日本食品科学工学会誌
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53 巻 , 11 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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報文
  • 中嶌 輝子, 吉川 公規
    53 巻 (2006) 11 号 p. 555-560
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    ウンシュウミカンに生じる初期の腐敗は,正常な部分と果皮色にほとんど変化がないため見落とされやすく,選果施設などで導入されているRGBカラーカメラでも検出が難しい.そこで,腐敗部分を検出するために,イメージング分光器によって可視から近赤外領域までの連続した分光画像を簡易に測定できる装置を作成した.この装置を用いて得られた分光画像から,腐敗部分と健全部分の平均吸光スペクトルを算出し,重回帰分析を行った.3波長まで採用し,第1から第3波長までの分光反射率の値をRGBに置き換えて疑似カラー画像を作成したところ,2次微分したスペクトルを用いた場合の精度が高く,36サンプルの内27サンプルの腐敗部を識別することが出来た.
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  • 中嶌 輝子, 吉川 公規
    53 巻 (2006) 11 号 p. 561-565
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    ウンシュウミカンに水浸状の腐敗を接種して腐敗果を作成し,連続した分光画像を用いて腐敗部と健全部を仕分ける検量式を作成した.多変量解析のSIMCAとPLS回帰分析と重回帰分析を用いた結果,2次微分処理したスペクトルで作成したPLS回帰分析の検量式が最も精度が高かった.解析結果をの画像化(イメージング)したところ,SIMCAとPLSのどちらの判定モデルも全ての供試果実の腐敗を判定することが出来た.
    腐敗果の判定モデルは,5×5画素で分割した分光画像に,検量式を代入し,腐敗部のみを表示させた.これにより直径1cm程度の小さな腐敗を判定することが実証出来た.
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  • 柴田 賢哉, 石原 理子, 坂本 宏司
    53 巻 (2006) 11 号 p. 566-571
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    凍結含浸法を白花豆に適用し,均一かつ段階的に硬さを調整する技術を開発した.白花豆の軟化にはマセロチーム2Aが最適であり,凍結含浸処理前に白花豆の表面部を乾燥する工程を追加することにより,白花豆を効果的に軟化させることができた.さらに加圧加熱殺菌処理を併用することにより,容易にかめる7.5×104N/m2の硬さに調整できた.使用する酵素の濃度と反応時間を調節し,凍結含浸法と加熱処理を併用することにより,白花豆の形状を維持したまま目的とする任意の硬さに調整可能であった.本技術は,食品素材をそしゃく困難者のそしゃく能力に応じた硬さに調整するのに有効であった.
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  • 白井 敦也, 宮内 正人, 中西 幸雄
    53 巻 (2006) 11 号 p. 572-579
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    アルミホイルや高分子フィルムなどに変わる環境に優しい紙材料から成るシガレット包装材料の開発を促進するため,包装材料の水およびメンソールの移動を抑制する機能の評価方法について検討した.まず,たばこ製品からの吸着成分の移行を表す数学モデルを構築し,3つの物理化学的な性質,すなわちたばこへの吸着平衡関係,包装材料の透過係数およびシガレット充填層の見掛けの拡散係数が吸着成分の移行速度を支配していることを明らかにした.水とメンソールについてこれらの性質を実験によって求め,円筒状に束ねたシガレットから得られた実験値と計算から求めた値を比較して数学モデルの妥当性を確かめた.最後に,種々の材料で包装したたばこ製品の蔵置中の水とメンソール含有量の変化をシミュレートした.その結果,紙材料では水の移行を抑制することはできないが,ろうをコーティングすることによってメンソールの透過性を大きく下げることができるとわかった.これらの結果からろうをコーティングした紙は高分子フィルムの代替となりうる可能性を持つことが示唆された.以上,包装材料の機能は,その透過係数を測定すれば,本研究で提示したモデルによってそのポテンシャルを十分に予測・評価できると結論できた.
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研究ノート
  • 平 智, 高林 奈美
    53 巻 (2006) 11 号 p. 580-582
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    カキ‘平核無’果実を用いて,樹上脱渋処理の時期と収穫後の脱渋果の冷蔵貯蔵期間が果実の不溶性タンニンの可溶化(渋もどり)の難易に及ぼす影響を調査するとともに,樹上脱渋果の渋もどりのしやすさを炭酸ガス脱渋果,アルコール脱渋果,干し柿およびあんぽ柿と比較した.
    その結果,樹上脱渋果は脱渋処理の時期が早いほど収穫時の果実は渋もどりしにくかった.また,樹上脱渋果では収穫後の冷蔵貯蔵期間が長くなるにつれてしだいに渋もどりしにくくなる傾向が認められた.この傾向は,早い時期に脱渋処理した果実より遅い時期に処理を行った果実の方が明確であった.
    樹上脱渋果の渋もどりのしやすさは炭酸ガス脱渋果とはほぼ同等で,アルコール脱渋果より渋もどりしにくかった.最も渋もどりしにくかったのは干し柿とあんぽ柿であった.
