農業経済研究
Online ISSN : 2188-1057
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88 巻, 3 号
88巻3号
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論文
  • 品種別分析
    髙橋 昂也, 前田 幸嗣
    2016 年 88 巻 3 号 p. 229-243
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2018/07/18
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は,牛肉を4品種に分類し,かつ時系列データの非定常性を考慮した上で,わが国牛肉需要構造を計量経済学的に明らかにし,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が国産牛肉生産に与える影響について考察することである.主な分析結果は次のとおりである.第1に,国産食肉よりも輸入食肉の方が,自己価格と食肉支出に対する需要の反応が大きい.第2に,TPP協定は,和牛肉と交雑牛肉の需要量に有意な影響を与えない一方,乳用牛肉の需要量を8.6%減少させる.第3に,TPP協定発効後は,牛肉関税化後と異なり,和牛肉の生産拡大によって乳用牛肉の生産縮小を埋め合わせるという貿易自由化の影響緩和効果を期待できない.

ミニシンポジウム
  • 秋田県大潟村の検証から
    佐藤 了, 長濱 健一郎, 渡部 岳陽
    2016 年 88 巻 3 号 p. 244-258
    発行日: 2016/12/25
    公開日: 2018/07/18
    ジャーナル フリー

    本稿は,秋田県大潟村における機械化大規模営農の構想と実際の歩みを検証して,水田農業の次世代モデルへの示唆を得るのが目的である.その結果,次のことが明らかになった.第1に,農地の払い下げや営農方式等に関する契約下で,国と入植者の意思はしばしば対立・交錯しつつも,水稲直播等の国構想基幹部分の失敗にもかかわらず,入植者たちの強い欲求と実践が田植機の乗用多条化など稲作専用機械化体系の成立を促し,役割を果たした.第2に,食糧法下の販売努力や環境配慮生産などが奏効して稲作の有利性に拍車がかかり,土地利用方式改変への内発的契機は微弱であった.第3に,消費者,実需者,他産地や畜産経営者等との連携が発展,進化し,新たな変化が起きつつある.

報告論文
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