デイゴ(
Erythrina variegata (Linn) var.
orientalis)種子より,ガラクトースーセファロース6Bアフィニティカラムクロマトグラフィーにより親和性の異なる4種類のレクチン(溶出順にそれぞれA, B, CおよびD画分とした)を得, A, BおよびD画分についてさらにセファデックスG-150ゲルカラムクロマトグラフィーにより電気泳動的(pH 4.0)に均一に精製した.
これら3種類のレクチンは電気泳動的にほぼ同一の泳動度を示し,また分子量も約60,000で同一であった.
一方,糖によるヒトO型赤血球を用いた凝集阻害試験の結果,これらのレクチンはいずれもガラクトースおよびその誘導体により,その凝集活性は強く阻害された.試験した糖のうち,ラクトースがいずれの画分に対しても最も強い阻害活性を示した.一方,これら糖による阻害の程度は,アフィニティカラムクロマト担体に吸着するD画分が最も強く,次いでBおよびA画分の順であった.
ヒトABO式赤血球およびウサギ赤血球に対する3種類の精製レクチンの凝集活性を調べた結果, A画分はヒトBおよびO型赤血球を, B画分はO型およびトリプシン処理ウサギ赤血球を, D画分はウサギ赤血球を強く凝集させることが示された.
以上のように,デイゴ種子中には電気泳動的挙動および分子量がほぼ同一で,それらの性質が異なる少なくとも3種類以上のレクチンが存在することが示唆された.
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