日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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53 巻 , 4 号
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報文
  • 福田 滿, 杉原 好枝, 伊藤 みどり, 堀内 理恵, 浅尾 弘明
    53 巻 (2006) 4 号 p. 195-199
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    乾燥オカラが付加価値の高い機能性食品素材であることを明らかにするために,オカラの脂質代謝改善効果を調べた.高コレステロール食摂取ラットにオカラを投与したところ,血中コレステロール値の上昇に対する抑制効果,肝臓中性脂肪蓄積抑制効果が認められたが,血中中性脂肪濃度の低下作用はなく,肝臓コレステロール濃度は低下の傾向を示した.血中コレステロール濃度低下に要する期間は4週間であった.以上の結果から,オカラ成分は緩慢ではあるが,血中コレステロール上昇抑制,肝臓脂質蓄積抑制という脂質代謝改善作用を示すことが確認された.
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  • 松井 利郎, 雪吉 晃子, 土井 志真, 石川 洋哉, 松本 清
    53 巻 (2006) 4 号 p. 200-206
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    エタノールを用いたRJエキス調製時に不溶性沈殿物として派生し,廃棄されているエタノール不溶性画分(エタノール不溶性RJ)の高機能化を目指し,以下の知見を得た.
    (1)エタノール不溶性RJをorientase ONSを用いて加水分解処理することにより,水溶性ペプチド素材を82%の高収率で得ることが可能となった.
    (2)0.4wt%の酵素添加量,2時間,50℃の反応によってACEに対して阻害作用を有する素材を調製し得た.
    (3)8種類のACE阻害ペプチドの同定とSHRに対する血圧低下作用を明らかにし,未利用資源であったエタノール不溶性RJが機能性食品素材として新たに展開可能なことを示した.
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  • 奥野 成倫, 田原 秀隆, 浮田 和貴, 森山 和之, 平井 伸博, 吉元 誠
    53 巻 (2006) 4 号 p. 207-213
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    サツマイモ焼酎廃液から植物生長阻害物質としてカフェ酸エチルを単離同定した.本化合物の植物生長阻害活性をシャーレ試験によって調べた.本化合物は0.62mM以上でレタス幼根伸長を有意に阻害し,また,阻害活性はカフェ酸より強かった.本化合物は雑草種子を用いた試験では,メヒシバの発芽を阻害しなかったが,ホソアオゲイトウの発芽を0.62mMで29%,1mMで48%それぞれ阻害した.また,ホソアオゲイトウの幼根伸長を0.62mMで79%,1mMで85%それぞれ阻害し,これはメヒシバに対する阻害効果よりも強かった.廃液ろ液の分析の結果,同化合物を含めて6種類のカフェ酸誘導体を同定した.カフェ酸エチルは焼酎原料のサツマイモ品種コガネセンガンの塊根には検出されなかったが,蒸留前のもろみ中には13.7mg/L, また廃液ろ液には8.3mg/L含有されていた.
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技術論文
  • 福井 敬一, 松ヶ野 一郷, 杉田 浩一, 寺原 典彦, 松井 利郎, 松本 清
    53 巻 (2006) 4 号 p. 214-217
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    工業用の合成吸着樹脂HP20とオープンカラムを用いて純度の高い6-O-Caffeoylsophorose(CS)の精製方法を検討した.紫かんしょ色素(PSP)を弱酸性加熱分解して調製したCS混液からカラムクロマトグラフィーでCSを分離・精製すると,PSP由来のクロロゲン酸等がCSと同時に溶出し,純度を上げることは困難であった.従って,PSPからクロロゲン酸を除去する方法,及びその色素を用いて高純度のCSを調製する方法を検討した.
    (1)カラムに吸着させたPSPを15%エタノールで展開すると,アントシアニン類は樹脂に吸着されたままでクロロゲン酸等が溶出され,クロロゲン酸を含まないPSP(CF-PSP)が66%の収率で得られた.
    (2)CF-PSPを弱酸性加熱分解してCS混液を調製し,これをダイヤイオンHP20樹脂カラムに吸着させ,15%エタノールで展開すると,不純物の少ないCSが12%の収率で得られた.分取HPLC法によって調製したCS画分を100%標準として,得られたCSの純度は約80%であった.
