日本食品科学工学会誌
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54 巻 , 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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報文
  • 伊藤 知子, 田中 陽子, 成田 美代, 磯部 由香
    54 巻 (2007) 11 号 p. 463-467
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    ツタンカーメンエンドウの子葉細胞および単離デンプンを用いて,細胞内デンプンの糊化について検討を行った.細胞内デンプンの規則構造の崩壊は,単離デンプンと比較して,崩壊が始まるのが遅く,抑制されることが明らかとなった.また溶解度,膨潤力ともに単離デンプンと比較して抑制されていた.小豆の場合と比較して,細胞壁の性状,また抑制のパターンは若干異なるが,ツタンカーメンエンドウの子葉細胞内デンプンの糊化はその他のあん原料豆と似た性質を示したことから,ツタンカーメンエンドウは製餡適性を有すると考えられた.
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  • 森山 達哉, 光山 英由, 矢野 えりか, 大羽 美香, 橘田 和美, 川本 伸一, 穐山 浩, 宇理須 厚雄, 高橋 浩司, 羽鹿 牧太, ...
    54 巻 (2007) 11 号 p. 468-476
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    We aimed to detect the allergen proteins in food materials using recently developed near-infrared fluorescent probes. Sensitivities of this method were comparable to chemiluminescence detection methods, which are known to be sensitive. In addition, the sensitivities of this near-infrared fluorescent method were at least 10-50-times higher than those of the conventional visible fluorescent methods using Cy3 and Cy5 dyes. This method was effectively applicable to immunoblotting, dot-blotting and plate-assay (direct FLISA : fluorescence-linked immunosorbent assay) with ELISA plate. Allergen levels of the food sample were quantified by standard curves using standard allergen protein using the dot-blotting technique. This highly sensitive detection system also provided multiple detections of different allergens for different antibodies and dyes with distinct properties of wavelength. This enables high-throughput screening of characteristic allergen contents of target food materials, or cultivars. Generally, allergen proteins are recognized by patient's serum IgE. Therefore, we tried to detect patient's IgE-binding proteins, the putative allergens in foodstuffs. In this detection system, it was possible to detect IgE-binding proteins with sensitivity almost equivalent to a chemiluminescent detection system. Taken together, it was shown that this novel detection system was an effective technique for the sensitive detection and screening of food allergens.
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  • 西 繁典, 齋藤 優介, 小疇 浩, 弘中 和憲, 小嶋 道之
    54 巻 (2007) 11 号 p. 477-481
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    高脂肪食餌と同時にシーベリー葉ポリフェノール(SBLPP)飲料を8週間与えた雄マウスの体重は,コントロールよりも有意に低く,特に腹部の脂肪重量および肝臓重量は顕著に低かった.また,SBLPP飲料を与えた雄マウスの血中GPT活性はコントロールよりも有意に低く,高脂肪食摂取による肝臓への脂肪蓄積の抑制が示された.また,8週間SBLPP飲料を与えた雄マウスの脂肪酸β酸化酵素であるacyl-CoA oxidase(ACO)およびmedium-chain acyl-CoA dehydrogenase(MCAD)の遺伝子発現量は有意に増加していた.in vitro実験により,SBLPPが膵リパーゼ活性を濃度依存的に抑制することが示され,そのIC50は4.5ppmを示した.これらの結果より,長期間,高脂肪食餌と同時にSBLPP飲料を雄マウスに与えると,肝臓における脂肪酸β酸化酵素の遺伝子発現が促進されて脂質代謝促進が起こると共に,膵リパーゼ活性を抑制することにより,体内への脂肪輸送が低下して,糞中に脂肪が排泄され,体脂肪蓄積が抑制されたと推定した.
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  • 島村 智子, 松浦 理太郎, 徳田 貴志, 杉本 直樹, 山崎 壮, 松藤 寛, 松井 利郎, 松本 清, 受田 浩之
    54 巻 (2007) 11 号 p. 482-487
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    既存添加物のうち,酸化防止剤に分類される品目の抗酸化活性に基づく新たな品質規格策定を最終目的とし,その基礎となる抗酸化活性評価法の公定化に対する適用性の検討を行った.本研究では,代表的な分光学的抗酸化活性測定法であるDPPH法,ABTS法,WST-1法による単一化合物酸化防止剤(9種類)の抗酸化活性測定を3カ所の研究室で共同試験し,得られた結果の室間再現精度の検証を行った.その結果,DPPH法,ならびにABTS法は単一化合物酸化防止剤の抗酸化活性測定において,比較的高い測定精度を示すことが判明した.その一方で,WST-1法は先の2法と比較すると測定精度に劣るという結果が得られた.DPPH法,ならびにABTS法は更に研究室数を増やして試験室間共同試験を行い,分析法の妥当性確認を行うことにより,公定法化を進めることが可能であると考えられた.
