日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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53 巻 , 12 号
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報文
  • 増田 俊哉, 山下 泰輝, 前川 智美, 曽根 良昭, 山口 英昌, 武田 美雄, 山名 俊彦
    53 巻 (2006) 12 号 p. 597-602
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    ステビアの抗酸化成分を同定するに当たり,ステビアをメタノール抽出し,その抽出物の溶媒分画のうち,特異的にDPPHラジカル消去活性の強かった酢酸エチル可溶画分から,3種の活性成分を単離・同定した.この単離物質は,すべて,脂質の酸化に対して十分な抗酸化性を有することが判明した.ステビアの抗酸化性はこれまでカリウム等の無機塩によるものとされてきたが2),今回の有機フェノール成分もステビア抗酸化性に十分に寄与している可能性が考えられた.
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  • 竹中 真紀子, 七山 和子, 小野 裕嗣, 仲島 日出男, 五十部 誠一郎
    53 巻 (2006) 12 号 p. 603-611
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    ヤーコンの主要なポリフェノール化合物であるクロロゲン酸(1),3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸(2),2,4-または3,5-ジ-O-カフェオイルアルトラル酸(3),2,5-ジ-O-カフェオイルアルトラル酸(4),2,3,5-または2,4,5-トリ-O-カフェオイルアルトラル酸(5),4-O-カフェオイル-2,7-アンヒドロ-D-glycero-β-D-galacto-オクト-2-ウロピラノソン酸(6),4,5-ジ-O-カフェオイル-2,7-アンヒドロ-D-glycero-β-D-galacto-オクト-2-ウロピラノソン酸(7)は高いDPPHラジカル消去活性を有していた.また,ヤーコンの茎葉部から新規化合物4,5-ジ-O-カフェオイル-2,7-アンヒドロ-D-glycero-β-D-galacto-オクト-2-ウロピラノソン酸(8)が見出された.これらの化合物の単位新鮮重あたりの含有量は,ヤーコンの茎においては生育初期に,葉,塊根および塊茎においては生育後期に最大となり,塊根の冷蔵保存中はほとんど変化しなかった.
    ヤーコンの葉および塊根の常圧下の乾燥処理において,40-60℃の低温域ではポリフェノール化合物の多くが保持され,ヤーコン葉乾燥物を熱水抽出するヤーコン茶においては,調製した飲料中にもポリフェノール化合物が高い割合で移行していた.また,ヤーコン葉乾燥粉末を用いたヤーコン麺の製造においては,ヤーコン葉を熱処理することにより酵素を失活させてから他の材料と混合することで,製品にポリフェノール化合物がより高く保持された.
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  • 大槻 誠, 梅下 和彦, 苔庵 泰志, 西井 孝文, 坂倉 元, 柳田 晃良, 古市 幸生
    53 巻 (2006) 12 号 p. 612-618
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    本研究において,我々は,現代の日本人の摂取脂質エネルギー量増加に伴う肥満に注目し,4種の食用キノコ(シイタケ,ヒラタケ,エリンギ,ハタケシメジ)について20%ラード・1%コレステロールという高脂肪食をラットに与え,脂質代謝改善作用について検討した.
    体重増加量と飼料摂取量は,対照群と比較して全ての群で有意な低値を示した.体重100g当たりの肝臓重量は,対照群と比べ,シイタケ群では差はなく,エリンギおよびハタケシメジ群で有意な低値を示し,ヒラタケ群ではさらに顕著な低値を示した.
    肝臓総脂質含量は,シイタケ群以外の3群で対照群より有意な低値を示した.肝臓TGは,対照群と比べてヒラタケ,エリンギおよびハタケシメジ群で有意な低値が認められた.一方,シイタケ群では有意な上昇が見られた.肝臓TCは,対照群と比べて,ヒラタケ群で有意な低値が認められた.肝臓PLは,5群間で有意な差は認められなかった.
    血清TG濃度は,5群間で有意な差は認められなかったが,血清TC濃度は,全ての群で対照群より有意な低値を示し,特に,シイタケ群の低下は顕著であった.