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  • 立山 千草, 五十嵐 喜治
    53 巻 (2006) 4 号 p. 218-224
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    ナス果菜外果皮の色が異なる4種のナス果菜において,外果皮,果肉,花弁部位を3%トリフルオロ酢酸で抽出して得られる粗抽出液およびそのSep-Pak Plus C18カートリッジ吸着画分からメタノールで溶出して得られる画分(粗精製抽出液)についてアントシアニン色素およびクロロゲン酸含量の測定を行った.また,DPPHラジカル消去活性を測定し,それら含量と消去活性との関連性について推察した.
    (1)緑ナスおよび白ナス外果皮の試料からはアントシアニン色素が検出されなかった.これらの花弁には,ナスニンが主要アントシアニン色素として含まれていた.米ナス外果皮の主要アントシアニンはデルフィニジン3-O-ルチノシドと同定された.また,新たにデルフィニジン3-O-ルチノシド-5-O-グルコシドも含まれることが明らかとなった.
    (2)各種ナス果菜外果皮および花弁粗抽出液,粗精製抽出液はいずれも,DPPHラジカル消去活性を示した.各ナスのDPPHラジカル消去活性は,クロロゲン酸含量と高い相関を示し(相関係数r=0.762),クロロゲン酸がこれらナスのラジカル消去活性と強く関わっていることが推察された.
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研究ノート
  • 石崎 太一, 黒田 素央, 杉田 正明
    53 巻 (2006) 4 号 p. 225-228
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    プラセボ食群を対照とした,シングルブラインドの2群並行試験により,中高年の気分・感情状態に対する鰹だし継続摂取の影響について調査を行った.全被験者を対象とした解析の結果,鰹だし摂取により「眼の疲れ」,POMSの「抑うつ-落込み」得点が有意に低下(改善)することが示された.疲労感を自覚している被験者を対象とした解析の結果,気分アンケートの「疲労感」,「集中力」の項目において,鰹だし群は摂取時に有意に低下(改善)した.また,POMSについて,鰹だし群は「緊張-不安」において有意に低下し,また,TMD(総合感情障害指標)変化量において鰹だし群はプラセボ群よりも有意に低値を示した.すなわち,鰹だし群はプラセボ群と比較して有意にTMDが改善することが示唆された.これらの結果から,味噌汁形態で鰹だしを摂取した時に,気分・感情状態が改善する可能性が示唆された.
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  • 八巻 幸二, 森 隆
    53 巻 (2006) 4 号 p. 229-231
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    血糖値の気になる人に対する食品の成分として,αグルコシダーゼの抑制活性が有効と考えられる.この活性を持つ食品の探索において,有色試料の測定に汎用できる,簡便な測定法を開発した.吸光度直線の傾きをその活性の指標として96穴マイクロプレート用いた簡便な測定法を考案し,お茶等の飲料のαグルコシダーゼの抑制活性の測定に応用した.その結果,用いた試料の内で,桑茶は最も強力な抑制活性を示し,次にグワバ茶,市販の緑茶に関しては多少の抑制活性が期待されるがそれほど高いものは確認されなかった.コーヒーに関してほとんど抑制活性はないと考えられた.桑茶試料を用いて,実験内外の誤差を求めた結果,非常にその値は小さく,信頼できるものと考えられ,抑制活性のないコーヒー試料を用いボグリボースの添加実験を行った結果良好な直線関係が求められ,十分に測定に耐えられるものと考えられた.この方法は有色の飲料等に応用可能な簡便で迅速なαグルコシダーゼの抑制活性の測定に有効であると思われる.
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  • 菅原 哲也, 野内 義之, 五十嵐 喜治
    53 巻 (2006) 4 号 p. 232-235
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    (1)‘ジェネバ’果汁は酸味,渋みに特徴があり,他のリンゴ果汁と比較し,糖度が低く,有機酸(リンゴ酸,クエン酸),カリウム,総ポリフェノール含有量が高かった.