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  • 山田 千佳子, 鍋田 早希子, 山本 美由紀, 和泉 秀彦, 松田 幹, 加藤 保子
    53 巻 (2006) 11 号 p. 583-586
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    米の主要アレルゲンはアルブミン・グロブリン画分に属する可溶性タンパク質であり,塩溶液に溶ける性質を持つ.一般に,米は炊飯する前に浸漬させることから,本研究では,米を一定条件下で浸漬することにより可溶性タンパク質が溶出することに期待し,これを利用した浸漬による米アレルゲンの低減化を目的とした.精白米を0,0.1,0.5MのNaCl溶液に浸漬し,4℃,30℃,50℃で24時間置いた後の米粒中から溶出したタンパク質について,またこのとき米粒中に残存したタンパク質を0.5MのNaCl溶液で抽出した可溶性タンパク質,および1%SDS溶液で抽出した総タンパク質について,それぞれの溶液中に含まれるタンパク質量をLowry法で,タンパク質組成をSDS-PAGEにより解析した.さらに,主要アレルゲンに対する抗体を用いたイムノブロットと阻害ELISAを行い,アレルゲン残存量を調べた.その結果,浸漬塩濃度,温度依存的にタンパク質の溶出量は増加した.これにともない,米粒残存可溶性タンパク質は浸漬塩濃度,温度依存的に減少しており,50℃,0.5MのNaCl溶液に浸漬した場合に14-16kDaおよび26kDaアレルゲンが顕著に減少していた.このときの14-16kDaアレルゲンをELISA法で定量した結果,浸漬前と比較して約45%に減少していた.米粒残存総タンパク質についても解析を行った結果,米主要貯蔵タンパク質であるグルテリンの減少は見られず,栄養価はある程度保持されていることが確認された.以上の結果より,炊飯前の浸漬時に塩濃度と温度を工夫することで,容易に低アレルゲン化が可能であることが示唆された.
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  • 深井 洋一, 塚田 清秀
    53 巻 (2006) 11 号 p. 587-591
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    米の収穫された年産および品種を異にした3試料を供試し,洗米時の研ぎ回数1回および3回で炊飯後,ジャー炊飯器内保温を24時間まで行い,保温時間の経過に伴う,品質・食味差を検証した.
    炊飯食味計測定値,色調およびにおい識別値の測定結果から,保温時間の経過に伴う,研ぎ回数別の傾向は,研ぎ回数1回よりも3回の方が,品質劣化の度合が小さかった.主成分分析により,研ぎ回数別で散布傾向が異なるグループ形成をすることを明らかにした.
    研ぎ回数を増やすことにより,炊飯米の保温中の品質保持に一定の効果があることが示唆された.
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  • 深井 洋一, 岡村 修, 塚田 清秀
    53 巻 (2006) 11 号 p. 592-595
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    炊飯直後から保温経過で,米飯の状態について経時的に検証したところ,温水・長時間浸漬の条件は,炊飯食味計測定値,色調のb値(黄ばみ)及びにおい識別値(SC3)において,米飯の品質の劣化が示された.特に,黄ばみ及びにおい識別では,長時間浸漬が米飯の品質を劣化させる傾向を認めた.一般生菌数は温水・長時間浸漬の上澄水の汚染が認められたが,炊飯後ではいずれの条件もほとんど死滅した.
    一般生菌数の測定は,長野県工業技術総合センター食品技術部門に依頼しました.この場を借り御礼申し上げます.
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技術用語解説
  • 天野 良彦
    53 巻 (2006) 11 号 p. 596
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    「水」と一口に行っても,水にはいろいろな状態の水が存在する.通常の一般的な化学では,物質の3態について学ぶことが多いと思われるが,それ以外の状態も存在する.
    例えば,図1に示したように,水は374.2℃で22.06MPa(メガパスカル)で,液体と気体の中間の密度(0.323g/cm3)を持つ流体となる1).この流体は常温の水とは,全く異なる性質の溶媒(超臨界水)となる.超臨界水は気体並みの大きな分子エネルギーを持ち,常温での水のように高密度の高活性流体である.超臨界水中では反応速度が大幅に増大することが期待される.
    超臨界水の誘電率およびイオン積を図2に示した.超臨界状態の水の誘電率は無極性の有機溶媒であるクロロフォルムやエチルエーテル並みの5-10の誘電率となる.つまり,通常では水に溶けないものが,超臨界水には非常に良く溶けることになる.また,水のイオン積は常温常圧下では1×10-14(mol/L)2であるが,250-350℃付近では増大して1×10-11(mol/L)2となる.この時の水素イオン濃度は3×10-6mol/Lとなり,常温における値から約30倍増加する2).このように,水でありながら,常温の水とはかけ離れた性質を持つ流体は,様々な分野での応用が期待されている.しかしながら,超臨界状態を誘起するための条件は過酷であり,また反応性に富むために反応容器として使える材質も限られている(非常に高価なチタンやハステロイなど).
    そこで,近年もう少し条件の緩和な亜臨界水やさらに低い高温高圧の水を用いる研究が活発に行われるようになった.
    高温高圧の水について,どこからどこまでが水熱反応と呼ぶかという定義は厳格に定められているわけではないが,一般には食品類の加工に用いる温度圧力からもう少し高い状態までをいう.230℃までは,ステンレスで対応できるため,水熱反応は汎用性が高い.このような状態でも,水の誘電率は半分以下であり,またイオン積が高く酸触媒反応の効果が高いことが知られている.近年では,このような性質を活かして,従来分解しにくかった植物細胞壁の分解などに利用されている.特に,環境問題からバイオマスへの水熱反応の利用は注目されてきており,この分野での研究が盛んに行われている.また,有機質の廃棄物処理の分野でも応用が期待されている.その他,高い反応場を利用した物質の合成などの研究もなされている.
    研究の段階を出ていないものも多いが,将来実用化されるものが出てくることが期待される.そのためには,用いる素材と条件の最適化,および副反応を抑える技術開発が必要と考えられる.
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