日本農芸化学会誌
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58 巻, 6 号
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  • 今井 正武, 後藤 昭二
    1984 年58 巻6 号 p. 545-551
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    120日間野菜の漬け込みを繰り返しながら,熱成中の糠床における酵母フローラの変化を追跡し,分離酵母の同定を行った.酵母は糠床調製直後には検出されなかったが, 30日後の総酵母数は1.2×106コロニー/g, 60日には最大値5.9×107コロニー/gに達した. 90日後では1.2×106コロニ一/gに減少したものの,それ以降の顕著な減少は認められなかった. 120日後の糠床は2年間熟成したそれとほぼ同じ酵母数であった.各熟成期での糠床から分離,群別した64菌株のうち,代表的な13菌株を同定した結果, Candida krusei, C. lipolytica,Torulopsis etchellsii, Rhodotorula minutaおよび種未同定のCandida sp.と同定された.
    酵母フローラは各熟成期ともC. kruseiが優勢で,常に50~67%を占め,次いでT. etchellsiiが20~30%を占めた. Candida sp.とC. lipolyticaは,熟成90日を境として交替現象がみられ,前者は90日以前で約10%,後者は90日以後で約10%の比率で検出された. 120日間熟成した糠床中心部での主な酵母フローラの比率は, 2年間熟成した糠床とほぼ同様な結果を示した.
    また,分離酵母の純粋培養による糠床熟成香生成試験では, C. krusei, C. lipolytica, T. etchellsiiが熟成香類似のフレーバーを,またCandida sp.は麹臭に近いフレーバーを生成した.
  • 中台 忠信
    1984 年58 巻6 号 p. 553-557
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    多数の麹菌株を用いて醤油の試醸を行い,段階的重回帰分析を用いて麹菌酵素系の醤油火入れおり量に及ぼす影響を解析し,各酵素のそれに対する寄与を定量的に把握した.
    (1)火入れおり量はステップ1で選ばれた醤油麹中のアルカリ・中性(全)プロティナーゼで58.3%説明され,ステップ2で選ばれたα-アミラーゼを加えると72.2%説明でき,ステップ3で選ばれたペクチンリアーゼをさらに加えると78.9%説明できた.
    (2)火入れおり量に対して寄与率の大きな酵素は既知のアルカリ・中性プロティナーゼ(31.9%), α-アミラーゼ(15.3%),酸性プロティナーゼ(8.4%)と今回新たにペクチンリアーゼ(14.4%),キチナーゼ(8.2%),キシラナーゼ(2.9%), β-ガラクトシダーゼ(2.3%)であることがわかった.
    (3)醤油の収量を低下させることなく,火入れおり量を減少させるにはペクチンリアーゼ,キシラナーゼ活性が強く, α-アミラーゼ,酸性プロティナーゼ,キチナーゼ活性の弱い麹が酵素組成として適当であり,麹菌としてはこのような特徴を示す菌が良いと考えられた.
  • 山本 哲郎, 柳生 淳二, 太田 香矢乃, 浜野 充博, 大内 弘造, 西谷 尚道
    1984 年58 巻6 号 p. 559-566
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    糖蜜アルコール発酵過程の野生酵母による汚染を防止する目的で,キラー活性を持つアルレコール酵母の育種を行った.
    (1)実用アルコール酵母M-111株と核融合欠損変異(kar 1-1)を有するK2キラー酵母5170株とのプロトプラスト融合によってキラー活性を持つ融合株を分離した.
    (2)そのなかから選抜されたK2-M-111株は, 5170株より数倍発酵力が強く, M-111株と同等の発酵力を示し,また副産物生産性についてもM-111株と同じであった.また, K2-M-111株の保持するキラープラスミドは, 5170株のキラープラスミドとアガロースゲル電気泳動的に同じであった.
    さらに, K2-M-111株の核DNA含量を調べた結果, 4倍体であり, M-111株同志の核融合が起ったものと推定された.
    (3) K2-M-111株は,糖蜜(15%)の回分発酵過程で汚染菌として接種されたMCA-111株の生菌数を30°C, pH 3.2~4.2の条件で減少させることが認められた.
    (4) K2-M-111株の固定化菌体を用いたリアクターでの連続発酵では, pH 3.2~5.2の条件でキラー活性が認められ,かつ,汚染菌MCA-111株の排除は,回分式より一層効果的であった.
    (5)リアクターの長期間(65日)運転中に,滞留時間を10時間から6時間に変更しても, K2-M-111株のキラー活性および発酵性が安定に維持されることが確かめられた.