    (2)‘ジェネバ’果汁に含まれるポリフェノール成分(低分子成分)のうち,主要な8成分を推定し,このうち6成分を同定・定量した.リンゴ果汁中に最も多く含まれる成分はクロロゲン酸であり,続いてプロシアニジンB2,(-)エピカテキンの順であった.リンゴ赤色素成分であるシアニジン3-ガラクトシドも,‘ジェネバ’果汁の含有量が最も高かった.
    (3)リンゴ果汁のDPPHラジカル消去活性は,総ポリフェノール含有量が最も高い‘ジェネバ’の活性が最も強く,ポリフェノール含有量の低い果汁ほどラジカル消去能も弱くなる傾向がみられた.
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技術用語解説
  • 鷹羽 武史
    53 巻 (2006) 4 号 p. 236
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    アミロースはデンプンの構成成分であり,最も良く知られた食品用多糖といえる.しかしながら,デンプンからアミロースを精製することは困難であるため,純粋なアミロースの量産は行われておらず,食品への利用研究も充分ではない.近年,酵素を利用したアミロースの量産技術が開発され,純粋なアミロースの利用が可能となりつつある.天然アミロースとの違いを明確にするため,このように酵素反応により合成されたアミロースを酵素合成アミロースという.
    植物が蓄積するデンプンは,アミロース及びアミロペクチンと呼ばれる2種の多糖の混合物である.アミロースはグルコースがα-1,4結合で多数結合した直鎖状多糖であり,アミロペクチンは重合度15程度の短いアミロースがα-1,6結合を介して多数結合した分岐状多糖である.とうもろこし,馬鈴薯,米,小麦などのデンプンは通常20%程度のアミロースと80%程度のアミロペクチンを含んでいる.デンプンからアミロースを分離する方法として,有機溶媒によるアミロースの選択的沈殿法がある.しかしこの方法では,アミロースとアミロペクチンの完全な分離は困難であり,製造コストも高く,現実的な方法ではない.さらにデンプンから精製した天然アミロースは,完全な直鎖状多糖ではなくα-1,6結合によるわずかな分岐を含み,かつ天然物であるがゆえに分子量分布も広い.
    一方,デンプンからアミロースを分離する製造方法ではなく,酵素を用いてグルコースを順次結合させ,アミロースを合成することも可能である1).中でも砂糖に,スクロースホスホリラーゼ(EC 2.4.1.7)とグルカンホスホリラーゼ(EC 2.4.1.1)を作用させる方法2)3) (SP-GP法)は,高純度なアミロースを比較的安価に酵素合成する手段として有望である.実際にSP-GP法により製造した酵素合成アミロースの分析結果を図1に示した.SP-GP法では,全く分岐を含まない直鎖状アミロースが,非常に狭い分子量分布で製造されていることがわかる.さらに合成されるアミロースの分子量は反応条件により厳密に制御することが可能である.反応終了時には原料である砂糖に含まれるグルコースの約80%が酵素合成アミロースに変換されており,量的にも質的にも良好な結果が得られている3)
    酵素合成アミロースは,デンプン中の天然アミロースと基本的に同じ物質であり,消化管,生体組織,自然環境のいずれにおいても極めて優れた分解性を示す安全な素材である.さらに,包接化合物形成能力,ゲル形成能力,フィルム形成能力などの特徴を有する高機能材料であり,さまざまな産業分野での利用が考えられる3).その中でも特に食品分野には大きな期待が持てる.酵素合成アミロースの包接機能は,不安定な食品材料の安定化,フレーバーの揮発防止,臭いのマスキング,などの目的での利用が考えられる.加えて,酵素合成アミロースは,食品のテクスチャーや物性にも大きな影響を与えると考えられる.
    アミロースが食品のテクスチャーに与える影響は米を例にとって説明できる.もち米,うるち米(炊飯米),インディカ米は,それぞれ特徴あるテクスチャーを示すが,これら3種の米の成分上の最も大きな違いは,アミロースの含有量であると考えられている.もち米はアミロースを含んでいないが,うるち米は20%程度,そしてインディカ米はさらに多くのアミロースを含んでいる.酵素合成アミロースの重合度と含有量を変化させることにより,新たな物性やテクスチャーを有する食品の開発が期待される.
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