自然環境復元研究
Online ISSN : 2759-2472
Print ISSN : 1347-5738
3 巻, 1 号
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巻頭言
原著論文
  • 木呂子 豊彦, 藤田 裕一郎
    原稿種別: 原著論文
    2007 年3 巻1 号 p. 5-14
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    我々は岐阜大学に近い放棄水田の環境変化を継続的に観測している。そこには、3種の淡水魚、ホトケドジョウ、ヌマムツ、ドジョウが生息している。一般の河川と同様に、そこにおける流れにも、地形や植生、底質の土質特性、落葉や枯れ草のような有機物などとの間に相互作用が認められる。こうした条件下で、魚類の生息環境は比較的安定した状態を保っている。
  • 小林本多 ちえみエレナ
    原稿種別: 原著論文
    2007 年3 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    人間・自然間関係の産物のひとつは技術であり、人類の長い歴史から見てもこの関係は変貌し、新しく展開してきているのである。しかし、先進的であるか否かは別として、技術は人間にとって利益のみならず様々な問題の引き金となっていることも事実である。これらの問題は、多くの場合、当該技術の自然環境への影響が明らかになるまでの間には、時空間的な隔たりが生じるため、その観測や測定が困難である。本稿では、このような技術のあり方について問題提起した上で人間のあり方、人間・自然間関係のあり方を丸山孫郎が創造したMindscapesの概念を通じて問い直す。
  • 荒西 太士, 飯塚 祐輔
    原稿種別: 原著論文
    2007 年3 巻1 号 p. 21-25
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    ニセマガキ Saccostrea echinata (Quoy et Gaimard, 1835)は、日本からオーストラリアまでの熱帯域に広く分布する南方系カキである。そのため、日本における本種の地理的分布は、北緯24 度20 分以南の八重山諸島に限られることが1981 年に報告されているが、本研究では、2005 年に温帯域である九州南東岸において本種の出現を初めて記録した。まず、本種と形態的に酷似し、さらに日本の温帯域に広く分布するマガキCrassostrea gigas (Thunberg, 1793)と識別するため、ミトコンドリアDNA の16S リボゾームRNA 遺伝子部分領域530 塩基対を対象として、制隈酵素SacI で切断する制限酵素断片長多型解析による分子分類法を新たに開発した。次いで、北緯31 度35 分の宮崎県日南市堀川運河河口潮間帯から、2005 年12 月および2006 年9 月に採集した合計58 個体の天然カキに本法を適用した結果、5 個体がニセマガキであると同定された。以上の結果から、南方系カキのニセマガキS. echinata が、黒潮流域に沿って約1,000 Km 北方の温帯域にまで拡散していることが示唆された。
  • 堀岡 和晃, 池田 光良
    2007 年3 巻1 号 p. 27-35
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    本論では、どのように自然再生事業に取り組んでいくかの考え方と手順について述べている。その結果、河川などの自然再生の技術者は、医者が患者を診る時のように、a.問題の認識、b.考えられる要因の列挙と絞り込み、C.原因の解明、d.制約条件の整理、e.対策案の選定、f.効果の予測評価、という一連の流れの中で行うべきであることを提言し、その例として、大都市を貫流する扇状地河道の復元についての適用例を示した。また、今後の自然再生事業の課題を、1.自然再生を共通認識とした事業の推進、2.柔軟な予算の確保、3.人材育成の重要性、に分け、これらについての議論を行った。
  • 水上 精榮, 藤田 裕一郎, 植田 昌樹, 大橋 慶介
    2007 年3 巻1 号 p. 37-51