    以上の結果より,供試した3種(ヒラタケ,エリンギ,ハタケシメジ)の食用キノコには肝臓脂質蓄積抑制作用があることが明らかにされた.併せて,4種全てが血清TC低下作用を有することも示された.
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  • 法邑 雄司, 鈴木 忠直, 小阪 英樹, 堀田 博, 安井 明美
    53 巻 (2006) 12 号 p. 619-626
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    丹波黒の無機元素組成による産地判別モデルを構築し,丹波黒一粒による産地判別の可能性について検討を行った.
    国産,中国産計66点の丹波黒について,約100粒をマイクロ波試料分解装置により酸分解し,ICP-AES法及びICP-MS法により計24元素測定した.後進ステップワイズ法により選択した6元素(Ba, Ca, Mn, Nd, W, Ni)とKの濃度比により,全試料66点について国産,中国産を正しく分類する線形判別モデルを構築した.
    モデルの構築に用いた試料65点,及び新たに収集した試料32点の計97点からそれぞれ一粒ずつ取り出し,同様に各元素とKとの濃度比を求めた.6元素とKとの濃度比を,構築した判別モデルに代入したところ,約84%(97点中81点)が適中した.さらに,ICP-MS測定の15元素から選択した3元素(Cd, Cs, V)とKとの濃度比により線形判別モデルを構築し,一粒による産地判別について検討したところ,約94%(97点中91点)を適中し,判別精度の向上を図ることができた.
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  • 前田 剛希, 広瀬 直人, 屋 宏典, 高良 健作, 和田 浩二
    53 巻 (2006) 12 号 p. 627-633
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    ホソバワダンに含まれるポリフェノールの特徴を明らかにし,各成分のヒトLDLに対する抗酸化能とラットにおける血中動態について検討した.
    (1)ホソバワダンに含まれる5種類のポリフェノール類ではChAの含量が最も多かった(144.6mg/100g生鮮物).次いでLU-gluc, ChgA, LU-glc, CAの順で多かった.
    (2)ホソバワダンにはLDL抗酸化能が認められ,活性の強さは用量に依存した.ホソバワダンポリフェノールではLU-glc, LU-gluc, CAが茶カテキン類のECと同程度の強い活性,次いでChAがやや弱い活性を有することが明らかになった.含量を考慮すると,ホソバワダンに含まれるポリフェノールの中では,ChA, LU-glc, LU-glucがLDL抗酸化能に大きく影響しているものと考えられた.
    (3)HWEをラットに経口投与(ChA約200mg/Kg体重)すると,投与後15分の血漿にChA(2.9±1.6μg/mL plasma)が検出された.また,glucuronidase/sulfatase処理前後の血漿を比較した結果,血漿中でChAは抱合体としては存在しないことと,LU誘導体の代謝物と推察されるLU抱合体が存在することが確認された.
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  • 中村 澄子, 鈴木 啓太郎, 原口 和朋, 竹本 陽子, Juliano Bienvenido O., 大坪 研一
    53 巻 (2006) 12 号 p. 634-643
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    1)フィリピン産米主要14品種の品種判別を目的に,いもち病真性抵抗性遺伝子Pii, Pita-2, Pik-m, Piz由来の5個のマーカーを用いてPCRを行った結果,14品種中4品種を識別することが可能であった.また,これらのマーカーも加え,合計8個のマーカーによりフィリピン産米14品種の相互判別が全て可能になった.
    2)フィリピン産米のインド型米13品種において,DBE由来プライマー,SSSI由来プライマー,BE由来プライマー,アミロース含量に関連するプライマー,SSSII由来識別プライマーによるPCRの結果を説明変数にし,アミロース含量・ゲルコンシステンシーを目的変数として重回帰分析を行った結果,1%有意の相関(アミロース含量r=0.75,ゲルコンシステンシーr=0.84)が得られた.
