日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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42 巻 , 8 号
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  • 福島 正子, 谷村 顕雄
    42 巻 (1995) 8 号 p. 543-547
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    アルミニウムの体内吸収および蓄積の可能性をしらべるため,食品中のアルミニウムの定量とその人胃のpH条件でのイオン化率を測定した.用いた試料は市販の野菜,果実,きのこ類およびヒジキなどの22種とし,これらの食品を水道水と蒸留水で洗浄した後細断またはすりおろして凍結乾燥した.この凍結乾燥試料を湿式分解しフレームレス原子吸光分光光度計でアルミニウム量を測定した.また同乾燥試料を蒸留水又はpH 2の塩酸酸性下で1または3時間振盪した後吸引ろ過し,ろ液中のアルミニウムイオン量をクロムアズロールS吸光光度法で測定した.また全アルミニウム量とイオン量からイオン化率を求めた.
    アルミニウム含有量はホウレンソウ,コマツナ,シュンギクの有色葉菜に多くそれぞれ乾燥物1gあたり687, 222, 117μgと高い値を示した.海の植物であるヒジキには,乾燥物1gに201μg含まれていた.果実類ではキーウィフルーツが22μgと最も高く,他の果実の3-4倍のアルミニウム値を示した.
    アルミニウムイオン化率はコマツナ,ホウレンソウ,シュンギクにおいて低く,なかでもコマツナはpH 2の塩酸酸性下で3時間振り混ぜてもイオン化率は12%と極めて低かった.それに対してキュウリ,タマネギは塩酸溶液において80-100%と高いイオン化率を示した.果実類ではスイカがpH 2で100%近い値であったが,その他の果実ではほぼ50%以下のイオン化率だった.
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  • 加藤 良, 浅野 祐三, 古谷 篤, 冨田 守
    42 巻 (1995) 8 号 p. 548-555
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    膜乳化法による食品のO/Wエマルション調製において,膜細孔径の種類,油相の種類,乳化剤の種類,濃度,連続相循環流速,乳化圧力などの乳化条件を変えてエマルションを調製し,その結果から膜細孔径と分散粒子径の関係,単分散エマルションの調製に影響を及ぼす因子などについて検討した.また乳化速度を高める方法について検討した.
    (1) 油相(トウモロコシ油,ケロシン),乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ドデシル硫酸ナトリウム)の種類によらず単分散性の高いエマルションが得られ,平均分散粒子径(Dp)は膜平均細孔径(Dm)に比例し,Dp=5.0Dmの関係にあった.またトウモロコシ油,SEを使用した食品系では,ケロシン,SDSを使用した場合と比較すると単分散性がやや劣る傾向にあった.
    (2) 単分散エマルションを得るには,乳化剤濃度,連続相循環流速,乳化圧力(乳化速度)が影響し,乳化剤濃度,連続相循環流速には連続相の乳化剤の種類より定まる下限値が存在し,乳化速度には上限値が存在した.
    (3) 単分散エマルションが得られる範囲でのDpの大きさは,ショ糖脂肪酸エステル濃度,連続相循環流速,乳化速度に依存しなかったが,乳化剤として蛋白質のカゼインNaを使用した場合,Dpの大きさはその濃度に依存した.
    (4) 乳化速度は乳化圧力の上昇にともなって増加するが,単分散エマルションを調製できる乳化速度の上限値は,水相,油相に添加する乳化剤の種類,濃度を適切に選択することによって高めることが可能であった.
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  • 手塚 正教, 小野 伴忠, 伊東 哲雄
    42 巻 (1995) 8 号 p. 556-561
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ダイズの主要なタンパク質である7S及び11Sグロブリンの組成比の異なる6種類のダイズを用いて豆乳を調製し,粒子組成,フィチン含量,カルシウム及びマグネシウムに対するタンパク質の溶解度などについて測定し豆乳の凝固との関連を検討した.
    (1) 6種類の豆乳いずれも,加熱処理によりタンパク質よりなる大粒子が減少し,中粒子が増加した.しかし,7SグロブリンリッチのGILMでは中粒子の増加が少なかった.
