農業経済研究
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83 巻, 2 号
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論文
  • 大呂 興平
    2011 年 83 巻 2 号 p. 71-83
    発行日: 2011/09/25
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    生産者主導型の農業研究開発が潮流となるなか,豪州では,生産者出資の研究資金配分機関が公的研究機関に研究費を交付し,生産者ニーズを反映させる制度が先駆的に確立されている.本稿では,北部肉牛部門の研究開発の過程にイノベーションシステムアプローチを援用し,課題設定,研究開発,成果普及の各局面における主体間相互作用を分析した.その結果,効率的な研究開発の背景には,生産者,研究者,普及員等に効果的な相互作用があり,研究資金配分機関がそれを促していることが判明した.研究資金配分機関は,この相互作用から得た生産者の技術的課題や研究者の能力等の情報を活用し,生産者主導を確保しつつ研究開発を的確に方向づけている.
  • 中谷 朋昭
    2011 年 83 巻 2 号 p. 84-94
    発行日: 2011/09/25
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では,日本の乳業メーカー3社を対象に,金融時系列分析の手法であるイベントスタディによって,食中毒事件と牛肉偽装事件が株価超過収益率の市場リスクに及ぼす影響を分析した.分析には,ボラティリティと動的相関係数を求めるDCC-GARCHモデルを用いた.その結果,双方の事件とも,当該企業のボラティリティを急激に変化させること,他社のボラティリティにも影響を及ぼすことが明らかとなった.さらに,当該企業との動的相関係数は,牛肉偽装事件発生後に急変するのに対して,食中毒事件においては徐々に変化していく様子が認められた.株式市場は,規範を逸脱するようなイベントに対しては直ちに反応することが明らかとなった.
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