    海外でのいもち病抵抗性の育種は,真性抵抗性遺伝子の種類や数の分析もなされていない状況にあると言われており32),開発した数種類のいもち病真性抵抗性遺伝子由来のマーカーが,育種分野におけるいもち病抵抗性系統の選抜にも有効に利用されることが期待される.
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技術論文
  • 松井 洋明, 溝田 泰達, 住 正宏, 池田 三知男, 岩附 慧二
    53 巻 (2006) 12 号 p. 644-650
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    一価の金属イオンを含むミネラルが牛乳の風味に与える影響を把握するため,RO膜処理乳およびNF膜処理乳より製造したUHT無脂肪乳の理化学的特性の検討を行い,さらに,専門パネルによる官能評価を行った.
    (1)NF膜処理乳は一価の金属イオンを含むミネラル含量および電気伝導度がRO膜処理乳に比較して減少したが,二価の金属イオンを含むミネラル含量および乳糖含量,蛋白質含量には差は認められなかった.
    (2)RO膜処理乳の割合が多いほど,濃厚感が強い無脂肪乳と評価され,逆に,NF膜処理乳が多くなるとさっぱり感が強い無脂肪乳と評価された.また,甘味は通常の牛乳では濃厚感と正の相関があるが,一価の金属イオンを含むミネラルが変動する場合は,塩味が少なく,さっぱり感があるほど甘味が強く感じられた.また,一価の金属イオンを含むミネラルは単に塩味としてだけでなく,ミルク臭,コク,濃厚感とも関連があると考えられた.
    (3)属性評価の主成分分析の結果,第一因子は濃厚感,さっぱり感を,第二因子は風味のくせを,第三因子は甘味の強さを示し,RO膜処理乳の割合が多い無脂肪乳ほど濃厚感が強く,NF膜処理乳が多いほどさっぱり感,甘味が強い無脂肪乳として位置付けられた.
    (4)おいしさの総合評価の結果,RO2NF1の無脂肪乳が最も好まれ,おいしさにはミネラル含量に関連した適度な塩味および濃厚感が重要であった.
    (5)味センサによる分析の結果,センサ応答値の主成分
    分析の結果と官能評価および理化学的特性との相関が高く,味センサで官能評価と同様に風味の客観的な評価が可能であると考えられた.
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研究ノート
  • 上中 登紀子, 森 孝夫, 薮野 裕次郎, 鷲見 桂一郎
    53 巻 (2006) 12 号 p. 651-654
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    牛レバー,ミノ,センマイ,シマ腸,鶏レバー,砂肝などの家畜内臓肉を安全に生食できるようにするため,高圧処理による殺菌効果を検討すると共に,処理前後の内臓肉の官能評価を行い,以下の結果を得た.
    (1)6種類の家畜内臓肉に,大腸菌,サルモネラ,黄色ブドウ球菌をそれぞれ101~107CFU/gの菌数を接種し高圧処理した結果,最も耐圧性の高い黄色ブドウ球菌でも400MPa・10分,6回の繰り返し処理により検出されなくなった.
    (2)細菌を接種していない場合の3種類の細菌は,300MPa・30分の高圧処理で検出されなくなった.
    (3)殺菌効果の面でのより安全を見込んで,牛レバー,センマイ,鶏レバー,砂肝を400MPa以上の高圧で処理し,処理前後の内臓肉について生食での官能評価(5%有意水準での有意差検定)を行った結果,400MPaの処理では色は悪くなったが,柔らかさ,美味しさには有意の差は認められなかった.500MPaの処理では色,柔らかさ,美味しさ共に明らかに悪くなった.
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  • 梅川 逸人, 中井 伸行, 吉田 沙織, 古市 幸生, 松永 正好
    53 巻 (2006) 12 号 p. 655-658
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    高血圧自然発症ラット(SHR)に,脱塩したたまり醤油粕を飼料中重量比で,10%,20%になるように投与し,SHRの血圧上昇に及ぼす影響について検討したところ,血圧上昇抑制作用が認められた.たまり醤油粕アルカリ抽出物からダイアイオンAMP 01およびトヨパールHW-50Fによるクロマトグラフィーを行うことにより,ACE阻害活性を有する画分(FIおよびFII)を調製した.これらの画分をSHRに対して経口単回投与を行ったところ,FIIに有意な血圧降下作用が認められた.
