日本食品科学工学会誌
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53 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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総説
報文
  • 早川 文代, 井奥 加奈, 阿久澤 さゆり, 米田 千恵, 風見 由香利, 西成 勝好, 馬場 康維, 神山 かおる
    53 巻 (2006) 6 号 p. 327-336
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    日本語テクスチャー用語445語について,消費者を対象とした質問紙による調査を行い,以下の知見を得た.
    1)認知度が0.75以上の用語を消費者の語彙とし,135語を得た.そのうち,認知度0.90以上のテクスチャー語彙の中核となる用語は66語あった.
    2)“crisp”,“crunchy”,“juicy”,“soft”,“creamy”に相当する用語は,異種の言語間で共通して消費者パネルによく使用されるテクスチャー表現であることが推察された.
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  • 道畠 俊英, 加藤 大亮, 矢野 俊博, 榎本 俊樹
    53 巻 (2006) 6 号 p. 337-343
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    市販のイカイシルおよびイワシイシルのポリアミン類について分析を行い,更にイカおよびイワシイシルの試醸を行い,その生成過程におけるポリアミン類の消長について検討し,その結果を以下に示す.
    (1)市販のイカイシルでは,Spd, Himが共通した主なポリアミンであり,Tym, Putが多いもの,Agmが多いものなど製品間にかなりのばらつきがみられた.
    (2)市販のイワシイシルでは,Himが最も多く含まれており,この他Tym, Spdなどが主なポリアミンであり,イカイシルに比べ製品間のばらつきは少なかった.
    (3)試醸したイカイシルではCad, Agm, Spdが初期段階で多く含まれており,これらはいずれも8ケ月間前後まで経時的に減少し,その後はほぼ一定となった.その他のものは,経時的な変動はほとんど無く,試醸期間を通してほぼ一定の値を示した.
    (4)試醸したイワシイシルでは,Himが6ケ月までわずかに増加するものの,いずれのポリアミンも経時的な変動はみられず,試醸期間を通してほぼ一定の値を示した.
    以上のことから,イシル中のポリアミンは,いくつかの微生物の関与があるものの,他の水産加工品でみられるHim生成菌の関与はほとんど無く,原料に含まれる量にその大部分が依存しているものと考えられた.
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  • 小阪 英樹, 畠中 知子, 鈴木 武志, 杉本 敏男, 曳野 亥三夫, 鈴木 忠直, 戸田 登志也
    53 巻 (2006) 6 号 p. 344-353
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    極大粒黒大豆「丹波黒」種子の無機元素組成による産地判別の可能性について検討した.
    日本産丹波黒18点,丹波黒として流通している中国産黒大豆10点でICP-AES分析を行い,Al, Mn, Fe, Ni, Cu, Zn, Sr, Baの8元素を測定した結果,Al, Fe, Cu, Srの4元素で日本産と中国産の濃度に有意差が認められ,産地による無機元素組成の相違がみられた.得られた結果をもとに主成分分析を行ったところ,日本産と中国産は2群に大別され,産地の差が無機元素組成に影響を及ぼしていることが示唆された.
    これら28点の結果から2群線形判別関数を求め,別の試料20点でその予測的中率を評価した.全8元素では予測的中率100%,4元素(Al, Mn, Sr, Ba)では95%と,高い精度で日本産と中国産の判別が可能であることが明らかになった.また判別分析のステップワイズ法で選択されたAl, Feの2元素だけでも予測的中率90%と比較的高い精度で判別できた.このAl, Feの2元素での2群線形判別では中国産が日本産と誤判別された例がなかったため,多元素同時定量装置がない場合などにスクリーニング法として応用可能であることが示唆された.他品種黒大豆への適用の予備的検討では,全8元素,4元素での線形判別分析は予測的中率100%であったのに比べ,Al, Feの2元素線形判別分析は予測的中率が50%と低かったため,他品種黒大豆へ適用する場合は4元素以上の測定が必要であると考えられた.
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  • 河上 智子, 大橋 きょう子, 島田 淳子
    53 巻 (2006) 6 号 p. 354-360
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    DAGを油相とした場合の卵黄の乳化性について,卵黄濃度,pH, 塩化ナトリウム添加の影響を調べた.界面張力,エマルションの平均粒子径,エマルションの流動特性,および乳化容量について測定を行い,それぞれの結果についてTAGと比較し,以下の結論を得た.
    1)TAG-pH 6卵黄分散液間の界面張力は,卵黄0.1%で低下するが,DAGのそれは,1%で低下し,全ての卵黄濃度においてTAGより高い界面張力を示した.
    2)DAG の界面張力に及ぼすpHの影響は,TAGのそれに対するよりも小さい傾向にあった.
    3)エマルションの平均粒子径にはpHによる差が見られなかったが,pH 6で調製したDAGエマルションは他のpHおよびTAGで調製したエマルションとは異なる流動特性を示した.すなわち,高いずり応力を持ち,構造破壊が起こりやすく,回復に時間のかかる性質を示した.
    4)乳化容量についてもpH 6において最も高かったが,DAGはTAGの約1/2であった.
    5)塩化ナトリウム0.5Mの添加によってDAGの界面張力はやや低下した.
    6)塩化ナトリウム0.5Mの添加によって乳化容量は増加し,特にDAGでは無添加の約2倍となった.
    DAGは,TAGの1/2程度の界面張力を有し,乳化剤なしでW/Oエマルションを形成する7).この性質は,DAGを油相とするO/Wエマルション形成には不利に働くと考えられる.本研究における結果は,DAGを用いたO/W乳化における界面特性および乳化性における基礎データを示したものであり,DAGは乳化安定化するのにはかなりの工夫が必要であることが明らかになった.