  • 小谷 隆, 櫟本 五男, 上田 博夫, 酒井 平一
    1984 年58 巻6 号 p. 567-573
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    S. aureus 209 Pに対するIKAの影響を調べた.その結果, IKAの作用を受けたS. aureus 209 P菌は,ヘキソースアミンを含むポリペプチド(K物質)を遊離することを認めた. K物質は,ヘキソースアミンとして少なくともグルコサミンとムラミン酸を含み,アミノ酸としてはグリシンを多く含んだポリペプチドであった. K物質中には, S. aureus株のペプチドグリカンに含まれているリジンが含まれていないが, IKAの作用で生成する異常なペプチドグリカン前駆体であると推論した.
  • 村上 浩紀, 下村 猛, 中村 卓二, 大橋 秀哉, 篠原 和毅, 大村 浩久
    1984 年58 巻6 号 p. 575-583
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ハイブリドーマを成長因子添加無血清培養するために,無機塩類,アミノ酸,糖類,ビタミン等からなる基礎培地について検討した.
    (1)現在使用している動物細胞培養用基礎培地(c-RDF)で成長因子添加無血清培養を行うと浸透圧が低いために安定した細胞の増殖が得られない.
    (2)アミノ酸,グルコース,ビタミン類の含量等に検討を加え,さらに浸透圧をも考慮して新たな基礎培地としてe-RDFを考案した.
    (3)成長因子添加無血清e-RDF培地中での細胞の到達密度は試験したほとんどの細胞に関して,血清添加あるいは成長因子添加無血清c-RDF培地中でのそれよりも優れていた.
    (4)ハイブリドーマ5F9-10Cおよび4C10B6の細胞当りの免疫グロブリン生産量は,基礎培地と血清あるいは成長因子の組合せによらずほぼ同レベルであった.したがって,培地中への抗体蛋白質の蓄積量は細胞密度に比例することになる.
  • 常田 文彦, 石川 正夫, 渋谷 耕司, 輿水 正樹, 阿部 龍二
    1984 年58 巻6 号 p. 585-589
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    銅クロロフィリンナトリウム(SCC)より消臭力が優れていて,口腔に利用できる消臭剤を探索するためにメチルメルカプタンを用いた消臭力試験法を設定し,生薬,スパイス等植物のメタノール抽出物の効果を測定した.その結果次の点が明らかになった.
    (1)消臭作用を示した植物(消臭率60%以上のもの)は65科167種中23科40種,このうちシソ科に属する植物14種はすべてが有効であった.
    (2) SCC程度以上の消臭力を示したものは6種あり,そのうちスナウ,ホオノキ,クコは過去に消臭作用をもつ植物として発表されたことはない.またセージ,ローズマリー,タイムはその精油に魚臭抑制作用があることが知られているが,本研究では非精油画分にメチルメルカプタン捕捉作用が認められ,新規の消臭成分め存在が示唆された.
  • 海老原 清, 宮田 富弘, 水田 昭
    1984 年58 巻6 号 p. 591-597
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    盲腸切除術をラットに施し,盲腸の機能的役割の関与をなくした条件下で, 1, 2-dimethylhydrazine (DMH)誘導の発ガンに対する食物繊維(DF)の影響を調べた. DFとして小麦ふすま(WB),ペクチン(P)を用いた.ラットを1)精製飼料(FF飼料)-sham-operated群, 2) FF飼料-盲腸切除群, 3) FF+10% WB (WB飼料)-sham-operated群, 4) WB飼料-盲腸切除群, 5)FF+5%P (P飼料)-sham-operated群, 6)P飼料-盲腸切除群の6群に分け, 22週間飼育した.初めの15週間,体重1kg当り30mgの投与量になるように週1回DMHをラットに経口投与した.その結果,次のような知見を得た.
    (1)ラットの成長に対して飼料・盲腸切除・DMH投与の影響は全く認められなかった.
    (2)糞便容積はDF飼料摂取・盲腸切除により増加した.
    (3)消化管内容物の移動速度はDF飼料摂取によって短縮され,盲腸切除によってさらに短縮された.
    (4) P飼料-sham-operated群の糞中β-glucumnidase活性は他群のそれらに比べ4~6倍も高かった.他群の間には有意な差は認められなかった.しかし,それらの群において有意な差はないものの盲腸切除群の活性はsham-operated群のそれに比べ低い傾向を示した.
    (5)盲腸内容物のpHはDF飼料摂取によって低下した.その低下の程度はP飼料群のほうで顕著であった.結腸内容物のpHはDF飼料摂取によって低下し,盲腸切除によってさらに低下した.
    (6) DMH誘導の発ガンがDF摂取によって抑制されることはなかった. Sham-operated群に比べ盲腸切除群で結腸に大きな腫瘍の多発をみた・腫瘍発生部位には局在性があり,結腸中央部での腫瘍数が少なかった.
  • 松田 和雄
    1984 年58 巻6 号 p. 599-606
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 今中 忠行
    1984 年58 巻6 号 p. 647-649
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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