日本農芸化学会誌
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58 巻, 8 号
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  • 稲森 和夫, 宮内 謙吉, 内田 一生, 吉野 宏
    1984 年 58 巻 8 号 p. 771-777
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    醤油諸味由来の乳酸菌と酵母の生育,発酵に対する酸素供給の有無初発pH,初発菌数の影響を麹消化液培地を使用して検討した.
    (1)初発pH 6.0では酸素供給があると酵母によって乳酸菌の生育が劣化する相互作用,供給がないと乳酸菌によって酵母の生育が劣化する相互作用が認められた.
    (2)初発pH 5.6では酸素供給の有無に関係なく酵母によって乳酸菌の生育が劣化する相互作用が認められた.
    (3)このように両菌間の相互作用の要因は2つあり, pHと酸素供給の有無であった.初発pH 6.0の場合の相互作用は2種類で,初発pH 5.6では1種類になった.
    (4)乳酸菌に対する酵母の相互作用が存在すると乳酸生成は抑制され,酵母に対する乳酸菌の相互作用が存在するとアルコール生成が抑制された.
    (5)麹消化液培地と諸味培地では同一条件で乳酸菌,酵母の生成に対し同じ相互作用が認められた.
  • 鎌田 政喜, 伊東 信平
    1984 年 58 巻 8 号 p. 779-784
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ワカメ,コンブなどのメタノールエキスに蚕の生長を促進し,繭を大きくする効果のあることから検討を開始し,以下のような結果が得られた.
    (1)ワカメのメタノールエキスについてTLCを行った結果,数多くのインドール化合物が検出された.
    (2)生理活性のあるインドール化合物として広く知られているものにインドール酢酸があり,これを人工飼料に加えて飼育するとき稚蚕体重が増加することを見出した.インドール酢酸と同様植物ホルモンであるジベレリンにも増体効果が見出されたがカイネチンには見出されなかった.
    (3)インドール酢酸,ジベレリンの極微量(蚕1頭当り約1×10-5μg)をブドウ糖倍散とし,これを水に溶かして4齢2日目および3日目の給桑時にそれぞれ1回桑葉にスプレーして2葉とともに食下させた結果,繭重および繭層重を約10%増加させることができた.このときにもカイネチンには効果がみられなかった.
    (4)インドール酢酸,ジベレリンのブドウ糖倍散を水に溶かし, 4齢2日および3日目の給桑直前にそれぞれ1回ずつ蚕体に直接スプレーし経皮吸収を行わせることにより,繭重,繭層重を増加させることができた.
    (5)稚蚕人工飼育によりオーキシン類の類縁化合物であるオキシインドール酢酸,ジオキシフェニル酢酸などにも増体効果のあることを見出した.
  • 宮川 英二, 矢野 順子, 濱門 敏斉, 木戸 康仁, 元木 義信
    1984 年 58 巻 8 号 p. 785-791
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)新しいコリンエステラーゼ活性測定用の共役酵素として用いるPHBAaseとPROaseを取得するために,両酵素の取得源としてPseudomonas putida RB-4を土壌より分離した.
    (2)Pseudomonas putida RB-4の無細胞抽出液より両酵素をDEAE-セルロースへの吸着力の差に基づき分離し,さらに精製し,電気泳動的に単一なPHBAaseおよびPROaseを取得した.
    (3) PHBAaseは分子量4.0×104で酵素1分子当り1分子のFADを含有していた. p-ヒドロキシ安息香酸に対するKm値は3.9×10-5M, NADPHに対するKm値は6.2×10-5Mであった.
    (4) PROaseは分子量5.0×105で2.4×104の単一なサブユニット20分子より成り,酵素1分子当り5分子の非ヘム鉄を含有していた.プロトカテキン酸に対するKm値は1.82×10-5Mであった.
  • 福田 亘博, 高里 浩, 知念 功, 四方 治五郎
    1984 年 58 巻 8 号 p. 793-798
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    デイゴ(Erythrina variegata (Linn) var. orientalis)種子より,ガラクトースーセファロース6Bアフィニティカラムクロマトグラフィーにより親和性の異なる4種類のレクチン(溶出順にそれぞれA, B, CおよびD画分とした)を得, A, BおよびD画分についてさらにセファデックスG-150ゲルカラムクロマトグラフィーにより電気泳動的(pH 4.0)に均一に精製した.
    これら3種類のレクチンは電気泳動的にほぼ同一の泳動度を示し,また分子量も約60,000で同一であった.
    一方,糖によるヒトO型赤血球を用いた凝集阻害試験の結果,これらのレクチンはいずれもガラクトースおよびその誘導体により,その凝集活性は強く阻害された.試験した糖のうち,ラクトースがいずれの画分に対しても最も強い阻害活性を示した.一方,これら糖による阻害の程度は,アフィニティカラムクロマト担体に吸着するD画分が最も強く,次いでBおよびA画分の順であった.
    ヒトABO式赤血球およびウサギ赤血球に対する3種類の精製レクチンの凝集活性を調べた結果, A画分はヒトBおよびO型赤血球を, B画分はO型およびトリプシン処理ウサギ赤血球を, D画分はウサギ赤血球を強く凝集させることが示された.
    以上のように,デイゴ種子中には電気泳動的挙動および分子量がほぼ同一で,それらの性質が異なる少なくとも3種類以上のレクチンが存在することが示唆された.
  • 町田 晴夫, 東 俊彦, 国生 純孝
    1984 年 58 巻 8 号 p. 799-804
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 田中 英彦
    1984 年 58 巻 8 号 p. 839-840
    発行日: 1984年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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