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技術用語解説
  • 常石 英作
    53 巻 (2006) 6 号 p. 361
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    カルニチンは必須アミノ酸であるリジンとメチオニンから主に肝臓と腎臓で生合成され,その大部分(98%)が骨格筋と心筋に存在している.脂肪燃焼(β酸化)は細胞内のミトコンドリアで行われるが,長鎖脂肪酸がミトコンドリア内膜を通過するためには,カルニチンとの結合でアシルカルニチンの状態になることが不可欠である.したがって,カルニチン濃度が脂肪酸燃焼の律速要素となっている.
    カルニチンの体脂肪抑制効果に関する報告によると,運動条件下のラットに対してカルニチンを投与した場合,無投与よりも多く飼料摂取したにもかかわらず,蓄積脂肪量は少なかった.適度な運動とカルニチンの摂取が体脂肪を抑制するものと思われる.カルニチンは2002年の食薬区分の変更により,食品としての利用が可能となり,サプリメントとして注目を集めている.
    カルニチンの食品中含有量調査によると,植物にはほとんど含まれておらず,畜肉類に多い.特に牛,山羊,羊,鹿,馬,ダチョウなどの肉に多く,カルニチンが多い畜肉の第1条件は草食動物由来である.図1に各種畜肉中のカルニチン含量を示したが,牛肉については月齢による違いが見られ,8歳(95カ月齢)の経産肥育牛で高い値を示した.図2に示すとおり,カルニチン含量は加齢による増加が認められ,カルニチンの第2条件は「幼畜よりも成畜」からの肉と考えられる.ヒトにおいて老化に伴う体内カルニチン含量の減少が知られている.牛のカルニチン含量については,10歳(120カ月齢)程度がピークのようである.カルニチン含量は基礎体力を反映しているのであろう.
    通常「国産牛肉」と表示される乳雄牛と「和牛肉」となる黒毛和牛,それぞれの一般的な出荷月齢は,20カ月と27カ月程度である.牛の永久歯は18-24カ月齢で生え始め,42-48カ月齢で揃うことから,乳雄牛や和牛は体重が700kg以上あるものの,生理学的に若齢であり成牛とは言えない.近年の羊肉ジンギスカンブームは,草食動物である羊の肉にカルニチンが多く含まれることがきっかけであった.特に成畜由来の羊肉「マトン」で含有量が高く,消費者にアピールし易かったものと考えられる.牛肉中カルニチン含量も成牛由来であればマトンと同様に極めて高い値を示すものの,若齢牛肉と区別が出来なかった.牛肉中のカルニチンを評価するためには,成牛肉という意味でマチュアビーフ(mature beef)などの名称が必要であろう.
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  • 常石 英作
    53 巻 (2006) 6 号 p. 362
    公開日: 2007/06/15
    ジャーナル フリー
    カルノシンはβアラニンとヒスチジンのジペプチドでβアラニル・ヒスチジン,アンセリンはヒスチジン部分がメチル化されβアラニル・1メチルヒスチジンとなったものである.筋肉中に高濃度に存在するが,図1に示す通り牛肉や豚肉では主にカルノシンが,鶏肉ではカルノシンも含まれているが,アンセリンが多い.ちなみに魚ではアンセリン,ウミヘビや鯨ではバレニン(βアラニル-3メチルヒスチジン)が多い.これらは,ヒスチジンの構成要素であるイミダゾールから,イミダゾールペプチドと呼ばれ,内因性抗酸化物質としての役割を果たしている.
    カルノシンを摂取したラットでは,筋肉中含量が上昇し,筋肉脂質の過酸化や蛋白の酸化が抑制される.これは生理的状況下におけるカルノシンの生体内での抗酸化性を示している.また,カルノシンは脂質酸化で生成される細胞毒素(不飽和アルデヒド)を消去する.カルノシンの抗酸化力は,グルタチオンやチオクト酸と比較すると劣るものの,筋肉中の含量が非常に多いため,生体内脂質酸化物の消去に重要な役割を果たしていると考えられている.
    生体内で発生する活性酸素には,呼吸によるエネルギー代謝の過程で生成する水酸化ラジカル,侵入異物の分解のための窒素系ラジカル,白血球による殺菌作用で生じる塩素系ラジカルがある.植物性食品のポリフェノールやビタミンEは水酸化ラジカルに,ビタミンCは窒素系ラジカルに,アンセリンやカルノシンは塩素系ラジカルに対して抑制作用を示す.カルノシンは1.0%で肉製品の褐色化を抑制し,銅イオンによるアスコルビン酸の酸化を阻害する.アスコルビン酸とともにカルノシンを肉製品に添加して用いると,品質保持や色調安定に効果的である.
    アンセリンやカルノシンにおける生体pHの緩衝能も知られている.過大な負荷のかかる運動を行った場合,筋肉中に乳酸が蓄積して酸-塩基バランスが酸性側に傾く傾向を示す.この乱れを防止し,運動の持続や疲労感の軽減に役立つ.アンセリンやカルノシンを豊富に含むチキンエキスをマウスに6日間経口投与したところ,遊泳持久力が有意に向上したという報告がある.緩衝能の向上に起因する効果であると考えられている.
    牛筋肉の筋線維タイプとの関連では,乳酸の蓄積しやすい解糖型筋線維数の多い筋肉部位でカルノシン含量が高い傾向があり,各筋肉部位の含量は図2の通りである.しかし,アンセリンについては筋線維型との関係は認められない.
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