日本食品科学工学会誌
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57 巻 , 2 号
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総説
  • 木村 俊之
    57 巻 (2010) 2 号 p. 57-62
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    Epidemiological evidence indicates that postprandial hyperglycemia is an independent risk factor for cardiovascular disease. Improved postprandial glycemic control is promising for decreasing morbidity and mortality of cardiovascular disease in pre-diabetic and diabetic individuals. Recently, clinical trials such as the STOP-NIDDM Trial and Voglibose Ph-3 Study demonstrated that α-glucosidase inhibitor (αGI) reduces progression to type 2 diabetes from impaired glucose tolerance. Much attention has, therefore, been focused on αGI as a preventive and therapeutic agent for type 2 diabetes and its complications. Mulberry leaves have been known to prevent diabetes in Asian countries as traditional medicine. According to a previous study, mulberry leaves have strong αGI activity and its activity is caused by 1-deoxynojirimycin (DNJ), a glucose analogue. We developed an HPLC method to accurately quantify DNJ in mulberry leaves and optimized the process to achieve a DNJ-enriched (1.5%) mulberry leaf extract. We evaluated the effect of the extract on postprandial glycemic control by oral sucrose tolerance test and by a 38-day dietary trial. A dose above 0.8g of the powder (corresponding to 12mg DNJ) per, the elevation of postprandial blood glucose and secretion of insulin were suppressed significantly. Hypoglycemia, abnormal lipid profiles, or any other adverse events were not observed during and after the study period. DNJ-enriched mulberry extract may be useful in improving postprandial glycemic control in pre-diabetic or mild diabetic individuals.
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報文
  • 百瀬 晶子, 後藤 直子, 早瀬 文孝, 五明 紀春, 三浦 理代
    57 巻 (2010) 2 号 p. 63-69
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    糖尿病予防食設計の基礎的知見を得る目的で味噌の食後血糖に及ぼす影響についてin vivo,およびin vitroにおいて検討を試みた.
    9種類の供試味噌を用いたヒト介入試験によるGI測定を行い,味噌によっては通常程度の味噌汁の摂取により,食後血糖上昇抑制に対し一定の影響を及ぼすことが示唆された.またin vitroにおいて,食後血糖上昇抑制に関与する味噌中の因子について検討し,供試味噌15種類において,糖質消化酵素のヒト唾液およびブタ膵液α-アミラーゼ,ブタ小腸α-グルコシダーゼに対し,強い活性阻害が認められた.また,供試味噌のトリプシン活性阻害作用が確認され,更にELISA法により味噌中微量TIの定量値を得た.これにより,味噌の摂取によって膵酵素分泌を刺激しインスリン分泌に寄与する可能性が推測された.また,味噌の褐色度と食後血糖上昇抑制との関連を検討し,GI測定結果と味噌の褐色度において有意差は認められなかった.一方,in vitroにおける結果と褐色度との関連については,褐色度が大きいほどブタ膵液トリプシン活性を強く阻害する傾向が認められ,ヒト唾液α-アミラーゼでは味噌の褐色度と活性阻害で関係はみられなかった.また,ブタ膵液α-アミラーゼ,ブタ小腸α-グルコシダーゼは,味噌の褐色度が小さいほど活性を強く阻害したことから,褐色色素以外の成分がそれら酵素の活性阻害に寄与していることが考えられた.
    以上により,味噌が食後血糖上昇抑制に一定の影響を及ぼすことが示唆され,今後味噌を応用した抗糖尿病食の開発が期待される.また,味噌の食後血糖上昇抑制因子として,味噌原料由来のTI, 味噌の褐色度に寄与する成分(メラノイジンを含む),その他味噌中の機能性成分等,複数の影響因子の作用が複合して関与する可能性が考えられた.
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  • 船木 紀夫, 服部 賢志, 木村 康晴, 佐藤 耕一, 塚田 政範, 津村 明宏, 佐野 雅敏, 豊田 正俊, 小塚 健志, 門倉 雅史, ...
