日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
検索
OR
閲覧
検索
54 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
報文
  • 志堂寺 和則, 都甲 潔
    54 巻 (2007) 1 号 p. 1-8
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    食品の見た目のおいしさについて検討するために,ケーキの写真を見た際に生じる印象について,SD法によるアンケート調査を実施した.その結果,3ないしは4因子を抽出することができた.この結果を参考に,4種類の初期モデルを構築し,共分散構造分析を実施した.モデルを修正しながら,ケーキ写真毎にアンケート調査データと適合性を検討した.最も適合すると考えられたモデルは以下のものであった.
    ケーキ写真から色彩に関する印象と形態に関する印象が生じる.両者には相互に因果関係があり,両者からケーキ写真についての全体印象が生じる.見る人の甘味に関する嗜好は色彩に関する印象に影響を及ぼす.また,甘味に関する嗜好とケーキ写真についての全体印象から,ケーキ写真についての評価が定まり,見た目のおいしさが決定される.
    抄録全体を表示
  • 小泉 幸道, 並木 和子, 川合 三恵子, 西堀 すき江, 並木 満夫
    54 巻 (2007) 1 号 p. 9-17
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    各種ゴマ種子および脱脂粉末に,各種微生物を培養したものについて,抗血栓効果を調べるため,試料の50%エタノール抽出物について,ヒト血液を用いた血流改善,血小板凝集抑制,活性酸素消去の各試験を行った.
    (1)中米産ゴマ脱脂ゴマ粉末(セサミフラワー)は殆ど効果を示さないが,これにAsp. niger(NRIC 1222株)を7日間以上培養したものは,いずれの試験においても強い効果を示した.Asp. awamoriAsp. oryzaeの場合は弱い効果がみられたが,B. nattoでは殆ど効果がみられなかった.
    (2)各試料の抽出物のリグナン含量の変化を調べた結果,このセサミフラワーには,セサミン,セサモリンは含有されているが,遊離セサミノールは全くない.Asp. nigerを培養した場合,セサミン,セサモリンは殆ど変化しないが,著量の遊離セサミノールが生成し,Asp. awamori, Asp. oryzaeの場合にもセサミノールは生成するが,比較的少なかった.
    (3)原料のフラワーを完全脱脂した試料に,Asp. niger培養,および加水分解酵素処理したものは,いずれの場合にも強い血液機能改善効果がみられ,セサミノールが著量に存在していた.またその脱脂フラワーを70%アルコールで抽出し,配糖体を除去後にAsp. nigerを培養した物では,改善効果はみられなかった.
    (4)タイ産黒ゴマ,パラグアイ産白ゴマ,高リグナンゴマのいずれの試料において,血流改善効果は種子において僅かにみられただけであったが,Asp. nigerの培養で増大した.発芽による影響はあまり見られなかった.血小板凝集抑制効果は種子でみられ,培養,発芽処理により効果はあまり変わらなかった.これらゴマ種子の場合,セサミン,セサモリンは高濃度に存在するが,セサミノールは遊離のものはなく,配糖体も殆どないと推定された.ただ発芽後微生物培養したものに少量の生成がみられた.
    (5)Asp. nigerまたは複数の酵素作用により発現する血流改善効果などの抗血栓機能には,それらの処理により,配糖体から生成したセサミノールが主に関与することを強く示唆するものである.
    (6)標品のセサミン,セサミノール,セサモールについて同様な血液試験をした結果,セサミノールにはいずれも有効で,とくに血流改善効果では非常に強い効果がみられた.セサミンは血小板凝集阻害のみに効果が見られ,セサモールには,いずれも弱い効果がみられるだけであった.
    (7)Asp. niger培養で著量(3~5%)に生成するクエン酸は,このような高濃度においては,培養抽出物の血栓予防効果に多少寄与しているものと思われた.
