日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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56 巻 , 7 号
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総説
報文
  • 今村 美穂, 佐藤 常雄, 畑本 修
    56 巻 (2009) 7 号 p. 384-393
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    複雑系(食品中)において,直接的な効果だけでなく,他の成分との相互効果も含めてヒトに認知される変化を誘起するために必要な最少の呈味成分の添加量(複雑系における閾値)を明らかにすることを目的として,醤油をモデルとした試験を行った.その結果,その過程において以下の知見を得た.
    (1) 醤油原液の評価におけるぶどう糖の閾値は1.8%,MSGの閾値は1.9%である.
    (2) 豆腐へのつけかけ評価における醤油中の閾値は,ぶどう糖8.9%,果糖ぶどう糖液糖8.3%(v/v),砂糖4.8%,みりん7.1%(v/v),MSG 3.9%,核酸0.03%である.複雑系に対する甘味成分や旨味成分の添加効果は対象となる系が有する成分とは異なると,また,その成分を構成する糖の種類が豊富であるほど大きくなり,閾値が低くなる可能性がある.
    (3) 醤油中における呈味成分の閾値,すなわち品質の差を認識させるために必要な呈味成分の添加量はその評価系によって異なる(豆腐へのつけかけにおけるぶどう糖の閾値は醤油原液での評価の4.9倍,MSGについては2.1倍).したがって,呈味成分を添加した食品を開発する際には,その用途を勘案して品質の設計をする必要がある.
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  • 高橋 誠, 本間 紀之, 諸橋 敬子, 中村 幸一, 鈴木 保宏
    56 巻 (2009) 7 号 p. 394-402
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    16品種・系統24点の米を用いて米粉試料を調製し,粗蛋白質含量,アミロース含量,損傷澱粉量および粒度構成を測定した.米粉の粒度は全ての供試材料で200メッシュ通過割合が90%以上だったが,粒度構成は米粉試料により異なった.特徴的な品種は300メッシュ通過割合が他種類に比べ高かった北陸166号であり,損傷澱粉量も少ない傾向が認められた.
    グルテンを添加混合した米粉の物性を測定したところ,ファリノグラフ吸水率は品種間差が存在し,米粉のアミロース含量との相関が認められた.一方,米粉パンの比容積や形状は米粉試料により異なり,グルテンを添加混合した米粉中のアミロース含量やビスコグラフ特性と相関がある事が示唆された.なお,米粉パンの最大比容積は米粉のアミロース含量が25%前後で得られると推定された.米粉パンの硬度は米粉のアミロース含量と相関が認められた.焼成後の時間の経過とともにパンの硬度は増加したが,品種により硬度の増加速度に違いが認められた.アミロースや蛋白質含量が同程度の品種に比べ,粉質米や低グルテリン米ではパンの硬度や硬化速度が低いものも存在し,米の蛋白質組成等がパン物性に影響を与えていることが示唆された.以上の結果から,中アミロース米(アミロース含量15~25%程度)が米粉パン製造適性に優れると思われた.
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  • 稲垣 宏之, 杉谷 政則, 瀬戸口 裕子, 伊藤 良一, 織谷 幸太, 西村 栄作, 佐藤 進, 加藤 正俊, 齋 政彦, 山本(前田) 万 ...
    56 巻 (2009) 7 号 p. 403-411
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3″Me)を始めとするメチル化カテキンを含有する茶品種「べにふうき」と,国内流通量の大半を占め,かつメチル化カテキンを含まない茶品種「やぶきた」の抗肥満効果を比較検討した.
    12週齢のC57BL/6J雄性マウス(n=10/群)に低脂肪飼料,高脂肪飼料,高脂肪飼料に2%「べにふうき」茶葉または2%「やぶきた」茶葉を添加した飼料を与えて5週間飼育した.2%「べにふうき」茶葉高脂肪飼料を摂取した群は,高脂肪対照群に対し,体重,皮下および内臓脂肪組織重量,血中レプチン濃度が有意に低減した.一方,2%「やぶきた」茶葉高脂肪飼料を摂取した群では有意な抗肥満効果は皮下脂肪組織重量のみで観察され,相対的に抗肥満効果が弱かった.また工業的利用性の高い「べにふうき」熱水抽出エキスを1日1回体重1kg当りのカテキン総量として100mg,50mgおよび25mgを強制経口投与した結果,用量依存的な抗肥満効果が認められた.以上の結果より,「べにふうき」は「やぶきた」よりも強い抗肥満効果を示し,その効果は用量依存的であることが明らかにされた.また,「べにふうき」の強い抗肥満効果は,EGCGよりも吸収性および血中滞留性に優れたEGCG3″Meを始めとするメチル化カテキンが特異的に含まれているためと考えられた.
