日本食品科学工学会誌
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53 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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報文
  • 大久 長範, 大能 俊久, 熊谷 昌則
    53 巻 (2006) 2 号 p. 91-95
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    1)稲庭うどんのタンパク質含量と茹で麺の表面の硬さ(H1),全体の硬さ(H2)及びH2/H1の関係を調べた.H2/H1とタンパク質含量とは負相関になった(r=-0.61).
    2)同一企業でタンパク質含量(10.3%,9.6%)の異なる稲庭うどんの空隙を調べたところ,タンパク質含量が低い方が平均長径が大きくなった.
    3)各種の稲庭うどんの横断面の空隙率とH2/H1には空隙率が8%から10%に最大値があり,それを越えるとH2/H1が低下するという傾向があった.
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  • 西谷 偉, 布目 知広, 中井 雅之, 久松 眞
    53 巻 (2006) 2 号 p. 96-102
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    生地乾燥モデルとして生地-空気界面で吸着と脱着を伴う水の拡散モデルを提案し,モデルに基づいて各乾燥温度,各時間での生地水分を計算した.また,各乾燥温度および時間における生地重量を測定し,生地乾燥プロセスへのモデルの適用を実験的に確認するとともに,モデルを用いて生地内部の水の分布への乾燥の温度,生地の厚みの影響を検討した.以下,得られた事項を示す.
    1)本報で提案したモデルに基づいて計算した各温度,各時間での生地中の水の平均濃度は,生地の乾燥にて得られた各温度,各時間での生地重量の測定結果から算出した生地中の水の平均濃度とほぼ一致させることができた.
    2)生地の乾燥において,乾燥温度が高くなると,得られる生地の内部における水の濃度は,中心部分と表面部分との差が大きく,水の蒸発による体積膨張に起因する米菓の膨化では,均一でソフトな焼き上がりを得るために,低温乾燥が効果的と考えられた.
    3)厚みの薄い生地では,厚みの厚い生地と比較して,乾燥による生地内部の水の濃度分布が均一になりやすく,このことが,一回の連続乾燥(寝かせ工程不要)を可能にしているものと考えられた.
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  • 翁 武銀, Patricia Yuca Hamaguchi, 珠玖 裕介, 田中 宗彦
    53 巻 (2006) 2 号 p. 103-108
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    pH 2~4とpH 7~11において,スケトウダラすり身から可食性フィルムを調製することに成功した.これらフィルムの性状におよぼすpHの影響とフィルム形成メカニズムを検討し,次の結果を得た.
    (1) すり身タンパク質の等電点(pH 5.2~5.5)から離れるにしたがって,調製したフィルムは強度と透明性に富んでいた.
    (2) フィルムの引っ張り伸び率,水蒸気透過性および水に対する溶解性はpH による影響をほとんど受けなかった.
    (3) α-キモトリプシンによるタンパク質消化率が高いことから,すり身フィルムは可食性フィルムとして利用できることが示唆された.
    (4) 酸性側で調製したすり身フィルムではミオシン重鎖の分解が,アルカリ性側ではミオシン重鎖の多量化が観察され,フィルムの機械的性質との関連性が認められた.
    (5) 酸性側では疎水結合が,アルカリ性側では疎水結合の他にジスルフィド結合が,すり身フィルムの形成に主として関与していた.
    本研究で調製したすり身フィルムを実際に使用するにはその強度が不十分であるため,現在すり身フィルムの機械的性質の改善方法について検討している.
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  • 添田 孝彦, 笠置 高正, 外園 亜紀子, 山崎 勝利, 六車 三治男
    53 巻 (2006) 2 号 p. 109-113
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    畜肉ゲル物性におよぼすMTG, 食塩および重合リン酸塩の影響を破断試験とクリープ試験によって検討した.食塩および重合リン酸塩無添加の場合は,MTGを添加しても物性の変化はみられなかったが,食塩2%と重合リン酸塩0.3%をともに添加した場合はMTG量増加に伴いゲル強度,変形率,ηN,τの増加がみられた.また,重合リン酸塩0.3%添加畜肉ゲルにおける食塩の影響は,MTG無添加では食塩を増加してもゲル強度,変形量の変化はほとんどみられなかったが,MTG量増加に伴いゲル強度,変形量は増加し,かつ,食塩0.5%添加まではE0,ηN,τは増加し,それ以上の濃度で一定となった.食塩2%添加畜肉ゲルに及ぼす重合リン酸塩とMTGの影響を調べると,MTG無添加では重合リン酸塩量増加に伴い物性値は変化しなかったが,MTGを添加した場合は重合リン酸塩量増加に伴いゲル強度と変形率は増加し,E0の低下,ηNおよびτの増加を示した.ε-(γ-Glu)Lys結合量はMTG量増加に伴い増加し,特に低食塩濃度においてその増加が大きかった.