    (8)本研究により,セサミノール配糖体を多く含むゴマ試料に,その配糖体を有効に遊離セサミノールにする作用を持つ微生物の培養は,酵素作用を用いて加工することにより,強い抗血栓効果を持つ新しい機能性食品素材を作成する可能性が示された.
    抄録全体を表示
  • 飯田 文子, 千田 麻美子, 葛西 真知子, 坂ノ下 典正, 桜井 孝治, 上脇 達也
    54 巻 (2007) 1 号 p. 18-25
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    (1)破断および動的粘弾性測定では,体温付近の性状の変化がチョコレートの品質において重要であることがわかった.
    (2)油脂含量の異なるチョコレートの官能評価では,学生パネルは,ココアバターの多い口どけがよくまったりした,カカオマスの風味が薄い試料4を好み,訓練パネルは試料の良い面,悪い面を多角的に捉え,総合して試料2を選んだ.
    (3)油脂組成を変化させた試料は学生パネル訓練パネルともに中間の試料Bを好んだが,次に高く評価した試料は異なった.
    (4)主成分分析の結果および総合評価に寄与する重回帰分析の結果から,学生パネルはテクスチャーなど単純な評価の構造が明らかになり,一方訓練パネルは,多角的に評価している構造が明らかになった.
    (5)本研究の結果から,油脂含量35-40%(カカオ分55-60%)でココアバター代用脂とシャープメルト脂半々の試料がおいしいビターチョコレートとされた.
    抄録全体を表示
  • 中川 良二, 能登 裕子, 八十川 大輔, 釜谷 豊和
    54 巻 (2007) 1 号 p. 26-32
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    細菌数の最も多い八分乾ミガキニシンにおける製造工程中の細菌数および主要細菌種の変化,さらにアミノ酸や有機酸量の変化について調べ,ミガキニシン製造における細菌の関与について検討した.
    製造工程中の細菌数は乾燥工程で増加し,最終日の4日乾燥後には1.3×108cfu/gに達した.各工程における主要細菌を調べたところ,乾燥工程ではこれまでの工程では殆ど検出されなかったStaphylococcusが急速に増加し,乾燥の最終日である4日乾燥後では70%(21/30)の割合で検出された.それらは全てがS. saprophticusの近縁種であろうと推定され,これらの細菌がミガキニシンの腐敗抑制に関与している可能性が推察された.また,ミガキニシン乾燥工程中のアミノ酸および有機酸の生成量を調べたところ,際だった変化はみられなかった.
    抄録全体を表示
技術論文
  • 寺原 典彦, 沖 智之, 松井 利郎, 福井 敬一, 杉田 浩一, 松本 清, 須田 郁夫
    54 巻 (2007) 1 号 p. 33-38
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    紫甘しょやその加工食品に含まれる真のAN含量を決定するため,HPLCによる一斉定量法の確立を検討した.酸性化溶媒にギ酸を選択し,種々のHPLC分析条件を検討した結果,品種「アヤムラサキ」塊根中に含まれる主要な8種(YGM-1a, -1b, -2, -3, -4b, -5a, -5b, -6)のANピークが良好に分離する条件を設定できた.本条件下では1回の分析に要する時間は40分であり,これまでに比べて分析時間が短縮された.基準色素YGM-6のHPLC分析では,10-6~10-3Mの濃度範囲でピーク面積との間に相関係数が1.000と良好な直線性が得られ,検出限界は11ng以下であった.また,基準であるYGM-6と各YGMとのピーク面積を比較し,定量係数を設定することで,一斉定量を簡便化できた.
    本法をPSとその乾燥粉末ならびに加工飲料に適用した結果,「アヤムラサキ」青果物では主要ANの合計は369.1mg/100gであった.また,YGM-4bが最も多く含まれており,ペオニジン系ANの合計が全体の81%を占めていた.「アヤムラサキ」乾燥粉末,清涼飲料水,および醸造酢の主要AN含量はそれぞれ196.9mg/100g, 118.7mg/100g, および15.3mg/100gであり,その組成比はいずれも原料PS青果物と類似していた.
