(1) 魚残滓を
Aspergillus oryzae, A. sojaeKと
Saccharomyces cerevisiaeIFO 2114を組み合せて処理することにより,過酸化脂質含量の低い発酵魚粉を大量に製造することができた.
(2) 大量の魚残滓を処理する場合,通気性および保湿性の高い装置が必要で,大型発酵槽(長さ5,4m×幅1.8m×高さ1.1m)を用いることにより800kgの原料を30°C,16時間で処理することができた.
(3) 発酵魚粉の一般成分組成や脂肪酸組成は原料の組成とほとんど同じであった.しかし,発酵魚粉のPOVやTBAVは原料のほぼ1/4に低下していた.
(4) 発酵魚粉を用いてタイとブロイラーの飼育試験を行った.タイの飼育試験ではサバやイワシの生餌にほぼ匹敵する成績が得られ,飼料効率では発酵魚粉のほうが優れていた.ブロイラーの飼育試験では,市販のブロイラー用飼料の魚粉を発酵魚粉で代替して比較した結果,市販の飼料よりも増体重で優れており,育成率も高く,良好な成績を得た.
終りに,この研究に多大のご協力を頂いた有限会社一産業(佐世保市)に深謝いたします.
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