    57 巻 (2010) 2 号 p. 70-77
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    ゴボウについて,無機元素分析により国内産と中国産を判別する手法を開発した.国内産・中国産のゴボウ60ロットずつを酸分解して試料溶液を調製し,誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)により11元素(Na, Mg, Al, P, K, Ca, Mn, Fe, Cu, SrおよびBa),誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)により12元素(Sc, Co, Ni, Zn, Rb, Cd, La, Ce, Nd, Sm, GdおよびTl)の濃度をそれぞれ定量した.得られた定量値を用いて線形判別分析を行い,複数の元素による判別関数を5つ作成した.そのうち,Na, K, Ca, CeおよびTlの濃度値から作成された判別関数については,判別関数構築用試料120ロットのうち国内産3ロットと中国産3ロットを除く114ロットの試料について原産国が正しく判別され,分類正答率は国内産,中国産共に95%であった.かつ,この判別関数の評価を3種類のcross validationにより行った結果もほぼ同様(国内産・中国産および全体でそれぞれ93~95%)であった.さらに,この判別関数を用いた判別方法について産地判別の検査を担当する3試験室によるブラインド産地予測試験を実施したところ,使用した国内産と中国産合わせて12個体全ての試料について正しい産地を示した.
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技術論文
  • 門倉 雅史, 法邑 雄司, 渡邉 裕之, 堀田 博, 鈴木 忠直, 安井 明美
    57 巻 (2010) 2 号 p. 78-84
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    カボチャ種子をマイクロ波試料分解装置により酸分解して試料溶液を調製した後,誘導結合プラズマ発光分析法により8元素(Mg, P, K, Ca, Mn, Zn, SrおよびBa),また,誘導結合プラズマ質量分析法により15元素(V, Co, Ni, Cu, Rb, Y, Mo, Cd, Cs, La, Ce, Nd, Sm, GdおよびTl)を定量した.
    国産49ロット,ニュージーランド産31ロットの定量値を用いて国産-ニュージーランド産間を判別できるモデル(P, K, Ca, Ni, Zn, Rb, SrおよびBaの8元素を利用)を構築した.このモデルは,別に分析した国産30ロットの内27ロット,ニュージーランド産9ロットの内7ロットを正しく予測し,判別的中率は87%(34/39ロット)となった.同様に国産品49ロット,メキシコ産品33ロットの定量値を用いて国産-メキシコ産間判別モデル(P, Ni, Zn, Rb, SrおよびMoの6元素を利用)を構築した.このモデルは,別に分析した国産30ロットの内27ロット,メキシコ産8ロットの内7ロットを正しく予測し,判別的中率は89%(34/38ロット)となった.
    続いて,産地表示の信憑性調査への利用を想定して,両モデルを用いた「国産-外国産間判別技術」を検討した.この技術を用いて,原産国名を伏せたカボチャ種子試料の産地を3試験室で予測した結果,国産全6試料を「国産品」と,ニュージーランド産全6試料,メキシコ産全6試料を「外国産品」と正しく判別した.複数試験室による産地予測が正しく行われ,カボチャの原産地表示の信憑性を無機分析により検証できるスクリーニング手法が作成できた.
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研究ノート
  • 仲田 弘明, 長谷川 秀樹, 櫻井 博章, 田村 雅彦
    57 巻 (2010) 2 号 p. 85-90
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    当社は北海道十勝管内に所在する芽室製糖所の製糖工程から,産業利用目的に有用な微生物の取得を行っている.製糖工程の温水浸出汁から取得された乳酸菌を使用し,独自の乳酸菌を用いてサワーブレッドの作製を試みた.
    取得された乳酸菌菌株NT株は,16SリボソームDNA配列に基づく相同性検索の結果,ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)と同定された.本菌種は古来よりチーズやヨーグルトの製造等に用いられており,食経験のある菌種である.
    NT株を乳酸菌培地で培養し,得られた乳酸菌菌体液を使用して市販スターター(TKスターター)と同じ工程によりサワー種を作製した.製パンは,ストレート法食パンにサワー種を添加しサワーブレッドを焼成し,官能試験,有機酸抽出,香気成分分析,防カビ性能の試験を行い市販スターターサワーブレッドおよびサワー種無添加ブレッド(一般的な食パンに該当)と比較した.