    抄録全体を表示
  • 福島 英登, 岡崎 惠美子, 野田 誠司, 福田 裕
    54 巻 (2007) 1 号 p. 39-44
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    スケトウダラ,イトヨリダイ,シログチおよびマアジすり身に0-30%の魚油を乳化した加熱ゲルにつき,破断強度,破断凹み,保水性および色調の変化を調べた.得られた結果は以下のとおりである.
    (1)混合系全体におけるタンパク質-水分比率を一定とし,これに魚油量を種々変化させて乳化した場合,魚油量の増加に伴って系全体におけるタンパク質濃度が低下するにもかかわらず,いずれの魚種のすり身においても,魚油添加量の増加に伴い乳化加熱ゲルの破断強度および凹みが増大した.
    (2)全ての魚種の乳化加熱ゲルの保水性は魚油乳化に伴って増大した.
    (3)全ての魚種の乳化加熱ゲルは魚油乳化に伴いハンター白色度が上昇した.マアジは赤色度および黄色度が減少した.
    以上のように,すり身に対する魚油の乳化は,健康機能性の付与のみならず乳化によりゲル物性の向上が認められること,保水性や白色度の向上効果も同時に認められることが確認された.
    抄録全体を表示
研究ノート
  • 石黒 浩二, 吉元 誠, 鍔田 仁人, 高垣 欣也
    54 巻 (2007) 1 号 p. 45-49
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    (1)サツマイモ茎葉の80%エタノール抽出液にACE阻害活性が認められた.活性の強さは茎葉中の部位で異なり,葉身部,茎部,葉柄部の順であった.
    (2) 80%エタノール抽出液に含まれるカフェ酸誘導体にACE阻害活性が認められた.活性の強さは,おおよそカフェオイル基の数に比例し,3,4,5-triCQA, 3,4-diCQA, 4,5-diCQA, ChA, 3,5-diCQA, CAの順であった.
    (3)サツマイモ茎葉を配合した飼料を摂取したSHRは茎葉の添加量依存的に血圧上昇が緩やかになる傾向を示した.
    以上のことより,サツマイモ茎葉によるSHRの血圧上昇抑制傾向は,カフェ酸誘導体類のACE阻害が一つの要因と推察された.
    抄録全体を表示
  • 小嶋 道之, 西 繁典, 齋藤 優介, 弘中 和憲, 小疇 浩, 前田 龍一郎
    54 巻 (2007) 1 号 p. 50-53
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    小豆ポリフェノール(APP)をマウスにゾンデで単回投与して,その後,ジャガイモデンプン,ショ糖およびマルトースをそれぞれ与えると,すべてのマウス群の血中グルコース濃度はコントロール群に比べ有意に低い値を示した.しかし,グルコースを与えた場合に有意差は認められなかった.また,1日に与えるAPP量を単回投与の約40%量として2週間継続投与後,ショ糖を与えた場合にも,血中グルコース濃度はコントロール群のそれに比べ有意に低い値を示した.ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウス(STZ-DM)にAPPを単回投与してショ糖を与えると,血中グルコース濃度はコントロール値よりも有意に低い値を示した.また,in vitro実験により,APPの添加濃度に依存してα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ活性が抑制されること,およびAPP亜画分(APP-EおよびAPP-M)の特にAPP-Mが,α-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ活性を抑制することを明らかにした.これらの結果は,APPによる血糖値上昇抑制作用は,主にAPP-Mの糖分解酵素の活性抑制作用に起因することを示唆している.
    抄録全体を表示
  • 遠藤 美砂子, 薄木 理一郎, 江口 万里江, 佐藤 由紀, 千葉 美子, 清野 陽子, 佐々木 多栄子, 遠藤 泰志
    54 巻 (2007) 1 号 p. 54-58
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    新しいCV測定法であるブタノール法を魚油および食品抽出油脂の測定にはじめて応用した.
    魚油の測定では,ベンゼン法との相関性を認めると共に,ベンゼン法では測定できないPVの高い試料や,酸化初期の微量なCVの増加量を,正確に測定できることが示された.
