日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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49 巻 , 6 号
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  • 又重 英一, 赤星 亮一
    49 巻 (2002) 6 号 p. 359-367
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    (1) ミンチにした生の鶏肉を130mm角,厚さ3mmのシート状に成型し,4枚0.28kgを5℃冷風乾燥すると乾燥速度は0.007kg/h (0.1kg/(kg-DM・h))できわめて遅く,含水率0.3 (23%)まで乾燥するのに45時間を要した.しかし,10℃, 2%食塩水で復水すると24時間で生肉の含水率2.6 (72%)に復元した.
    (2) 鶏肉試料を5℃冷風乾燥するときに,わずか40WのMw電力を供給すると,品温が20℃以下に保持され,乾燥速度は0.019kg/h (0.27kg/(kg-DM・h))に増大し,乾燥経過時間は1/4の12時間に短縮することができた.さらに,得られた乾燥鶏肉の復水性は改良され,含水率が3.0 (75%)で,生肉以上に水分を吸収し膨潤した.微弱なマイクロ波の併用が通風乾燥の欠点である表面硬化を防ぎ,タンパク質を変性させずに乾燥時間の短縮を可能にし,復水性も改良できたと考えられる.これは法的食肉製造基準にも適応している.
    (3)Mw電力40W (0.14kW/kg),通風温度60℃の乾燥では,乾燥速度が0.098kg/h (1.4kg/(kg-DM・h))で乾燥経過時間を2時間15分まで短縮できた.試料表面温度は40℃前後であったが鶏肉の白変が認められず,乾燥した試料の復水性が良く,生肉の状態に復元できた.これとほぼ同じ乾燥曲線をたどった80℃熱風乾燥では乾燥中に品温が上昇し白変が観察され,復水性は不良であった.
    (4) 乾燥中の最高品温が高いほど復水性が低下し,乾燥中に白変が確認された鶏肉は復水後の含水率が2(67%)以下で,復水性が悪い物となった.
    (5) 低出力のマイクロ波と通風乾燥を組み合わせることによって,乾燥中に肉の白変を抑え,短時間に乾燥した肉は生肉の状態に復元できた.しかも味付け等がなされていないため,種々の調理用食品素材として用いる事ができる,非加熱乾燥肉の製造の可能性が示唆された.
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  • 山下 康充, 張 農, 野崎 征宣
    49 巻 (2002) 6 号 p. 368-376
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    キチンの低分子化と水溶性向上を図り,食品素材としての広範な利用に活路を見いだすことを目的として,タラバガニ,ウチワエビおよびヤリイカより調製したキチン加水分解物をMfに対して5%添加し,脱水に伴うMfの変性と脱水収着等温線を検討の結果,以下の結果を得た.
    (1) 3種のキチン加水分解物の主要成分は糖質であり,(GlcNAc)1~5より構成されている混合物であった.
    (2) キチン加水分解物を添加したMfの脱水収着等温線は,いずれも対照と比較して同一WにおけるAwが低下し,収着水量を増加させた.
    (3) キチン加水分解物を添加したMfの脱水による変性は,いずれも対照と比較して全Aw域において抑制された.
    (4) キチンの効果と比較して,キチン加水分解物は脱水変性抑制効果に改善が見られ,有効な天然物由来タンパク質脱水変性抑制物質であることが確認された.
    (5) 以上の結果は,キチン加水分解物が添加されたことによってもたらされる,タンパク質周囲の水和層の安定化によるものであると考えられる.
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  • 荒 勝俊, 吉松 正, 小島 みゆき, 川合 修次, 大久保 一良
    49 巻 (2002) 6 号 p. 377-387
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 日本の伝統的発酵食品である醤油から豆乳発酵食品の呈味性改善効果の高い乳酸菌としてS85-4株を見出した.
    (2) 豆乳の呈味性改善効果の高いS85-4株の同定を行ったところ,Streptococcus thermophilus又はStr.mitis近縁の株である事が判ったが,糖の分解性が若干異なる事から新規の乳酸菌としてStr. sp. S85-4株と命名した.