    官能試験の結果,NT(NT株を使用したサワーブレッド)は強いチーズ臭のするサワーブレッドであった.NTについてGC-MSにより香気成分を分析したところ,チーズ臭はアセトイン,酪酸に由来するものと考えられた.
    また,防カビ試験の結果より,NTは市販スターターよりも高い防カビ性能を保持していた.高い防カビ性能を有する理由として,NT株の生産する有機酸等の抗真菌活性物質が推測されたが,今回の試験では明らかとならなかった.
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技術用語解説
  • 林 徹
    57 巻 (2010) 2 号 p. 91-92
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    食品にガンマ線や電子線などの放射線を照射すると,脂質が分解して炭化水素など種の放射線分解生成物が生成する.放射線照射によりトリグリセリドのアシル基-酸素結合が開裂すると,元の脂肪酸と同じ炭素原子数の2-アルキルシクロブタノン(2-ACB)が生成する(図1).この物質の存在が知られる以前には,放射線照射によって食品中に生成する分解生成物として,非照射食品中にも含まれる成分か,他の調理加工などによっても生成が誘発される既知の物質しか検出されなかった.ところが,2-ACBは加熱,マイクロ波照射,紫外線照射,超高圧処理,超音波処理などによって生成することはなく,放射線照射によってのみ生成する化合物である.すなわち,この物質は,現在知られている唯一の放射線特異分解生成物(Unique Radiolytic Product)である.前駆体となるトリグリセリドの脂肪酸組成に対応して異なるシクロブタノンが生成し,パルミチン酸から2-Dodecylcyclobutanone,パルミトレイン酸から2-Dodec-5′-enylcyclobutanone,ステアリン酸から2-Tetradecylcyclobutanone,オレイン酸から2-Tetradec-5′-enylcyclobutanone,リノール酸から2-Tetradecadienylcyclobutanoneが生成する.
    2-ACBは放射線照射により特異的に生成し,かつその生成量は線量に依存して増加するので,照射食品の検知に利用できる.2-ACB分析は,鶏肉,畜肉,液体卵,カマンベールチーズ,サケを対象とした検知技術として,ヨーロッパ標準法及びコーデックス標準法となっており,国際的に認知された照射食品検知技術である.
    照射食品の安全性を判断するには,放射線特異分解生成物である2-ACBの毒性を評価する必要がある.ドイツの研究者がコメットアッセイにより2-ACBには細胞のDNA損傷を誘発することを見出して,その安全性が問題となった.しかしエームス試験や復帰突然変異原性試験では,このような2-ACBの毒性は観察されなかった.また,非常に高濃度の2-ACBをラットに投与しても,それ自身が発ガン物質として働くことはなかった.しかし,ラットに発がん物質であるアゾキシメタンとともに2-ACBを投与したところ,3ケ月後の観察ではアゾキシメタンと水を投与したコントロールと比べて異常はなかったが,6ケ月後に2-ACB投与群で腫瘍数および腫瘍サイズの増大が認められ,2-ACBには発がん促進作用活性のあることが確認された.この投与実験で使われた1日当たりの2-ACBの用量は3.2mg/kg体重であり,ヒトが照射食品から摂取する2-ACBの最大量と想定される1日あたりの値の5-10μg/kg体重のよりもはるかに多く,約500倍であり,本実験結果が実際の食生活における照射食品の危険性に直接結びつくものではないと考えられている.また,米国で行われた100トン以上の照射鶏肉を用いたマウスや犬を対象とした大規模な長期動物飼育試験では,59kGyという高線量照射したにもかかわらず毒性は認められなかった.なお,この時に使用された照射鶏肉には2-ACBの存在が確認されている.これらの結果を総合的に考慮して,WHOや米国FDAなどの機関は,照射食品中のアルキルシクロブタノンの毒性が実際に問題になることはないと判断している.
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