    (2) 11Sリッチの刈系434は塩化カルシウム濃度6-8mMでタンパク質溶解度が減少し,ミヤギシロメも同様であった.IOMは6-10mMで,刈系423とナンブシロメ+オクシロメは8-10mMで,7SリッチのGILMでは10-12mMで減少した.
    (3) 各豆乳の塩化カルシウムによるタンパク質溶解度減少時のpHは,7SリッチのGILMではpH 5.9,他の5種類の豆乳ではpH 6.1付近であった.
    (4) 各豆乳に塩化マグネシウムを加えた場合,タンパク質溶解度の減少開始のモル濃度は塩化カルシウムとほぼ同様であったが,その減少割合はゆるやかであった.
    (5) 各豆乳のタンパク質溶解度が減少するpHは塩化カルシウムよりも塩化マグネシウムの方が約0.1 pH高かった.
    (6) 豆乳のフィチン含量が多いほど塩化カルシウムを加えたときのpH低下は大きいことが示された.
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  • 劉 新旗, 米倉 政実, 堤 将和
    42 巻 (1995) 8 号 p. 562-568
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    グロビン加水分解物(GH)に含まれる各成分の性状とゲル形成性との関連について検討し,下記のような結果を得た.
    (1) 加水分解直後のGHは,グロビン(G)と同程度の分子量を持っポリペプチドとGよりも低分子のポリペプチドからなり,凝集体は認められなかった.
    (2) GHを30℃で10時間以上放置したところ,70万以上の分子量を持つ凝集体が生成した.なお,この凝集体は,分子量1.5万以下のものから構成されていた.
    (3) 粉末化したグロビン加水分解物(GH標品)ならびにGHゲルの溶解物の中にも,(2)と同程度の分子量を持つ凝集体が認められ,これらの凝集体も分子量1.5万以下のポリペプチドから構成されていた.
    (4) GH標品の疎水クロマトグラフィーの結果から,GH標品は少なくとも疎水性の異なる三つの成分(GHP1, GHP 2, GHP 3)からなっていることがわかった.また,ゲル濾過で得られたP 1は,GHP 3からなり,P 2は疎水性の異なる二つの成分(GHP 1とGHP 3)から構成されていることがわかった.
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  • 朴 聖〓, 金 道彦, 植村 邦彦, 野口 明徳
    42 巻 (1995) 8 号 p. 569-574
    公開日: 2010/03/08
    ジャーナル フリー
    魚肉蛋白ゲルを対象に交流通電での発熱機構と周波数の影響を明確にするため,1(w/w)%の低塩濃度で調製した魚肉ゲルの各周波数での昇温速度とゲル強度について検討した.
    (1) ゲル組成に関係なく,高い周波数ほど昇温速度は高くなり,湯煎と比較して塩化ナトリウム1%澱粉10%のゲルで最大約7.5の昇温速度が認められ,通電加熱が迅速な内部加熱方法であることを確認した.
    (2) ゲルのインピーダンスは1kHz以上では,組成に関係なく,加熱処理前後でも大きな違いが認められず,昇温速度の違いは,与えられた周波数におけるε″に起因する発熱にあると考えられる.
    (3) ゲルの外観と実体顕微鏡観察による微細構造は,組成,通電加熱時の周波数にかかわらず,湯煎のそれと違いは認められない.
    (4) 同組成で90℃湯煎時のゲル強度を基準値1.0とすると,塩化ナトリウム1%澱粉10%のゲルの場合,10kHz通電加熱時に最大約1.6となった.しかし,昇温速度とゲル強度の間には,明確な相関は観察されなかった.
