糖蜜アルコール発酵過程の野生酵母による汚染を防止する目的で,キラー活性を持つアルレコール酵母の育種を行った.
(1)実用アルコール酵母M-111株と核融合欠損変異(
kar 1-1)を有するK
2キラー酵母5170株とのプロトプラスト融合によってキラー活性を持つ融合株を分離した.
(2)そのなかから選抜されたK2-M-111株は, 5170株より数倍発酵力が強く, M-111株と同等の発酵力を示し,また副産物生産性についてもM-111株と同じであった.また, K2-M-111株の保持するキラープラスミドは, 5170株のキラープラスミドとアガロースゲル電気泳動的に同じであった.
さらに, K2-M-111株の核DNA含量を調べた結果, 4倍体であり, M-111株同志の核融合が起ったものと推定された.
(3) K2-M-111株は,糖蜜(15%)の回分発酵過程で汚染菌として接種されたMCA-111株の生菌数を30°C, pH 3.2~4.2の条件で減少させることが認められた.
(4) K2-M-111株の固定化菌体を用いたリアクターでの連続発酵では, pH 3.2~5.2の条件でキラー活性が認められ,かつ,汚染菌MCA-111株の排除は,回分式より一層効果的であった.
(5)リアクターの長期間(65日)運転中に,滞留時間を10時間から6時間に変更しても, K2-M-111株のキラー活性および発酵性が安定に維持されることが確かめられた.
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