を示すもので,熟成に伴う誘電率や気相エタノール濃度減少の事実とよい一致を示している.これは,長い年月貯蔵熟成された蒸留酒中ではエタノール分子が強く束縛されていることを示すもので,その香味円熟と深く関連している.
    (5)蒸留酒中に存在する酸,エステル,アルデヒド,フーゼル油,樽材浸出物等の微量成分がOH基プロトンのNMRスペクトルの半値幅に与える影響について検討を行った.エステル,アルデヒド,フーゼル油の場合,存在する濃度範囲においては,ほとんど影響がなく無視することができる.酸が存在すると水素交換のためNMRスペクトルはシャープとなり半値幅を著しく減少させる.樽材浸出物は若干半値幅を増大させるが,熟成に伴う半値幅の増大に比べればわずかである.
  • 入來 義彦, 福田 祐子, 柿崎 和子, 中沢 正幸, 上杉 好治, 神津 公
    1984 年 58 巻 4 号 p. 367-371
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    メギ科7属に属するメギ・ヘビノボラズ・イカリソウ・ヒイラギナンテン・ナンテン・サンカヨウ・ルイヨウボタン・ポドヒルムの水溶性多糖類およびヘミセルロースを調製し,その化学的性質を研究した.
    (1)水溶性多糖類の加水分解液中の中性糖類をペーパークロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーで調べたところ,量的差異(TableI)はあるが,調べた8種の植物のものには,多量のアラビノースと,少量のキシロース・マンノース・グルコース(ポドヒルムは多量)・ガラクトースが検出された.
    (2)水溶性多糖類の分析用超遠心機による沈降図形から,メギ・ヒイラギナンテン・ナンテン・サンカヨウ・ルイヨウボタン・ポドヒルムの沈降定数(S20, w)は,それぞれ1.37, 2.14, 3.30, 2.03, 1.82, 2.01であった.
    しかし,イカリソウ・ヘビノボラズはピークが認められなかった.
    (3)ヘミセルロースは,すべてβ-結合を持つキシランまたはグルコキシランであった.
  • 細野 明義, 大谷 元, 相原 英孝, 守田 早一郎, 鴇田 文三郎
    1984 年 58 巻 4 号 p. 373-380
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    脱脂乳(pH 6.7)を基質とし, 40°Cで凝固開始時間が18分になるようにリトスス酵素ならびにレンネットの添加量を定めた.得られたカードの特徴を走査型電子顕微鏡(SEM)ならびにポリアクリルアミドゲル(PAG)電気泳動によって検討した.
    (1)標準条件下で調製したリトススカードのSEM像はレンネットカードと類似した卵型粒子が連なった網目構造を呈し,とくに反応時間90分を経過したリトススカードの網目構造はレンネットカードとほとんど同一となる.
    (2)リトスス酵素は30°Cから90°Cにわたる広い温度範囲でカードを形成するが,反応温度が高くなるにつれて網目を構成する繊維は太くなり,やがて塊状を呈してくる.
    また,脱脂乳のpHがアルカリ側になるにつれてリトススカードの網目構造は崩れ,餅状を呈した.
    (3) CaCl2ならびに酵素の添加量を増すと,レンネットカードと同様にリトススカードの網目繊維が太くなる傾向を示した.
    (4)カードの調製条件を変えてもリトススカードとレンネットカードのPAG電気泳動パターンにはほとんど変化が認められなかった.
  • 白石 征, 西村 佐恵子, 兵頭 枝保里
    1984 年 58 巻 4 号 p. 381-383
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The enzymatic and protein-chemical properties were investigated in catalase purified from black matpe (Phaseolus mungo L. var. radiatus Bak) sprouts. The catalase had a broad optimum pH of 7 to 9 in 0.05M phosphate buffer and Tris-HCl buffer. The enzyme was very labile below pH 6.0 but relatively stable at pH 9.0. It was slowly inactivated by dilution and was rapidly inactivated by 8M urea. About 20% of the enzyme activity was lost by freezing and thawing. Low molecular weight nitrogen compounds including NH2OH•HCl, NaN3, KCN, NaNO2, CS(NH2)2 and 3-amino-1, 2, 4-triazole were potent inhibitors of the enzyme. The sedimentation coefficient (s20, W) of the enzyme was 12.1 s. The molecular weight was determined as 187, 000 by the sedimentation equilibrium method using a partial specific volume of 0.72. The protein was characterized by a high content of serine, glutamic acid and glycine, as well as by a low content of cystine and methionine.
  • 武内 真理子, 今井 紘
    1984 年 58 巻 4 号 p. 385-386
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The cell wall of Flavobacterium arborescens IFO 3750 contained 6-deoxy-L-talose. In the cell wall the peptide moiety of the peptidoglycan possessed alanine, glycine, lysine, glutamic acid (plus 3-hydroxyglutamic acid) and homoserine (ratio; 1:3:1:1:1). The polysaccharide in the cell wall was composed of galactose, mannose, 6-deoxy-L-talose and glucosamine (ratio; 2:1:1:1).
  • 骨格筋タンパク質分解速度測定法についての論争
    門脇 基二, 野口 忠
    1984 年 58 巻 4 号 p. 419-424
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 蓑田 泰治
    1984 年 58 巻 4 号 p. 425-426
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 上野 民夫
    1984 年 58 巻 4 号 p. 426-428
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 遠藤 章
    1984 年 58 巻 4 号 p. 428-429
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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