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    河川は、流水や河床の形状・材料、植生、水質、水温などの様々な要素の組み合わせによる多様な空間を有した構造となっており、そこに生息する殆どの動物は、産卵・摂食・休息・睡眠・避難等の目的に応じて個々の空間を使い分けることで、生活史を完結している。このような構造を「環境構造」と呼ぶと、その内容を明確にし評価することは、良好な河川生態系の保全、復元にとって重要な課題となる。このような観点から、優れた生態系を有する河川で環境調査を実施してきたが、ここでは、その概要を紹介した後、現地の代表種であるウグイ、オイカワ、カワヨシノボリ、ヒゲナガカワトビケラが生活史を完結あるいは継続することが可能かどうかを明らかにして、調査区域の環境構造を評価した。すなわち、文献調査に基づいた生息条件と調査した環境項目や数値シミュレーションで得た水理・河床特性との比較から、そこが良好な生息場であることを提示した。
総 説
  • 仁多見 俊夫
    原稿種別: 総説
    2007 年3 巻1 号 p. 53-57
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    林道とモノレールと作業道という異なる規格の路線を組み合わせて、地形条件に適した基盤整備を可能とする複合規格路網の考え方と有効性を示した。また、そこでの作業に適した、規格化された運搬・作業コンテナをベースとするセルシステム林業の考え方と有効性について示した。日本のような急傾斜地が多い森林においても、基盤整備の複合規格路網による標準化とセルシステム林業による作業の単純化および標準化によって、事業的採算の取れる効率で素材生産作業が可能である。また、その基盤整備手法は森林の保全の観点からも有効である。
  • 久野 春子
    2007 年3 巻1 号 p. 59-65
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    近年、地球規模での温暖化が進み、また、都市部ではヒートアイランド現象や大気汚染、熱汚染が広域化して、都市域の環境は悪化している。これらを改善するために緑地の保全や創造は重要な課題である。そこで、樹木が本来持っている光合成作用や蒸散作用の生理的特性を明らかにし、環境改善に提唱できる樹種について研究を行った結果、コナラやクヌギなどの落葉広葉樹の効用が大きいことが示唆された。次に、1974 年と1989 年に植樹して創造したコナラ・クヌギ林を調査して、それらの大気汚染浄化効果、ヒートアイランド現象低減効果および温室効果ガスの二酸化炭素の吸収・蓄積量を推測した。それらの結果を記述して、環境改善に効果のある森づくりの例を紹介する。
事例研究
短 報
技術・調査報告
  • 関谷 明, 宮田 司, 木村 成利
    原稿種別: 技術・調査報告
    2007 年3 巻1 号 p. 111-116
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    本研究は、景観に配慮し、多様な魚の遡󠄀上が可能となること、かつ遡󠄀上可能な流量範囲を拡大できるプール式魚道の提案を目的としたものである。具体的な魚道形状は、隔壁に擬岩を用いることで①景観に配慮し、かつ②多様な流れ場が形成できるものとした。近年、プール式魚道は、隔壁の横断方向の高さを変化させるタイプ(ハーフコーン1)等)や天端に粗石を設置するタイプ等2)の工夫がみられる。しかし、これらの形成する流れは、越流水深が横断方向で変化するのみで複雑な流れ場は形成していない。本魚道は、横断のみならず、縦断方向にも変化する隔壁形状となるもので、魚の遡󠄀上に適した流れ場のみが越流部に形成されるのではなく、遡󠄀上に困難となる流れ場も同時に形成させ、より自然な流れ場が形成できる隔壁形状とした。本魚道は、水理実験によりプール内の水理量の確認とウグイを用いた実験により遡󠄀上環境として適していることを確認している3)。 本報告では、魚道を実際に現地施工した際、浮遊魚から底生魚まで多種多様な魚の遡󠄀上が確認でき、今後、プール式魚道の隔壁として擬岩タイプの形状が景観も含め有効となると考えられたため報告するものである。
  • 長 信也, 高田 元夫
    原稿種別: 技術・調査報告
    2007 年3 巻1 号 p. 117-120
    発行日: 2007/04/10
    公開日: 2026/01/13
    ジャーナル フリー
    近年、法面緑化で多用してきた外来草本類やハギ類は、これらの旺盛な繁殖力により法面以外へ逸出することが、在来種の生育地喪失等の観点から問題視されつつある。さらに、生物多様性の保全が求められるなか、産地が明確であり高品質の在来性樹木種子を供給する体制を構築した。
提 言
その他
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