日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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53 巻 , 1 号
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報文
  • 仲佐 輝子, 竹中 良, 岡田 夕子, 沖中 靖
    53 巻 (2006) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    5週齢Wistar系雄ラットを用い,酸化ストレス誘発剤としてパラコートを与え,これにビルベリーを同時に投与して,その抗酸化作用について検討した.その結果,パラコート投与ラット(PQ群)において,明らかな体重減少および肺の肥大が観察された.また,肝臓および血漿中のトリアシルグリセロール量が減少した.それに対しビルベリーエキス投与(PQ+B群)ではこれらの変化が緩和された.肝臓および血漿中のTBARS量は,PQ群は対照群(C群)に比べて有意に高値を示したのに対し,PQ+B群はC群とほぼ同程度にまで抑えられた.血漿中総コレステロール(TC)量は各群において差はみられなかったが,PQ群のHDL-C量はC群に比べ有意に低値を示し,PQ+B群はいずれもC群と同程度の値を示した.そこで,動脈硬化指数を求めた結果,PQ+B群はPQ群に比べ有意に低値を示した.次に活性酸素消去系の酵素について検討した結果,赤血球では,スーパーオキシドジスムターゼ活性とグルタチオンペルオキシダーゼ活性は,PQ群で低下したが,PQ+B群ではその低下が抑制された.カタラーゼ活性はPQ群で増加したが,PQ+B群ではさらに高値を示した.肝臓は赤血球中とは逆にPQ群でカタラーゼ活性が有意に低下し,GSH-Px活性が有意に高値を示し,PQ+B群ではC群に近い値が示された.これらの結果から,ビルベリーはパラコートによって引き起こされる酸化ストレスに対して,抑制効果をもつことが示された.
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  • 石山 絹子, 長島 万弓, 安本 知子, 福田 靖子
    53 巻 (2006) 1 号 p. 8-16
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    新品種ごまぞうに関してセサミン,セサモリンが高含有であること以外にその他の成分的特徴や発芽過程における成分変化について明らかにすることを目的として,ごまぞうの種子中に含有されるリグナン配糖体および発芽過程におけるリグナン,リグナン配糖体の挙動(変化),機能性を従来品種の関東1号と比較した.
    1. セサミン,セサモリンは,ごまぞうには関東1号および中国産白ゴマに比べそれぞれ約2.1倍,約1.3倍含まれていた.
    2. ゴマ種子を酸分解することにより,関東1号に比較してごまぞうで高極性成分の紫外部吸収がより増加した.このことにより,ごまぞうに関東1号と比較して,セサミノール,ピペリトール,セサモリノールなどのリグナン配糖体が多く含まれていることが示唆された.
    3. ごまぞうおよび関東1号を発芽させた場合,セサミン,セサモリンは発芽過程で徐々に減少した.それは関東1号でも観察された.また,セサミン,セサモリンの減少は,高極性部,極性部の増加と相関していた.
    4. 発芽によるセサミノールの生成量はごまぞうより関東1号で高かった.
    5. 発芽体メタノール抽出区分のDPPHラジカル捕捉能,SOD様活性,ORAC価は発芽過程で増加した.また,これらの結果は極性成分量と高い相関性を示した.
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  • 久保村 喜代子, John Molyneux, 大森 正司, 内田 勝幸, 最上 おりえ, 小田 宗宏
    53 巻 (2006) 1 号 p. 17-22
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    ボイセンベリー葉抽出物のラット子宮平滑筋に対する作用についてマグヌス法を用いて検討した.ボイセンベリー葉抽出物は葉100gから2Lの熱水を用いて乾燥物として30.2g得られた.ボイセンベリー葉抽出物は濃度依存的にラット子宮自動運動による収縮力および収縮頻度を増加させた.これらの反応はカルシウムチャンネル拮抗薬であるジルチアゼムにより用量依存的に抑制された.小胞体カルシウムチャンネルの阻害薬であるダントロレンでは収縮頻度のみが用量依存的に抑制された.したがって,ボイセンベリー葉抽出物はおそらく電位依存性のカルシウムチャンネルを介し細胞外のカルシウムを細胞内に取り込むことにより子宮の自動運動の促進作用を示すと考えられた.以上のことからボイセンベリー葉抽出物は子宮の生理機能に対し何らかの作用を示す可能性が示された.