    (3) 各種乳酸菌(標準菌)を用いて豆乳発酵を行ったところ,Str. cremoris, Str. lactis, Str. diace. tilactisに改善効果を見出した.
    (4) 各種乳酸菌を用いて乳酸発酵を行い,得られた発酵液のHPLCによる分析を行ったところ,豆乳発酵において呈味性改善効果の高かった分離乳酸菌Str. sp. S 85-4株及び標準菌のStr. cremoris, Str. lactis, Str. diacetilactis共に大豆の不快味成分であるダイジン及びゲニスチンといった大豆イソフラボン類に変化は認められなかった.また,呈味性が改善されなかったLactobaeillus caseiなどの発酵液では,ダイジン及びゲニスチンが分解されてアグリコンであるダイゼイン及びゲニスティンに変化する事を見出した.
    (5) 分離乳酸菌Str. sp. S85-4株で製造した豆乳発酵食品をTLCで解析したところ,新たな糖の生成が認あられた.また新たな糖を含む画分を豆乳に加える事で大豆特有の収斂味が低減し,呈味性が大幅に改善する事が明らかとなった.
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  • 古谷 香菜子, 宮尾 茂雄, 一色 賢司
    49 巻 (2002) 6 号 p. 388-394
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    豆類もやしの病害軽減化を目的として,アリルイソチオシアネート(以下,AIT)蒸気による原料豆の殺菌方法を検討し,以下の点を明らかにした.
    (1) 緑豆もやしの栽培過程での胚軸部の生長におよぼすAITの濃度・処理時間の関係を検討した結果,濃度と時間の積による処理量が胚軸部の生長に影響を与えるが,600ppm×hr処理以下では生長を妨げないことが認められた.
    (2) AIT 20ppm/RH 100%/24hr気相処理では,緑豆もやしおよびブラックマッペもやしの生長を妨げずにC. gloeosporioides, A. alternata, F. oxysporumによる病害発生の抑制が可能となった.
    (3) 塩素処理での抑制が不可能な病害発生は,AITにより抑制可能となるが,塩素処理で抑制可能となる病害は,AIT単独では抑制が不可能となることから,両者の併用処理がより有効であることが示唆された.
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  • 三沢 宏, 井上 清, 白井 徹朗
    49 巻 (2002) 6 号 p. 395-400
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    非薬物療法で経過観察可能と判断された軽症高脂血症患者20例を対象として,クロレラの投与試験を実施した.患者のうちクロレラの摂取を理解し積極的に協力してくれた11例に,従属栄養的純粋培養で生産されたクロレラを毎日3g, 3か月間投与した(クロレラ摂取群).他の9例は経過観察のみとした(対照群).両群について血清脂質関連の臨床値の推移を観察し,以下の結果を得た.
    (1) クロレラ摂取群は,試験前値と比較し1か月と3か月で総コレステロールとLDL-コレステロールが有意に低下した.3か月後のそれぞれの低下率は約6および11%であった.一方,対照群は,試験期間中コレステロールに有意な変化はみられなかった.
    (2) 血清脂質関連の臨床値において,クロレラ摂取群でApo A-Iの増加がみられ,動脈硬化指数の(Apo B)/(Apo A-I)が有意な低下を,(LDL-コレステロール)/(HDL-コレステロール)で低下傾向がみられた.その他,対照群でApo Bの一時的な増加がみられた以外は,臨床値に変化はみられなかった.
    (3) 試験の前・後で行った不定愁訴に関するアンケート調査から,クロレラの摂取により,一般的な不定愁訴の症状が改善されたことがわかった.また,クロレラの摂取によると思われる副作用は認められなかった.
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  • 西山 一朗, 大田 忠親
    49 巻 (2002) 6 号 p. 401-408
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    キウイフルーツの品種による有効な利用法を検討するため,果汁中に含まれるアクチニジン濃度およびプロテアーゼ活性の品種間差に関する調査を行った.用いた13品種のうち,アボット.香緑,魁蜜および信山では,主要な経済栽培品種であるヘイワードと比較して,アクチージン濃度やプロテアーゼ活性が有意に高値を示した.そのためこれらの品種では,食肉軟化剤や酵素の供給源としての利用法が有効だと考えられた.一方,レインボーレッド,ホート16A,香粋の3品種の果汁では,プロテアーゼ活性がヘイワードの7%以下と,有意に低値を示し,また乳タンパク質や筋原線維タンパク質の加水分解作用も軽微であった.この結果より,プロテアーゼ活性の低いこれら3品種では,ヨーグルトなどの乳製品と混合したときに生じる苦味の発生が著しく低減されるものと期待された.