    以上,食塩が0.5%程度の低濃度でもMTGを添加すると通常の食塩濃度(2%)以上の硬くしなやかなゲルが得られ,MTG添加は食塩や重合リン酸塩の低減に伴う品質(ゲル物性)の低下を防ぐに効果があると結論した.
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  • 水上 裕造, 深山 大介, 澤井 祐典, 山口 優一
    53 巻 (2006) 2 号 p. 114-120
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    製茶品質に最も影響を及ぼす粗揉工程において,茶葉の複素インピーダンスの周波数軌跡から細胞内外の抵抗と細胞膜・壁の静電容量の変化を調べた.
    粗揉が始まると,細胞外抵抗は急減に減少した.これは茶葉が揉み手により加圧され,細胞内液が細胞外へ押出された結果であると考えられた.粗揉が進むと,細胞内および細胞外の抵抗は増加した.細胞外抵抗は細胞内液が細胞外へ押出される影響よりも蒸発による影響を受けた結果であり,また細胞内抵抗は茶葉全体の含水率が減少した結果であると考えられた.粗揉10分以降の細胞膜・壁の静電容量は茶温の影響よりも機械的な要因による影響の方が大きく,粗揉機の揉み手により加圧されることで組織の崩壊や劣化が進み,細胞膜・壁の静電容量は減少したことが考えられた.ただし,これらの原料生葉の影響を受けることが明らかであった.
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  • 伊藤 百合子, 荒川 奈津枝, 高村 あゆみ, 森光 康次郎, 久保田 紀久枝
    53 巻 (2006) 2 号 p. 121-129
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    1.スウィーティオパイナップルはレギュラーパイナップルに比べ豊かな香りが特徴であるが,香気成分量的にも顕著に多いことが確認された.また,上,中,下部の香気成分量に大きな違いがなく,最も少ない上部においても,レギュラーよりも香気成分量が多いことがわかった.
    2.フラネオール含量はいずれのパイナップルにおいても高い含有量を示すが,レギュラーでは,フラネオールの含有量が,突出しているのが特徴であるのに対し,スウィーティオでは,フラネオールの他に,3-(メチルチオ)プロパン酸メチル,メシフラン,ヘキサン酸メチル,4-ヘキサノライド,2-メチルブタン酸メチルおよびヘキサン酸エチルの含有量が高く,全体の成分組成のバランスが両パイナップル香気の違いに関与していると考察された.
    3.AEDA法およびodor unitによりスウィーティオパイナップルの香気寄与成分を抽出すると,量的な主成分であったフラノン類,含S化合物などに加えて短鎖のエステル類である2-メチルブタン酸メチルと2-メチルブタン酸エチルが重要成分として抽出された.
    4.2-メチルブタン酸メチルと2-メチルブタン酸エチルの立体配置について検討した結果,スウィーティオパイナップルでは,それぞれ97.4% eeおよび100.0% ee, レギュラーパイナップルでは99.0% eeおよび100.0% eeで(S)-体を主成分としていることを確認した.
    5.高いodor unitを示した2-メチルブタン酸メチルと2-メチルブタン酸エチルについて,ラセミ体を用いてであるがレギュラージュースへの添加実験を行い,官能評価を行った結果,この2種類のエステルを添加することにより,“広がりのある”,“さわやかな”および“果実様の”香りが強められ,スウィーティオパイナップルの香りに類似することが確認され,重要成分であることが分かった.
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  • 小笠原 康雄, 肥田野 豊, 加藤 陽治
    53 巻 (2006) 2 号 p. 130-136
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    アピオス塊茎及び花の炭水化物組成について調べた.塊茎及び花それぞれの乾燥粉末1gに含まれる単糖・オリゴ糖,澱粉,及び細胞壁多糖類の割合は,188mg : 479mg : 36mg及び192mg : 179mg : 131mgであった.
    単糖・オリゴ糖は,塊茎は86-90%がグルコースとスクロース,花はほとんどがグルコースとフルクトースであった.塊茎に含まれる三糖以上のオリゴ糖は14-10%で,豆科植物に見られるスタキオース,ラフィノース等のオリゴ糖の存在が確認された.また,澱粉粒の走査電子顕微鏡観察及び粒度分布を調べたところ,形状は楕円形で粒径5-15μm, 平均粒径は10.6μmであった.塊茎及び花の細胞壁を構成するペクチン,ヘミセルロース,セルロースの比率はそれぞれ,6 : 43 : 51及び7 : 36 : 57であった.メチル化分析の結果から,側鎖を有するラムノガラクツロナン,ガラクタン,アラビナン,キシラン,アラビノガラクタン,キシログルカン,セルロース等が主要多糖であることが示唆された.