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  • 飯塚 佳子, 高崎 禎子, 鈴木 亜由美, 森田 香絵, 相島 鐵郎
    53 巻 (2006) 1 号 p. 23-30
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    (1)QDA評価
    選別,訓練を経た9名のQDAパネルは豚肉に関して「香ばしい香り」「生臭さ」「甘い香り」「豚の臭み・ケモノ臭」「うま味」「脂っぽさ」「かたさ」「ジューシー感」の8つの官能特性を選出した.それらの中で「豚の臭み・ケモノ臭」,「かたさ」の2特性は試料間に有意な差が見られた.TukeyのHSDによる多重比較から,トウキョウXはLWDよりも有意に「豚の臭み・ケモノ臭」が弱く,柔らかいと評価された.
    (2)嗜好評価
    「香り」については有意差がなかったが,分散分析の結果,「食感」「総合」ともに試料間に1%水準の有意差が見られた.TukeyのHSDによる多重比較の結果,「食感」ではトウキョウX>バークシャー種>LWDの順に好まれ,各試料間には有意差が見られた.総合的な嗜好では,トウキョウXがバークシャー種,LWDよりも有意に好まれた.
    (3)テクスチュロメーター分析結果
    トウキョウXが最も柔らかく,LWDが最も硬かった.これはQDAデータの「かたさ」と同様の傾向を示した.凝集性に関しても,トウキョウXが最も咀嚼しやすい肉であった.TukeyのHSDによる多重比較では,トウキョウXと他の2品種の間には有意差が見られた.
    (4)GC-MS分析結果
    トウキョウXは他の2種に比べ,C5,C6,C8,C9の飽和,不飽和アルコール,アルデヒド類の含有量が少なかった.全体的にピークも小さく,豚の臭み・ケモノ臭が弱いという特徴を裏付けた.
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  • 木村 英人, 地阪 光生, 木村 靖夫, 勝部 拓矢, 横田 一成
    53 巻 (2006) 1 号 p. 31-38
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    (1)あく抜き処理前,あるいは,あく抜き処理後のトチノミ由来の各サポニン成分の単離物を用いて,マウスでの糖負荷試験を行ったところ,あく抜き処理後の食用トチノミに存在する4種類のデアセチルエスシンは,いずれも同程度の血糖値上昇の抑制活性を示した.エスシン関連物質の血糖値の上昇抑制活性は,エスシン類>デアセチルエスシン類>デサシルエスシン類の順に高い傾向になった.このことより,エスシン類の21位のアシル基と22位のアセチル基が,血糖値上昇の抑制活性の強さに大きく関係していることが明らかとなった.
    (2)エスシン,デアセチルエスシン,および,デサシルエスシンはα-アミラーゼに対して弱い阻害活性を示したが,小腸のα-グルコシダーゼ(マルターゼ,スクラーゼ)に対しては,ほとんど阻害効果は示さなかった.
    (3)あく抜き処理前の天然トチノミに由来するサポニン画分に比較して,あく抜き処理後の食用トチノミに由来するサポニン画分では,同一濃度において明らかに苦味の低減化が認められた.
    (4)食用トチノミに含まれるエスシンの有機酸エステルが加水分解されたサポニン類は,エスシンに比べて苦味が大きく低減化されており,また,血糖値の上昇抑制作用を保持しているので,機能性食品素材としてより好ましい.
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  • 岑 友里恵, 吉原 志保, 村上 香織, 東 敬子, 那須 さやか, 田中 友恵, 福永 公寿, 佐伯 隆, 澤野 悦雄
    53 巻 (2006) 1 号 p. 39-47
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    おからを酵素分解処理しておから乳と原豆乳と混合した全豆乳を豆腐にして資源化する方法において,全豆乳に作用させるTGaseの固定化について検討を行い,以下の結果を得た.
    (1)レバチットVP OC 1065樹脂(Lew),セルロースビーズ(Cell)及び寒天ゲル(Agar)の3種の担体にアビジン(A)-ビオチン(B)間の特異的結合を利用した外部担体結合法により調製した6種の固定化TGaseのうちでハイドロキサメート法による活性が大きかった,Lew-B-A-B-TGase, Cell-B-A-B-TGase及びAgar-A-B-TGaseを全豆乳の酵素処理(50°C,30分)に用いた.それらの中でLew-B-A-B-TGase 1.0mgは3粒でTGase 68μgを含有し,1回分で30mlの全豆乳液のTGase処理を少なくとも10回は全く活性低下なく行え,高活性かつ安定で,実用的な固定化酵素であることがわかった.