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解説
技術用語解説
  • 吉村 育生
    53 巻 (2006) 12 号 p. 665
    公開日: 2007/09/29
    ジャーナル フリー
    コエンザイムQ10 (以下CoQ10)は微量で体内の代謝に重要な働きをしている成分であり,この10は下付きが正しい記載である.細胞内エネルギー産生に関わる電子伝達系の補酵素作用を示すキノンの意味から命名された.体内でCoQ10はメバロン酸とp-ヒドロキシ安息香酸から生合成されるので,ビタミンでは無く,ビタミン様物質の範疇に属する.CoQ10にはユビキノン-10の別称もあり,自然界に広く存在するユビキタスなキノンの意味から命名されたが,ユビキタスに存在する理由は抗酸化作用と考えられている.
    末尾の10或いはCoQ10の下付きの10は,側鎖イソプレン単位の繰り返し個数を示し,自然界には2~12が存在しているが,人間は10を利用している.
    世界各国で研究されているが,初めて工業生産を行ったのは日本であり,日本では1974年から専ら医薬品として使用されて来た.日本から輸出したCoQ10は海外で食品として流通していた国もあったためか,2001年に至り日本でも医薬品的な効能効果を標榜しない限りにおいて食品としての使用も認められた.この際に,成分として認められたので製法は問わないとされ,また,食品としての販売実績があるものについて自主規格の設定が指導され,国内各社はこの指導に従った.
    体内のCoQ10は,生合成される量と食品から摂取する量の和と考えられている.各臓器でのCoQ10は加齢と共に減少する事が知られており,心臓・腎臓等では基礎代謝エネルギーの減り方より激しい.
    ユビキノンの名称の通り,植物や動物の各組織にも広く分布しており,ほとんどの食品に含まれているので,人間は毎日の食事からCoQ10を摂取している.通常の食事から摂取するCoQ10量はデンマーク人3~5mg/日,日本人8~9mg/日と云われるが,逆に,これ以上に大量に摂取しようとしても,余り適当な食品は無く,サプリメント等で摂取する方法が良いと思われる.CoQ10は,極めて脂溶性が高く,水には全く溶解せず,エタノールにも極めて溶け難い為に,通常は食事と一緒に摂取しないとその吸収性は良くない.例えば,サプリメント形態で90mgを摂取させた場合に吸収率は3%との報告があり,また,豚の心臓(CoQ10換算30mg相当),或いはサプリメント形態CoQ10 30mgを摂取させた場合の血中濃度上昇は同等との報告もある.更に,CoQ10を夕食時に2粒をまとめて飲むよりも,1粒ずつ朝食・夕食時に分けて飲む方が吸収は良いとの報告もある.
    CoQ10は脂溶性の為に,食品に添加する場合に添加出来る食品が限定されていたが,最近,CoQ10を水溶化したものが市販され,種々の食品に添加する事が可能となった.また,水に溶かして飲めるので,サプリメント形態が飲み難い人に好評である.特に,ダイエットの必要のある人や高齢者等が脂肪分の少ない食事を摂取している場合には,空腹時でも吸収性の良い水溶化CoQ10が好ましい.今後は水溶化CoQ10を添加した食品の需要が高まると想定される.ただし,CoQ10を食品等と混合した場合に,混合する成分によってはCoQ10が分解する場合もあるので,安定性も確認してから実用化する必要がある.
    CoQ10は生命にとって必須の成分で,マウスのCoQ10生合成遺伝子ノックアウト体は致死である.CoQ10不足は種々の疾患の原因と成り得ると云われ,CoQ10不足に由来する疾患には,CoQ10投与が効果を示す可能性が在るが,その詳細は以下の参考文献等を参照して欲しい.
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