自然環境復元研究
Online ISSN : 2759-2472
Print ISSN : 1347-5738
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巻頭言
原著論文
  • 黒田 桂菜
    2026 年16 巻1 号 p. 5-19
    発行日: 2026/06/20
    公開日: 2026/08/17
    ジャーナル 認証あり
    限界集落に移行しつつある愛媛県内の漁村を対象に,食品系廃棄物を用いた小規模メタン発酵システムの導入可能性について,環境面(GHG 排出量)および経済面から検証した.メタン発酵消化液を地区内の家庭菜園や柑橘栽培への施肥で全て活用する2 つのシナリオを提案した.人工生ごみを用いた連続メタン発酵実験の結果,安定したメタンガスが得られるものの,消化液の肥料成分のうちカリウムが不足する可能性が示された.環境面では,発酵槽の加温に必要な電力由来のGHG の排出により,焼却処理に比べGHG 排出量が15 ~ 18% 増加することがわかった.改善案として,発酵槽の加温エネルギーの55% を太陽光発電により供給する,あるいは1.3 倍程度メタン生成量が増加すれば,焼却処理よりもGHG 排出量を小さくできる可能性が明らかになった.経済面では,生成メタンのエネルギー利用や焼却委託費の削減等により,経費を上回る削減効果が期待できることがわかった.今後,メタン発酵システムから収益を得る仕組みや地域住民を中心とした運用体制の構築など,より地域の現状に即したメタン発酵システムのシナリオ構築が求められる.
技術・実践情報
  • 畠 佐代子, 藤原 宣夫
    2026 年16 巻1 号 p. 21-27
    発行日: 2026/06/20
    公開日: 2026/08/17
    ジャーナル 認証あり
    カヤネズミの生息地保全のためのオギ原の回復を目的として,2022 ~ 2024 年に,京都府城陽市の木津川運動公園において,園内に自生するオギの種子を用いて植生マットとポット苗を作り,移植を試みた.植生マットの素材には,2022 年はジュートクロス,2023 年と2024 年はヤシマットを用いた.採取したオギの種子は,穂についた状態で水で湿らせて5℃で保管し,播種後は湿潤状態で育成した.植生マットの移植は,8 ~ 9 月に,園内2 カ所のカヤネズミの生息地(保全区1・2)で行った.2022 年は,14 枚中12 枚が活着した(保全区1:7/7 枚,保全区2:5/7 枚).2023 年に移植したものは全て枯れてしまったが,2024年に移植したものは,8 枚中2 枚(保全区1:2/4 枚,保全区2:0/4 枚)が活着した.ポット苗の移植は,2024 年に保全区2 において実施し,30/36 個が活着した.2024 年10 月に,移植2 年目の植生マットから生育したオギに,カヤネズミの営巣を確認した.発見時の植生マットのオギの草丈の平均は161.8 cm で,周辺に自生するオギとほぼ同じ草丈に成長していた.カヤネズミは120 cm 以上のオギを好んで営巣に利用することが知られており,移植2 年目の植生マットが営巣に十分な草丈に成長したことが確認できた.
調査研究報告
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