    (2)全豆乳のTGase処理効果はGDL添加による凝析度を濁度測定により,またGDLで凝固させて得られた豆腐の貫入試験による破断強度測定により定量化することができた.実際に得られた豆腐の貫入試験の結果からTGase処理全豆乳に対する凝固剤GDL及び混合凝固剤GDL-MgCl2の凝固特性は通常の豆乳に対するものと異なることが明らかになった.
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  • 出川 洋子, 柴沼 清, 高野 勝, 辨野 義己
    53 巻 (2006) 1 号 p. 48-54
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    コーンファイバーを分解して得たオリゴ糖の組成と,そのオリゴ糖の投与におけるラットの生理学的性状及び盲腸内細菌叢について検討した.
    1)コーンファイバー分解オリゴ糖には,構成糖にグルクロン酸を含む成分と,キシロースを主成分とするキシロオリゴ糖の2つの特徴的な成分が含まれていることが示された.
    2)オリゴ糖摂取によって,盲腸重量の増加,盲腸内pHの低下,盲腸内のBifidobacteriumの増加が見られた.オリゴ糖がα-アミラーゼ等に分解され難かったこと,保存安定性が高いこと等を考慮すると,その大部分は消化吸収されずに大腸に到達することが推測され,腸内でBifidobacteriumに利用されると考えられる.
    3)オリゴ糖摂取によって,悪玉菌であるC. perfringensの増加は認められなかったが,それ以外のClostridiumの増加が見られた.但し,オリゴ糖濃度に依存した傾向ではなかった.
    4)オリゴ糖摂取によって,脂肪量(副睾丸周囲,腎周囲,後腹壁)が有意に低下し,血清中トリアシルグリセロールが低下傾向を示した為,脂質代謝改善効果の可能性が示された.
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  • 水谷 滋利, 河合 高志, 榎 竜嗣, 佐川 裕章, 嶋中 一夫, 酒井 武, 加藤 郁之進
    53 巻 (2006) 1 号 p. 55-61
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    ブナシメジ子実体粉末の混餌投与による腫瘍成長抑制作用を,マウスS-180固形腫瘍の実験系で確認した.この実験系を用いて,活性成分の探索を行った.まず,極性の異なる溶媒を用いて子実体粉末から活性成分の抽出を行ったところ,酢酸エチルで抽出される画分に,腫瘍成長抑制作用があることが明らかになった.
    次に,この抽出画分をシリカゲルカラムにアプライして,さらに分画を行った.その結果,腫瘍の成長を抑制する活性は,アセトンで溶出した画分にみられた.このアセトン溶出画分が,同種腫瘍であるSarcoma-180だけではなく,同系腫瘍のIMC carcinomaの成長を抑制したことより,この活性成分が単に移植拒絶反応を高めただけではなく,腫瘍そのものに対して成長抑制作用を示したと考えられた.
    このアセトン溶出画分の主成分が何であるかを解明する目的で, 1H-NMRのスペクトルやMSによる質量分析を行った.その結果,この成分は以前にブナシメジより分離されていたHypsiziprenol A9と一致した.
    このアセトン溶出画分をHL-60細胞に作用させ,蛍光顕微鏡による観察とフローサイトメーターによる分析を行った.その結果,14.8μg/mlの濃度で,アポトーシスを誘発することが確認された.
    以上の結果より,このアセトン溶出画分の腫瘍成長抑制には,腫瘍細胞に対するアポトーシス誘発が関与している可能性が示唆された.
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  • 松尾 眞砂子
    53 巻 (2006) 1 号 p. 62-69
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    テンペ菌で発酵させたキノア(キノアテンペ,Q-テンペ)を汎用食品の素材として活用するため,薄力粉や中力粉の一部をキノアやQ-テンペの粉末で代替してソフトタイプとハードタイプビスケットを調製し,その物性,呈味性,鉄とα-トコフェロール含量を100%の薄力粉や中力粉で調製した対照ビスケットと比較した.小麦粉の20%をキノアやQ-テンペで代替しても両タイプのビスケットの厚さと体積は変化しなかった.キノア粉末は両タイプのビスケットの官能的評価点に影響を与えなかった.Q-テンペ粉末はソフトビスケットのもろさと味に対する官能的評価点を向上させたが,色調をやや暗くした.小麦粉の30%をキノアやQ-テンペの粉末で代替するとどちらのタイプのビスケットも体積と硬度が減少した.キノア粉末はハードビスケットの口どけが悪いため,官能的総合評価点を低下させたが,Q-テンペ粉末は影響を与えなかった.Q-テンペ粉末で小麦粉の20%を代替したビスケットは鉄とα-トコフェロール含量が対照ビスケットの2.5倍以上多かった.Q-テンペはリン化合物の一部が分解しており,キノアよりラットによる鉄の吸収率が高かった.これらの結果は,Q-テンペ粉末はビスケット素材としてキノア粉末より優れており,小麦粉の20%まで活用でき,鉄やα-トコフェロールの強化材としても有効であることを示唆していた.