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  • 村松 芳多子, 金井 幸子, 木村 典代, 三浦 紀子, 吉田 桂子, 木内 幹
    42 巻 (1995) 8 号 p. 575-582
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    機能性を有する納豆を製造するためにエラスターゼ活性に注目し,エラスターゼ活性の高い納豆菌をスクリーニングした結果,エラスターゼ高活性菌株KFP 419を,60Co照射による突然変異で取得することができた.KFP 419はB. subtilisと同定された.そのKFP 419と親株KFP 355,市販納豆菌(3種)をそれぞれ用いて,納豆を試作した.KFP 419と親株KFP 355の納豆は,強いゴム状の粘質物を生成し,味,嗜好性,香り等その他の特性は市販納豆菌KFP 1, 2, 4の納豆と変わりなかった.官能検査の結果,市販納豆菌KFP 1, 2, 4の納豆より高い評価が得られた.
    エラスターゼ活性は,市販納豆菌KFP 1, 2, 4の納豆よりもKFP 419で試作した納豆の方が2-3倍高かった.
    γ-GTP活性,相対粘度,プロテアーゼ活性と旨味との相関関係は見出されなかったが,相対粘度が高いときはγ-GTP活性,プロテアーゼ活性が高い傾向を示した.その他一般成分については大差は見られなかった.糖成分としてはスタキオース,フラクトース,ラフィノースは納豆には検出されず,スクロースと未同定のピークが検出されたのみであった.また,有機酸成分は最も多いものとして酢酸,次いでイソ吉草酸,イソ酪酸,ヘキサン酸の順に納豆に多く存在していた.大豆・蒸煮大豆には含まれていなかった4-メチル吉草酸が納豆には存在していた.有機酸総量は顕著な差は認められなかった.
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  • 奥村 史朗, 鐘ヶ江 裕志, 山田 耕路, 菅野 道廣
    42 巻 (1995) 8 号 p. 583-587
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    β-LgはpH 3.5においてpH 7.0の時より難分解性であった.S-CM化したβ-LgはpH 3.5の緩衝液中においても容易に分解し,このことからpH 3.5におけるβ-Lgの難分解性はその立体構造に起因していると推測された.pH 3.5ではオリエンターゼ20Aが,pH 7.0ではトリプシン,キモトリプシン,オリエンターゼONS,デナチームAPが分解のために有効である.β-Lgを60℃-80℃で加熱変性することにより分解性がよくなる.各種プロテアーゼによるβ-Lg分解物をELISA抑制試験したところ,pH 3.5での分解物ではオリエンターゼ20Aによる分解物がもっともアレルゲン性が低下しており,β-Lgに比べて1/100であった.pH 7.0ではキモトリプシンによるβ-Lg分解物のアレルゲン性が最も低下しており,β-Lgに比べて約1/1000となった.ELISA抑制試験におけるアレルゲン性の低下は,β-Lgの残存量によるスクリーニング結果とほぼ同じ順序となった.
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  • 吉村 美紀, 生野 世方子, 山内 直樹
    42 巻 (1995) 8 号 p. 588-592
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    緑色野菜であるミツバを用い,真空度(30, 100mmHg)と加熱温度(100, 90, 80℃)が,クロロフィルと分解物,官能評価,ならびに微生物におよぼす影響について検討した.
    (1) 加熱後の外観は,真空包装(30, 100mmHg)で加熱温度が高いもの(100℃, 90℃)は,鮮緑色を示した.常圧包装した試料は一部分新鮮な状態に近い色を呈した.なお70℃加熱では変色し加熱温度として不適当であった.
    (2) 総クロロフィル含量は真空度,加熱温度による違いがほとんどみられなかった.吸収スペクトル特性では加熱により415nm付近の吸収増加がみられ,この増加は加熱温度が高い方が少なかった.真空度による差はみられなかった.HPLC分析よりフェオフィチンの生成が認められた.
    (3) 還元型アスコルビン酸含量は,加熱温度が高いほどよく保持されていた.100℃では真空度による差がみられなかったが,90℃, 80℃では密封時の真空度が高いほど含量が多かった.
    (4) 官能検査では真空調理の方が普通調理によるミツバより香り,食べた時の風味が有意に強いと評価されが,総合評価では差異が認められなかった.
