1. 籾はこれを可及的暗所に於て發芽せしめてもVitamin Cが生成せられる.
2. この生成が明に認められるのは發芽の第3日目頃からである.
3. 暗所に於て籾を發芽せしむるに水分は發芽時間の延長に伴ひ漸次増加し乾物量は反對に減少する.一方Vitamin Cは發芽の進行に伴ひ漸次生成せられる.
4. 1000W Mazda lampの下に於て發芽せしめたものと可及的暗所に於て發芽せしめたものとに就きVitamin Cの含量を比較するに暗所に於けるものの含量は前者より少く,両者含量の差は發芽時間の増加と共にこれが明瞭となり,發芽の10日目に到ればVitamin Cの含量はMazda lampのものの約1/2量以下であつた.
5. 種子の發芽に際しVitamin Cの生成には必ずしも光線を必要としない様であるが,その生成量は發芽時間の長き場合,光の存在に於て發芽せしめたものに比し明かに劣るものと思はれる.
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