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  • 早川 文代, 井奥 加奈, 阿久澤 さゆり, 米田 千恵, 風見 由香利, 西成 勝好, 中村 好宏, 馬場 康維, 神山 かおる
    54 巻 (2007) 11 号 p. 488-502
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    前報2)の調査データを用いて,性別,年齢層別,調査地点別に消費者のテクスチャー語彙およびその中核となる用語を求めた.また,ロジスティック回帰分析によって用語の認知度に及ぼす人の属性の影響を調べた.その結果,以下の結果を得た.
    (1)各属性の各区分における消費者のテクスチャー語彙およびその中核となる用語を得た.
    (2)日本語テクスチャー用語445語について,用語の認知度に及ぼす人の属性の影響が明らかになった.
    (3)消費者のテクスチャー語彙の用語数も,その中核となる用語数も,男性よりも女性の方が多かった.女性の方がテクスチャーを表現する語彙が豊富であることが示唆された.女性の方が認知度の高い用語には“もそもそ”,“もったり”等がみられた.
    (4)消費者のテクスチャー語彙の用語数も,その中核となる用語数も,高い年齢層の方が低い年齢層に比べて多かった.時代による影響と世代による影響が考えられた.年齢層の高い方が認知度の高い用語には“かゆ状の”,“ぶりんぶりん”等,一方,年齢層の低い方が認知度の高い用語には“ぷにぷに”,“シュワシュワ”等がみられた.
    (5)消費者のテクスチャー語彙の用語数も,その中核となる用語数も,首都圏の方が多かった.首都圏の方が認知度の高い用語には,“ぼそぼそ”,“ぽくぽく”等,一方,京阪神地区の方が認知度の高い用語には“にちゃにちゃ”,“もろもろ”等がみられた.これらには方言の影響が推察された.
    以上の結果は,消費者を対象とした官能評価,質問紙調査および面接調査の設計の際に,また,消費者への情報発信を計画する際に重要な情報を提供する.さらに,食嗜好調査や食文化研究の考察の際にも有用な知見であると考えられる.
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研究ノート
  • 松尾 眞砂子, 人見 英里
    54 巻 (2007) 11 号 p. 503-508
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    味噌の種類,調理方法および併用する香辛料による抗酸化力の変化を調べた.味噌の抗酸化力は色度の明度,総イソフラボン量やアグリコン量に比例して増加し,豆味噌,米赤色辛味噌,麦味噌,米淡色辛味噌,米甘味噌の順に強かった.味噌を加熱すると,褐色度と抗酸化力は缶詰処理,焙る,炒める,煮るの順に強かったが,逆に,総イソフラボン量とアグリコン量は減少した.電子レンジで加熱した味噌は褐色度の増加やイソフラボンの分解が少なかった.香辛料を添加して加熱した味噌は,抗酸化力がポリフェノール量と相関しなかった.ショウガを添加して加熱した味噌はイソフラボンのアグリコン量は減少したが,抗酸化力とポリフェノール量が増加した.ニンニク,和芥子,唐辛子やゴマを添加して加熱した味噌ではイソフラボンアグリコン量は変化しなかったが,褐色度と抗酸化力が低下した.これらの結果は,味噌の抗酸化力は,味噌に含まれているイソフラボンや香辛料に含まれているポリフェノール化合物より加熱中に生成されるメラノイジンの影響を強く受けることを示唆していた.したがって,ショウガは固有の強力な抗酸化物質を付加して味噌の抗酸化力を増大させ,ニンニク,和芥子,唐辛子やゴマはメラノイジンの生成を抑制して味噌の抗酸化力を低下させたのだろう.香辛料を添加した味噌はいずれも単独味噌より有益な健康上の効果が期待できるであろう
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解説
技術用語解説
  • 許 晴怡, 椎名 武夫
    54 巻 (2007) 11 号 p. 516
    公開日: 2007/12/31
    ジャーナル フリー
    気泡の存在は,様々な食品製造・加工過程に影響を与え,そして食品の生産・製造効率および物性に影響する.技術の進歩により,マイクロ・ナノサイズの気泡の作製が可能になった.マイクロ・ナノバブルには,大きい気泡にはない特性,また,優れた特性を持っている.マイクロバブルについては,まだ統一した明確な定義はない.一般的には,一つひとつ分離して存在する直径数十ミクロンの微小気泡のことを指す.マイクロバブルの発生方式には,1)気液二相流体混合・剪断方式,2)超高速旋回方式,3)圧力加減制御方式,4)超音波方式,5)細孔方式などがある.発生方式によりマイクロバブルの特性が異なる可能性があることに留意する必要がある.
