日本食品科学工学会誌
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52 巻 , 9 号
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総説
報文
  • 鶴永 陽子, 松崎 一, 持田 圭介, 松本 敏一, 板村 裕之
    52 巻 (2005) 9 号 p. 391-397
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    生育途中のカキ ‘西条’ の葉を材料とした柿葉茶を用いて, 蒸熱処理時間と焙煎処理が370日間保存後の総アスコルビン酸 (T-AsA) 含量およびラジカル捕捉活性に及ぼす影響について検討し, 以下の点を明らかにした.
    (1) 焙煎未処理の蒸熱5分間処理区で保存期間中のT-AsA含量を最も高く保持できた. それ以上の蒸熱処理時間区ではT-AsA含量の保持効果が低くなった.
    (2) 対照区 (蒸熱無処理区) では, 保存前の焙煎処理区のみT-AsAを残存させることが出来た.
    (3) 蒸熱5分間処理区では, 焙煎処理が保存前後いずれでも同程度のT-AsA含量を示した.
    (4) 柿葉茶のラジカル捕捉活性には, T-AsA以外のポリフェノール成分の関与が示唆された.
    (5) 以上のことから, 適切な蒸熱処理時間と焙煎処理を行うことで高いT-AsA含量, ラジカル捕捉活性を保持した柿葉茶の製造が可能であることがわかった.
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  • 申 鉉日, 小野 世吾, 栗原 秀幸, 高橋 是太郎
    52 巻 (2005) 9 号 p. 398-405
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    ホタテ外套膜からペプシン可溶化コラーゲン (SMPC) を抽出した. 得られたコラーゲンは牛タイプIコラーゲン, 牛タイプVコラーゲンと比較して以下の特徴があった.
    (1) SMPCは牛胎盤タイプVコラーゲンとよく類似したアミノ酸組成とSDS-PAGE泳動パターンを示した.
    (2) V8プロテアーゼを用いて酵素分解を行った結果, SMPCは牛胎盤タイプVコラーゲンや牛皮タイプIコラーゲンよりも分解を受けやすく, 両者とは異なる一次構造を持っていることが分かった.
    (3) SMPC繊維を再構成して電子顕微鏡で観察した結果, 繊維の太さは牛皮タイプIコラーゲン繊維の約半分で, ほぼ均一な繊維を形成していた.
    (4) 牛皮タイプIコラーゲンとゲル形成能を比較した結果, SMPCのゲル形成能は牛タイプIコラーゲンよりも低いことを認めた.
    (5) 牛皮タイプIコラーゲンと吸湿性を比較した結果, SMPCの方が高湿度下において, より高い吸水性を示した.
    以上のように, ホタテガイ外套膜ペプシン可溶化コラーゲンは動物筋肉の主要な結合組織であるタイプI型コラーゲンとは異なる特徴を示した. その一方で, 他の無脊椎動物のコラーゲンと類似の特徴を示し, 牛胎盤タイプVコラーゲンにもよく類似していた. しかし, アミノ酸組成中HyLysの量がタイプVコラーゲンに比べてやや少なく, V8プロテアーゼの分解パターンが異なっていた. 生物学的に分子種を確認するには遺伝子解析が必要であるが, ここでは食品や, 生体に応用することを目的としてSMPCの部分特性を調べた. ホタテガイ外套膜コラーゲンは牛に対してはBSE問題にかかる優位性があり, 豚にはBSEの問題はないものの, 牛と同じ “畜産” ということで多少イメージダウンになっている. 鶏は鶏インフルエンザでイメージが低下しており, 魚皮コラーゲンには悪臭の問題がある. ウロコや骨は脱灰が大変である. 以上の点からホタテガイ外套膜コラーゲンの特性を把握した上で, 抽出率や処理コスト低減を図ることにより従来品に対して, 少しずつ代替が今後可能になっていくものと考えられる. ホタテガイ外套膜ペプシン可溶化コラーゲンのように安価かつ安定的に大量入手できる原料からタイプV型に類似したコラーゲンを抽出することができた事は, 今後, さらに分子特性と化学, 物理的な性質を詳しく解析して機能性材料として利用していくための基礎的知見を得る上で意義深い.
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  • 田中 眞人, 田口 佳成, 島 知恵子
    52 巻 (2005) 9 号 p. 406-411
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    芯物質を担持したシェル材のメチルセルロース水滴とゲル化剤であるタンニン酸水滴との合一を, W/O分散系で生じさせることにより, 進行する脱水縮合反応を利用してマイクロカプセルを調製することを試みた. そして, 以下のような結果を得た.
    (1) W/O分散系を利用した液間合一により, グルタミンを担持したメチルセルロースカプセルを調製することが可能であった.
    (2) メチルセルロースの濃度とともに, マイクロカプセル径は大きくなるとともに, 含有率も増加した.
    (3) いずれの条件で調製したマイクロカプセルは, 30%前後の初期バーストを示したことから, さらなる調製条件の最適化が必要である.
    (4) マイクロカプセルの水中での膨潤破壊は観察されなかった.
    (5) グルタミンの放出は, 未架橋部のメチルセルロースの溶解とその後のグルタミンの溶解によるものと推察された.
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  • 藤森 正宏, 増田 勉, 柚木 恵太, 柏川 法隆, 塚本 義則, 伊藤 精亮, 大西 正男
    52 巻 (2005) 9 号 p. 412-419
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    醸造酢 (4品種, 7品) から脂溶性成分を抽出し, その性状を検討すると共に構成脂肪酸をp -ニトロフェナシル誘導体として逆相HPLCで分析した.