    得られた結果をダイズ,アズキ,ジャガイモ,サツマイモの炭水化物組成と比較した.
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技術論文
  • 山澤 正勝, 大村 裕治, 佐藤 峰寅
    53 巻 (2006) 2 号 p. 137-142
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    生イカを原料としたさきいかの保存中の褐変の特徴を明らかにする目的で,保存温度および酸素含量と褐変の関係,さらには原料だるまの種類および製造工程が褐変に及ぼす影響について検討し,以下のような結果が得られた.
    1.さきいかの色調の評価は,測色色差計によるa*値,b*値で評価する方法が有効であった.
    2.さきいかの褐変は,温度の上昇と共に促進されるが,その色調の特徴は含気条件下では黄褐色となり,脱酸素条件下では赤褐色になることであった.
    3.脱酸素条件下において生じた赤色度の強い褐変は,含気包装に移すと抑制された.
    4.さきいかモデルの褐変は,スルメイカ,アカイカおよびニュージーランドスルメイカに共通の現象であったが,褐変の強さは原料だるまの種類によって異なった.
    5.製造工程とさきいかモデルの褐変との関係から,生肉から調製したさきいかモデルは,煮熟工程あるいは煮熟-乾燥工程を経たモデル製品に比べて著しく褐変した.このことは,前報8)9)で推測したように,さきいか褐変の主たる原因成分はリボースであり,生イカ試料の場合は保存中にATPの分解がさらに進行してリボースが蓄積すること,煮熟試料ではATP分解に関与する酵素系は加熱によって不活性化されるためと推察された.
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  • 深井 洋一, 大熊 桂樹, 鷲尾 勝雄, 北川 和弘, 芳澤 豊久, 宮西 秀貴
    53 巻 (2006) 2 号 p. 143-150
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    稲穂の開花状況に関して米粒の大きさを調査し,粒径別に1.85mmから2.2mmまでの選別粒について,粒径別の品質特性について,その食味と理化学的特性に関する検証を行なった.
    (1)稲穂開花状況について調査したところ,開花には8日間を要し,開花の順番は,稲の穂先から始まり,下方内部ほど遅くなる傾向が認められた.開花別粒重量は,開花が早いほど平均重量は大きいことが確認された.開花別粒径は開花が早い時は粒径が大きく,開花が遅くなると粒径が小さくなる傾向が認められた.
    (2)米粒選別比を調べたところ,2.0mm~2.1mm未満の構成比率が高く約半分を占めていた.
    (3)粒径別に品質特性を調査したところ,玄米品質では,大粒ほど千粒重,白度,スコア値およびアミロース含量が高く,タンパク質含量が低かった.炊飯品質では,大粒ほど食味値,外観値,粘りおよびバランス度の4項目が向上した.粘度は,大粒ほど糊化温度が低く,最高粘度,最低粘度,ブレークダウン,最終粘度およびセットバック値が高い傾向であった.遊離アミノ酸含量および遊離糖含量も大粒ほど高かった.におい識別では粒径が小さい方が正,大きい方が負の傾向を示し,1.9mm未満の正が最も大きかった.電子顕微鏡観察では,粒径が大きいと胚乳細胞群の求心的配列やデンプンの遠心的な広がりが認められるのに対して,粒径の小さい未熟粒ではデンプン粒が発達せず配列が不規則であった.
    (4)官能検査では,2.0mm以上と1.85mm以上を比較したところ,香り除く,総合,外観,味および粘りの4項目で2.0mm未満の小粒を除いた2.0mm以上が優位にあることが示された.
    (5)主成分分析の結果,第一主成分を基準とすることで,粒径別の理化学測定値における正の因子と負の因子,粒径別の散布傾向を明らかにした.
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  • 岩根 敦子, 別所 英男
    53 巻 (2006) 2 号 p. 151-157
    公開日: 2007/03/07
    ジャーナル フリー
    わい性台木使用‘さんさ’5樹の樹冠の内側・外側果実について簡易積算日射量を推定し,日照環境と無機成分の変動を検討した.
    樹冠の内側・外側果実による無機成分の有意差は認められなかったが,日射量の少ない内側果実の灰分・無機成分が多かった.日射量と個体重量・糖度は有意な正相関を示し,無機成分は個体重量・糖度とは負の相関を示していることから,内側果実の方が高い無機成分値が認められると推測された.
    東西方位と無機成分の関係については,灰分で有意差が認められたが,各無機成分では認められなかった.わい性樹は,日射量が平均的に分散されやすい環境にあることが影響していると考えられた.
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