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  • 風見 大司, 小倉 長雄, 福地 敏彦, 辻 啓介, 穴澤 麻梨, 前田 浩明
    49 巻 (2002) 6 号 p. 409-415
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    GABA含有酵母エキスを配合したかつお風味の和風調味料(だし)を作成し一事業所に勤務する軽症高血圧者,正常高血圧者を含む健常者を対象に血圧降下作用の確認を行った.
    先ずGABA 20mg~40mgの摂取用量比較試験を行い,至適摂取用量を20mg/日と決定した.続いて20mg相当のGABAを含有する和風調味料(だし)15mlを毎日摂取してもらい,継続的に血圧に与える影響を検討した.その結果,血圧高めの被験者について,摂取2週間後に収縮期血圧は6mmHg低下し,拡張期血圧は4mmHg低下した.正常血圧の人の血圧低下は収縮期,拡張期とも認められなかった.また,試験期間中,摂取に伴う副作用は認められなかった.
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  • 羽倉 義雄, 鈴木 寛一
    49 巻 (2002) 6 号 p. 416-421
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    アルミニウム製の鍋と蓋に2枚の電極板としての機能を持たせ,炊飯過程における米-水系試料の誘電特性の変化を低周波領域で測定し,以下の結果を得た.
    (1) 炊飯過程における電気容量の変化は,加熱開始5分後から急激に増加し,沸騰が始まる7分付近でピークを示し,11分以降は加熱前の水準に戻った.電気容量の増加が始まった時点の試料温度は米デンプンの糊化開始温度とほぼ一致していた.
    (2) DSCによる米の糊化度の変化は,沸騰直前から急激に糊化が始まり,加熱開始7分後に50%のデンプンが糊化し,その後糊化速度が緩やかに減少して行く傾向を示した.
    (3) 実測した電気容量と誘電正接から誘電体損を求め,これを時間で積分し新たな糊化度を定義したところ,DSC測定により得られた糊化度と良好に一致した.
    (4) 以上の結果より,誘電特性を利用した炊飯過程の米の糊化度の非破壊・連続測定の可能性が示唆された.
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  • 藤村 浩嗣, 穴田 剛範, 白砂 尋士, 高村 仁知, 的場 輝佳
    49 巻 (2002) 6 号 p. 422-427
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    フライ調理現場より収集したフライ油を用いて,重合物量と粘度上昇率,極性化合物量とPCテスター移動距離に極めて高い相関があることを見出した.粘度上昇率とPCテスター移動距離は,重合物量や極性化合物量を定量するHPLC法と比較して,迅速かつ簡易に測定出来るものであり,複合的なフライ油の劣化を判断する方法として有効であると判断できる.実際のフライ調理現場での廃油基準としては,我々は粘度上昇率15~20%(重合物量8~10%に相当),PCテスター移動距離24~27mm(極性化合物量20~25%に相当)を推奨する.
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  • 斎藤 昌義, 辰巳 英三, 陳 〓生, 汪 立君, 李 再貴, 李 里特
    49 巻 (2002) 6 号 p. 428-431
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    充填豆腐を作成する際に血液を混合すると,ゲル強度が増加し,離水率が低下した.この効果は,牛乳,脱脂乳では認められなかった.
    血液を分画して混合したところ,プラズマ画分よりも赤血球画分にゲル特性の改善効果が顕著に認められた.
    ヘモグロビン水溶液を混合してもゲル特性の改善効果はわずかで,赤血球画分を加えた場合のゲル特性改善にはタンパク質間相互作用もしくは脂質等のタンパク質以外の物質が関与することが推察された.
    血液タンパク質は豆腐からのドレイン中には検出されず,ゲルのネットワーク構造形成に関与していると推察された.
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