    一方,ナノバブルは,数百nm以下の直径を有する気泡のことを指す.通常マイクロバブルの収縮により生成されるが,その安定性が低い.最近,電解質イオンを含む水の中でマイクロバブルを圧壊させることによって,安定なナノバブルを製造することが報告されている.しかしながら,その存在や特性についてはまだ十分に把握されていない.そのため,本稿ではマイクロバブルの特性および最近の技術動向について概説する.
    上昇挙動
    通常のバブルは急速に浮上して液面ではじけて消滅するのに対し,マイクロバブルは小さいため,ゆっくり浮上して最終的に水中で消滅する.その上昇挙動が周囲液体の物性に影響される.
    自己加圧効果
    水中に存在するマイクロバブル表面には,表面張力が働いているため,バブル内部の気体が圧縮され,バブルの内圧が高くなる.ヤング-ラプラスの式(ΔP=2γ/r, ここでγは液体の表面張力,rは気泡の半径)によると,バブルのサイズが小さいほど,その内圧が大きい.この自己加圧効果はマイクロバブルの独特な性質に関係する.
    気体溶解効率
    気体の水中への溶解は温度と圧力の関数である.一定温度のもとでは,気体の溶解度は,圧力に比例して上昇する.バブルが小さくなるほど,自己加圧効果が顕著になり,気体の溶解効率が高くなる.また,気体の液体への溶解は,界面を通した気体の移動現象であるため,比表面積が大きいほど,溶解効率が高い.また,上昇速度は遅く,水中での滞在時間が長いことも気体の溶解効率に寄与する.マイクロバブルを供給することで魚介類の養殖池や水耕栽培養液の溶存酸素濃度が改善され,農水産物の生産性が向上すると報告されている.
    収縮運動
    マイクロバブルは,自己加圧効果や発生方式によりバブルの内外圧力差が生じ,収縮が起こる.収縮運動を開始するときの気泡径を「限界気泡径」と呼ぶ.限界気泡径は,発生方式や周囲液体の性質により異なり,一概に定められない.マイクロバブルは,収縮・溶解を繰り返しながら小さくなっていき,最後に消滅する.バブルが小さくなるにつれ,縮小速度が速くなり,内圧が顕著に大きくなる.マイクロバブルが消滅する瞬間には,局部的に高温高圧状態となり,フリーラジカルを発生させると報告されている.最近,マイクロバブルには生物の血流や生長促進などの生理活性効果があると注目される.これは,マイクロバブルの収縮運動によりその周囲液体の物理化学的な変化と関係があるためと推測されている.水素イオン濃度や電気伝導度などの液体の基本的物性が変化するという報告がある.
    表面電位特性
    通常,マイクロバブルは負に帯電しでいるが,作製条件により正の電荷を帯びることもできる.バブルの帯電特性は,マイクロバブルの安定性や吸着性に寄与する.現在,マイクロバブルの吸着性,浮上性および消滅時に発生するフリーラジカルを利用した魚貝類畜養殺菌,水質浄化,廃水処理などへの応用が研究されている.オゾンマイクロバブルを用いることにより高い効果が期待される.
    マイクロ・ナノバブル技術は有望な技術の一つとして,注目されている.しかしその現状は,応用開発が先行して進められており,基礎研究が遅れている.今後,マイクロバブルの特性評価方法の確立と,その有効性と安全性についての評価が必要となる.一方,ナノバブルの研究開発については,発生技術の開発および特性評価方法の確立,安定性の評価が重要な課題となる.
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