Bacillus thuringiensis serovar
kurstaki HD-73由来の殺虫性タンパク質の遺伝子を保持し,テトラサイクリン耐性マーカー遺伝子を所有する発現プラスミドで形質転換した
Pseudomonas fluorescens sp.を死菌化した.死菌化後の生細胞の有無を検定するために,ペニシリンとテトラサイクリンに対する感受性の違いを利用して,生きた形質転換シュードモナスを検出する方法を確立し,この方法を用いて死菌化した形質転換体中の生菌の有無を調査した. 500U/mlのペニシリンを含む寒天培地では,野生型のBt菌は生存できなかったが,シュードモナスは増殖できた.一方,ペニシリン培地で増殖した宿主シュードモナスは30μg/mlのテトラサイクリンを含む培地では増殖できなかったが,テトラサイクリン耐性遺伝子を含むプラスミドを所有する形質転換シュードモナスは増殖できた.死菌化した組換え体を上記の抗生物質を含む培地で培養したところペニシリン培地でも,テトラサイクリン培地でもコロニーは生ぜず死菌化は完全であると考えられた.両抗生物質に耐性を示す野生型菌は殺虫性タンパク質遺伝子をプローブとしたコロニーハイブリダイゼーション法によって形質転換体と完全に識別できた.本方法は出現したすべてのコロニーをハイブリダイゼーションして遺伝子を確認する方法に比較して多くの時間を節約できる.
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