    (1) 供試した醸造酢中のクロロホルム-メタノール抽出物は, 醸造酢100ml当たり1~8mgで, 純玄米酢, 純米酢, 純リンゴ酢および穀物酢の順で多く含まれていた. これらの脂溶性成分には, 原材料中の主要な脂質クラスはほとんど検出されなかった.
    (2) 構成脂肪酸として, 炭素数16~22までの9種類の存在が認められ, そのうち主なものはパルミチン酸 (16 : 0) (32%~43%), ステアリン酸 (18 : 0) (8%~18%), オレイン酸 (18 : 1) (16%~36%) およびリノール酸 (18 : 2) (5%~16%) であった. 純米酢および穀物酢の脂肪酸組成 (mol%) は互いに類似していたが, 純玄米酢はそれらとは異なっていた.
    (3) 醸造酢100ml当たりの総脂肪酸量は58~194nmolの範囲であった. 醸造酢中の個々の脂肪酸量を比較すると, 各醸造酢固有の脂肪酸パターンを示した.
    (4) 一般に, 原料に由来する脂肪酸 [パルミチン酸 (16 : 0), オレイン酸 (18 : 1) など] の含量は, 醸造酢の品種間で差が認められた. 一方, 発酵微生物に由来すると考えられるパルミトオレイン酸 (16 : 1) の含量には品種間で大きな違いは見られなかった.
    (5) 純リンゴ酢の総脂肪酸量は, 米国産の方がいずれの国産銘柄のものよりも多く, パルミチン酸 (16 : 0) とオレイン酸 (18 : 1) の含量も米国産の方が多かった.
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  • 森岡 克司, 延近 愛子, 亀井 美希, 川越 雄介, 伊藤 慶明, 久保田 賢, 深見 公雄
    52 巻 (2005) 9 号 p. 420-423
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    うどんの物性に及ぼす海洋深層水の影響 (DSW) を検討した.
    (1) DSW及びDSWの代わりに2.5%食塩水を小麦粉 (麺用中力粉) 1kgに対し, 390ml添加して2種類のうどんを調製し, 物性測定とN-SEM観察を行ったところ, 物性では, DSW添加うどんの方が, 食塩水添加うどんに比べ強度, 伸び共に高い値を示した. N-SEM観察では, 食塩水添加うどんに比べ, DSW添加うどんの組織構が密であった.
    (2) 2.5%食塩水にDSWに含まれる主要陽イオン (Mg2+, Ca2+, K+) を加えてうどんを調製したところ, Ca2+とK+をともに加えたうどんで, 強度及び伸びともにDSW添加うどんに匹敵した.
    以上の結果より, DSWはうどんの微細構造を密にすることにより, 物性の向上に寄与し, その効果は, 海水中に含まれる主要な元素, 特にCa2+とK+に由来するもの推察した.
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技術論文
  • 沖 智之, 阿部 秀子, 増田 真美, 中川 強, 須田 郁夫
    52 巻 (2005) 9 号 p. 424-428
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    タマネギに含まれるケルセチン類分析の省力化を図ることを目的として, ケルセチン類の抽出にPLEの適用を試みた. タマネギ凍結乾燥品からのPLEによる抽出条件としては, 80%エタノール水溶液を抽出溶媒に用い, 40℃で5分間の静置を4回繰り返す条件が最適であった. 品種・栽培地の異なるタマネギを対象にケルセチン類含量を測定すると, Q-3,4'-diGlcとQ-4'-Glcとの合計量は31.7~108.3μmol/100g-FWの範囲に分布しており, その合計量に比例して, ラジカル消去活性も高まった. また九州で栽培されたタマネギにはQ-3,4'-diGlcが, 北海道で栽培されたタマネギにはQ-4'-Glcが多い傾向にあった.
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  • 添田 孝彦, 笠置 高正, 外園 亜紀子
    52 巻 (2005) 9 号 p. 429-433
    公開日: 2007/04/13
    ジャーナル フリー
    各pHの分散液の周波数依存性から, 大豆タンパク質分散液は構造粘性をもつことが確認された. すなわちpH6.7およびpH9.8の場合の方がpH12.0の場合よりも周波数の増大に伴って急激なη'とG'の低下を示すことから, pH6.7およびpH9.8ではタンパク質分子構造がせん断に対して壊れ易い構造, すなわち, 分子間での引力などに起因する相互作用が弱い構造をとり, pH12.0では壊れにくい構造, すなわち, 分子間の相互作用が強い構造をとっていることが推察された. また, 大豆タンパク質分散液のタンパク質濃度とlogη'およびlogG'の関係から, pH6.7では上に凸の曲線を, pH9.8では直線的で, pH12.0では下に凸の曲線を描き, 各pHで顕著な差異がみられた. さらに, 大豆タンパク質分散液のpHとlogη'およびlogG'の関係から, pH9.5付近にピークを有し, pH12近辺のタンパク質分子の解膠が最大になることが示された. η'/G'比はpH12.0では約1.4 (ω=Hz) をとり, pH9.8では他のpHよりも高いη'/G'比である約5.0 (ω=0.1Hz) を示した.
    以上より, 中性付近で良好な紡糸性を得るための大豆タンパク分散液の必要条件としては, pH12の場合に近似した動的粘弾性挙動をとることである. それはη'/G'比が約1.4 (ω=0.1Hz) 付近にあり, 分子間の相互作用をもつ直鎖状の分子構造をとり, かつ, 動的粘弾性の濃度依存性が下に凸の曲線を描くことがあげられた.
    今回得られた検討結果をもとに, リジノアラニンが発生しない常温, かつ中性付近での紡糸を検討中であり, 中性紡糸の可能性を得ている.
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技術用語解説
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