    また,食品抽出油脂の測定においては,試料量が少なくても測定でき,サンプルの色が測定値に影響を与えることがなかった.
    本法は,操作が簡便で精度が高く,かつ測定用溶剤の毒性が低く使用量も少なくてよいことから,食品製造現場などでの測定にも適しており,魚油や食品の酸化劣化度を評価するために有効な方法であると考えられる.
    抄録全体を表示
技術用語解説
  • 橘田 和美
    54 巻 (2007) 1 号 p. 59
    公開日: 2007/10/04
    ジャーナル フリー
    遺伝子組換え食品の表示が平成13年4月1日よりJAS法及び食品衛生法に基づき義務化された.表示義務の対象となるのは,大豆,とうもろこし,ばれいしょ,なたね,綿実,アルファルファ,てん菜の7種類の農産物と,これを原材料とし,加工工程後も組み換えられたDNAまたはこれによって生じたタンパク質が検出できる加工食品32食品群及び高オレイン酸遺伝子組換え大豆及びこれを原材料として使用した加工食品(大豆油等)である1)
    遺伝子組換え農産物を原材料とする,或いは,遺伝子組換えのものと非遺伝子組換えのものが分別されていない農産物を原材料とする場合は「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」等と表示することが義務づけられている.また,任意ではあるが「遺伝子組換えでないものを分別」等と表示するためには,分別生産流通管理(IPハンドリング : Identity Preserved Handling)が必要となる.IPハンドリングは正式には,「遺伝子組換え農産物及び非遺伝子組換え農産物を生産,流通及び加工の各段階で善良なる管理者の注意をもって分別管理し,その旨を証明する書類により明確にした管理の方法」と規定されている.
    IPハンドリングの方法としては,多様なものが考えられるが,表示の対象となるものの中で,バルク輸送される北米産の大豆,とうもろこしが大きな割合を占めているので,これらを対象とした「流通マニュアル」が(財)食品産業センターにおいて作成・配布されている(2001年12月改訂版発行)2).本マニュアルにおいては,農家の生産段階,カントリーエレベーターの流通段階,リバーエレベーターの流通段階,エクスポートエレベーター及び日本までの輸送段階,港湾サイロの日本国内流通段階,卸売業者(主として大豆)の流通段階,加工業者(グリッツ・スターチ工場)の流通段階,食品製造業者の流通段階の各段階における,チェックポイント,管理方法,必要な記録等が示されている.さらに,各段階にて発行される証明書の様式例も記されている.バルク輸送される北米産の大豆,とうもろこしについては,本マニュアルに即した管理・確認がなされれば,IPハンドリングがなされ,かつ,適切に確認されたこととなる.
    しかし,IPハンドリングが適切に行われたことが確認された非遺伝子組換え農産物であっても,遺伝子組換え農産物が一定の割合で混入する可能性は否定できない.従って,IPハンドリングが適切に行われていれば,このような一定の「意図せざる混入」がある場合でも「遺伝子組換えでない」旨の表示ができることとなっている.大豆およびとうもろこしについては,現在行われているIPハンドリングの実態を踏まえ,5%以下の意図せざる混入が認められている.しかし,IPハンドリングによらない流通や,意図的に遺伝子組換え農作物を混入させた場合には5%以下の混入であっても,IPハンドリングを行ったことにはならず,「遺伝子組換え」,「遺伝子組換え不分別」等の表示が義務づけられる.同様のマニュアルは平成15年1月から表示が義務づけられたばれいしょ加工品のIPハンドリングについても作成・配布されている3)
    尚,マニュアルが対象としている北米産の大豆,とうもろこし,ばれいしょ以外の農産物についても,遺伝子組換え農産物の意図せざる混入の可能性のある,生産,流通及び加工の各段階において,IPハンドリングの「流通マニュアル」またはこれに準じた方法による,管理及び確認が必要になる.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top