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  • 織谷 幸太, 松井 悠子, 栗田 郁子, 木下 洋輔, 川上 晋平, 柳江 高次, 西村 栄作, 加藤 正俊, 齋 政彦, 松本 一朗, 阿 ...
    56 巻 (2009) 7 号 p. 412-418
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    「べにふうき」はエピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3″Me)等のメチル化カテキンを含有する独特な茶品種である.本報告では,「べにふうき」の強い抗肥満効果の作用機作について,メチル化カテキンを含まない茶品種「やぶきた」を比較対照として検討した.
    [方法] 12週齢のC57BL/6J♂マウスを高脂肪飼料のみ,2%「べにふうき」茶葉を含有する高脂肪飼料,および,2%「やぶきた」茶葉を含有する飼料により5週間飼育し,腎周囲脂肪組織中の遺伝子発現量をDNAマイクロアレイ法により網羅的に測定,比較した.また,3T3-L1細胞株を用いて,EGCG, EGCG3″Meおよびカフェインが細胞内脂肪蓄積および前駆細胞から成熟脂肪細胞への分化に及ぼす阻害効果を比較した.更に,一夜絶食させたラットに「べにふうき」の熱水抽出液を経口投与したあと,血漿中におけるEGCGおよびEGCG3″Meの経時的な濃度変化を比較した.
    「結果および結論」DNAマイクロアレイの結果より,「べにふうき」の抗肥満効果は,脂肪細胞中における脂肪酸の合成およびβ酸化に関連する酵素群の遺伝子発現レベルを低下させることにより,細胞内への脂肪蓄積を阻害した結果であると考えられた.「べにふうき」が「やぶきた」よりも強い抗肥満効果を有する主な原因は,「べにふうき」に含まれるメチル化カテキン(主としてEGCG3″Me)にあると考えられた.EGCG3″Meの脂肪蓄積阻害効果はEGCGとほぼ同等であり(3T3-L1細胞の分化抑制効果として約91%),血中における滞留性はEGCGの3.2倍高いため,「べにふうき」中に含まれるEGCG3″Me量はEGCG量に比べて非常に少ないにもかかわらず,EGCGとEGCG3″Meを合算した脂肪蓄積抑制効果はEGCG単独の効果に比べて1.7倍高くなり,EGCG3″Meが含まれることによって「べにふうき」の抗肥満作用は増強されている.
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  • 渡部 忍, 今若 直人, 勝部 拓矢, 山崎 幸一
    56 巻 (2009) 7 号 p. 419-423
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    島根県農業技術センターで育成された系統である紫黒米105は,アントシアニン色素を豊富に含み,機能性食品素材として期待されるため,ラジカル消去活性測定および色素の同定を行った.HPLC分析により2つのピークが検出され,NMR分析,LC/MS分析などによりCy3-glcとPn3-glcを同定した.これらの色素を含む精製色素画分にはDPPHラジカル消去活性,スーパーオキサイドラジカル消去活性が見られた.精製色素画分のラジカル消去活性値に対するCy3-glcおよびPn3-glcの活性は60%であった.色素以外の活性成分として,プロトカテク酸を同定した.プロトカテク酸はCy3-glcが酸化分解される過程で生成することからCy3-glcに由来するものと推察された.Cy3-glc, Pn3-glcおよびプロトカテク酸の活性は精製色素画分の活性の70%程度であった.
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技術論文
  • 奥西 智哉
    56 巻 (2009) 7 号 p. 424-428
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    小麦粉の一部を炊飯米で置換したごはんパンは置換率30%までのごはんパンは小麦粉パンと同等あるいはそれ以上の製パン性を有した.一方,部分置換タイプの米粉パンでは置換率の上昇とともに製パン性が低下した.
    置換率10-40%のごはんパンは,官能試験の総合評価で小麦粉パンより有意に評価が高く,最適置換率は30%であった.すだち・色相・香りは,20%ごはんパンの色相評価が有意に高い点を除き,いずれも有意差はなかった.内相の触感および硬さは10-30%ごはんパンで有意に評価が高く,20%が最適であった.味ともちもち感は,30%が最も高く,しっとり感と甘味は,40%までなら炊飯米置換率が高まるほど向上した.一方,米粉パンはすべての官能評価項目において小麦粉パンと有意差は見られず,特に総合評価では置換率にかかわらず評価が低かった.
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