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技術論文
  • 岡本 清, 羽倉 義雄, 鈴木 寛一
    53 巻 (2006) 1 号 p. 70-73
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    水分と油脂含量の異なる凍結すり身の破壊エネルギー(破壊強度)を0℃以下の低温下で測定し,DSC測定の結果と比較することで,凍結魚肉の低温切断加工の最適温度条件をDSC測定の結果から推定した.
    水分60~80%,油脂(タラ油)含量1~20%の凍結すり身を低温下で3点曲げ試験を行い,破壊エネルギーを測定した.その結果,試験片は-40℃で凍結していたが,低温切断は-80℃以下の温度で可能となった.DSC測定の結果,添加したタラ油の融解開始温度は,切断可能温度である-80℃より高温側にあった.このようにタラ油を含んだすり身は,タラ油の融解開始温度以下で切断が可能であり,その融解開始温度はDSCにより測定が可能であった.
    切断可能温度(温度A)以下での曲げ破壊エネルギーの急速な低下すなわち脆化は,今回測定したサンプルでは確認できなかった.これらのサンプルのDSC測定では,ガラス転移様の変化が現れておらず,タラ油の融解温度範囲が水-すり身系でのガラス転移温度範囲と重なっていたことから,すり身に添加したタラ油が低温での脆化を抑制したことが示された.
    これらの結果から,油脂を含む凍結すり身の低温での破壊挙動並びに低温切断に適切な凍結温度条件は,試料のDSC測定結果から予測可能であり,それは-80℃以下に存在した.
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  • 添田 孝彦, 外園 亜紀子, 笠置 高正, 坂本 光則
    53 巻 (2006) 1 号 p. 74-79
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    MTG処理により,WPC溶液の100℃加熱による凝集,増粘および溶解性低下は抑制された.特に,MTG 30u/g, protein添加により凝集は緩和され,溶解性は著しく向上した.MTGを10u/g, protein添加することによって得られたWPC凍結乾燥粉末から調製されたWPCゲルの瞬間弾性率(E0)および定常粘性率(ηN)は低下し,相対的にηNの割合は増大した.また,MTG処理によりゲル保水性は向上した.WPCにMTGを作用させた時の架橋結合量はWPCが低濃度で,低pHほど高かった.この原因はそれぞれの環境下でのタンパク質の分子形態に起因すると推察される.以上の結果よりMTG処理によるWPCの耐熱性付与が可能と考えられる.この耐熱性付与はSDS-PAGEの各タンパク質バンドの減少から,MTG処理により熱に不安定なβ-ラクトグロブリン同士の架橋およびα-ラクトアルブミンとの架橋で熱に安定な高分子が生成することによると示唆される.
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研究ノート
  • 白坂 憲章, 香田 麗子, 吉栖 肇
    53 巻 (2006) 1 号 p. 80-84
    公開日: 2007/03/06
    ジャーナル フリー
    Zygosaccharomyces属酵母を用いて各種清涼飲料中における酵母の増殖挙動について検討し以下の結果を得た.
    (1)加糖紅茶,果汁入り飲料,乳酸飲料,スポーツドリンクなどの加糖飲料でのZygosaccharomyces属酵母の増殖は盛んで,ガスの発生も旺盛であった.
    (2)緑茶,低糖紅茶などの低糖飲料におけるZygosaccha-romyces属酵母の増殖は緩慢で,増殖は認められるが,ガスの発生は見られなかった.
    (3)加糖紅茶におけるZygosaccharomyces属酵母の増殖は高温になるほど旺盛であったが,冷蔵庫内の温度に相当する5~10℃でも良く増殖することが明らかになった.
    以上の結果より,加糖飲料の場合は一度開栓した飲み残し飲料中を室温で放置することで酵母の増殖によるガスの発生が起こり,ペットボトル破裂事故につながる可能性が認められた.
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