    (5) 貯蔵中,葉の黄化がみられ,その変化の進行は貯蔵温度が低い方が遅かった.総クロロフィル含量はほとんど変化がみられなかった.吸収スペクトル特性では415nm付近に吸収増加がみられ,この増加は貯蔵温度が低い方が少なかった.フェオフィチンa, bの検出と増大が認められた.
    (6) 貯蔵中の還元型アスコルビン酸は減少し,酸化型アスコルビン酸が増加した.貯蔵温度が低い方が,酸化型アスコルビン酸の増大が抑制された.
    (7) 貯蔵温度5℃では8日間の貯蔵期間を通して微生物が検出されなかったが,20℃では2日,10℃では6日で急増した.
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  • 香西 みどり, 畑江 敬子, 島田 淳子, 飯渕 貞明
    42 巻 (1995) 8 号 p. 594-601
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    野菜の硬さに対する加熱前の圧力処理効果について検討した.試料はダイコン,ニンジン,ゴボウおよびジャガイモとした.試料を50-500MPaで0-120分,室温で加圧処理後,99.5℃で加熱し,硬さを測定した.試料を一定時間加熱した後の加圧試料と未処理試料の硬さの比(硬さの相対比)は圧力の大きさおよび加圧保持時間と共に増加した.圧力前処理は400MPaまでで十分な効果が得られた.種々の野菜を400MPaで120分加圧した後,30分加熱したときの硬さの相対比は2-3の範囲にあった.また圧力前処理による野菜の軟化の抑制は,その後の加熱において適度な硬さを通過する時間を約2倍長くする効果があった.短時間の加圧処理後に常圧下で放置すると加圧保持とほぼ同等な軟化の抑制効果がみられた.このように加圧保持と圧力解除後の大気中での放置との置き換えが可能であることは,加圧によってまず細胞膜の破壊が起こり,続いて経時的に起こる細胞内外の液の溶出などの変化が両者で類似していることを示唆している.ダイコンを加圧した後,常圧で放置したときの放置時間の増加に伴う相対的な硬さの増加と重量減少が対応したことから,加圧による硬化の機構に水分の減少が関わっていることが示唆された.本研究は,常温で行う圧力前処理が過度の軟化を防止する手段として予備加熱に代わりうる手段であることを示すものである.
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  • 西村 隆久, 米谷 俊, 滝井 寛, 寺田 喜信, 岡田 茂孝
    42 巻 (1995) 8 号 p. 602-606
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    コウジ酸はキレート力,抗菌力等の有用な生理活性を持っているが,光あるいは熱等による酸化により着色する欠点を持っている.このような光,熱に対する安定性さらに水に対する溶解性等を改良するために,微生物由来のα-アミラーゼにより配糖化を行い生成したコウジ酸配糖体の諸性質を検討した.コウジ酸配糖体は,コウジ酸に比ベ,各種金属イオン(銅,コバルト.カドミウム)に対するキレート安定性はほぼ同程度であった.また抗菌力,チロシナーゼ阻害活性は若干減少していたが,光に対する安定性に関し,それぞれの水溶液の酸化による着色を検討したところ,コウジ酸配糖体はコウジ酸の約2.5倍安定であった.また熱に対しては約5倍安定であった.
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  • 田畑 武夫, 山崎 吉郎
    42 巻 (1995) 8 号 p. 607-610
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    ヤナギマツタケの生育過程における一般成分,遊離アミノ酸および5'-GMP含量を調べた.ヤナギマツタケは子実層の膜が開いていない若い子実体と子実層の膜が開いた直後の成熟子実体とさらに膜が完全に開き褐色の胞子を放出した過熟子実体の三つのグループに分け分析した.その結果,生育過程における水分含量はほぼ同じであった.粗蛋白質および灰分は生育につれて減少したが,炭水化物は逆に増加した.多くの遊離アミノ酸も生育につれて減少したがリジンとアルギニンは僅かに増加した.5'-GMPは成熟子実体に最も多く含まれていたが過熟子実体は極めて低含量であった.
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  • 遠藤 泰志
    42 巻 (1995) 8 号 p. 611
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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