日本食品科学工学会誌
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57 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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報文
  • 野原 敏次, 上地 俊徳, 小倉 剛, 林 國興, 砂川 勝徳
    57 巻 (2010) 3 号 p. 93-99
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    沖縄県の特産物「泡盛」の醸造副産物である「泡盛もろみ粕」の圧搾液汁は「もろみ酢」の原料として広く利用されているが,一方で搾汁後に残る「泡盛圧搾粕」の大部分が食品廃棄物となっている.本研究では,この泡盛圧搾粕を動物用飼料および機能性食品への転換利用を目的として,高コレステロール摂取ラットの発育状態,血清および肝臓脂質に及ぼす泡盛圧搾粕給与の影響について検討を行った.5週齢のラットに3%コレステロール食を2週間給与し,脂肪肝モデルを作製した.その後群分けし,対照食,5,25および50%泡盛圧搾粕食で4週間飼育した.ラットの体重増加量および飼料摂取量に及ぼす泡盛圧搾粕の影響は特に認められず,泡盛圧搾粕を基本飼料に50%まで添加しても順調な発育と良好な嗜好性を与えることが明らかになった.Control群の肝臓の色調は混濁した白褐色を呈し,肝臓あたりの総脂質濃度は28.3%であったことから脂肪肝であると考えられた.25%および50% AL群では,肝臓実重量および肉眼的色調はStandard群と差がなく,肝臓あたりの総脂質濃度は泡盛圧搾粕添加量の増加に伴って低値となり,泡盛圧搾粕摂取による脂肪肝の改善効果が認められた.TC濃度は,血清および肝臓のいずれにおいても泡盛圧搾粕の添加量の増加に伴って低い値を示し,5,25および50% AL群のHDL濃度はStandard群とほぼ同じ値であった.さらに,血清および肝臓中のTG濃度はControl群に対し50% AL群では有意に低下していた.排糞量および糞中総胆汁酸量はControl群の約5倍であった.以上のことから,泡盛圧搾粕は動物用飼料原料および機能性食品素材としての利用可能性があると考えられた.
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  • 秋野 雅樹, 武田 忠明, 今村 琢磨, 瀧波 憲二, 高橋 是太郎
    57 巻 (2010) 3 号 p. 100-106
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    凍結・解凍処理した秋サケの筋肉で起こるプロテオリシスが色調に及ぼす影響を調査することを目的とした.また,ブナ度合および雌雄別の秋サケの自己消化活性を測定し,カロテノイド量と自己消化活性の関係より肉色から肉質軟化の起こりやすい個体判別の可能性についても検証した.
    秋サケ筋肉の自己消化活性は,ブナ度合が高まるにつれ上昇し,雄よりも雌の方が高い傾向を示した.カロテノイド量と自己消化活性の関係を調べた結果,雄では負の直線関係が認められたが,雌では認められなかった.そのため雄では肉色から肉質軟化の起こりやすさをある程度推測できる可能性はあるが,雌では困難であると考えられた.
    凍結・解凍処理した秋サケにおいて,高い自己消化活性を有する個体では,筋肉がプロテオリシスを受けて肉質が軟化し,軟化した筋肉組織は未凍結時と比較して光散乱の変化が確認された.この軟化肉の色調をCIELAB表色系で評価した場合,未凍結時よりも明度の著しい増加と色相の変化が認められた.よって,凍結・解凍処理に伴いプロテオリシスを受けた秋サケ筋肉は,秋サケ特有の赤紅色と透明感が損失した肉色に至ると結論された.
    本研究は,新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「サケ輸出促進のための品質評価システムの開発と放流技術の高度化」の助成を受けて行われた.
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  • 青木 法明, 梅本 貴之, 鈴木 保宏
    57 巻 (2010) 3 号 p. 107-113
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    加工用や飼料用に育成された多収性稲における米粉パンの品質の品種間差を見いだすこと,米粉パンに適する品質特性を見いだすことを目的として,9品種の多収性稲とコシヒカリを用いてグルテンを添加した米粉パンを作成し,米粉の特性(アミロース含有率,タンパク質含有率,粒度,損傷デンプン含有率)と米粉パン製パン特性(パン比容積,硬さ)とを比較した.多収性稲のアミロース含有率はコシヒカリと同等か高く,タンパク質含有率はいずれもコシヒカリよりも高かった.パンの比容積と相関があることが示されている損傷デンプン含有率はいずれの品種でも4%以下と低い値を示した.また,いずれの多収性稲から作られた米粉パンも,コシヒカリのパンよりケービング程度が少なくパンの比容積が同程度か大きかった.しかし,アミロース含有率の特に高いモミロマンや糊化開始温度の高いクサホナミの米粉パンの硬さは,コシヒカリの米粉パンよりも高い値を示した(モミロマン : 1.4倍,クサホナミ : 3.0倍).なお,タンパク質含有率とパンの比容積および硬さとは相関が見られなかった.これらの結果から,中程度のアミロース含量で糊化開始温度が高くない多収性稲を用いることでコシヒカリと同等かそれ以上に形状の優れた米粉パンができることが示された.
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  • 大島 誠, 杉浦 実, 上田 佳代
    57 巻 (2010) 3 号 p. 114-120
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    軽度脂質代謝異常を有する肥満男性26名に対し,β-クリプトキサンチンを強化させたウンシュウミカン果汁(強化果汁介入群)と通常量のβ-クリプトキサンチンを含有するウンシュウミカン果汁(対照果汁介入群)を1日160g,8週間連続摂取させ,介入前と介入4週間および8週間後の血清β-クリプトキサンチン濃度,脂質代謝および肝機能指標値の変化について検討した.
    果汁投与後の血清β-クリプトキサンチン濃度はいずれの群においても介入前に比べて有意に上昇し,この上昇は強化果汁投与群においてより顕著であった.強化果汁介入群における8週後の血中ALT値およびγ-GTP値は4週後に対して有意に低下していた.血清β-クリプトキサンチンと肝機能指標値との関連について横断的な解析を行ったところ,いずれの肝機能指標値も介入前には血清β-クリプトキサンチン濃度と有意な相関は認められなかったが,介入4週および8週後ではそれぞれ有意な負の相関が認められ,これらの負の相関は8週後においてより顕著であった.一方,強化果汁介入群では,投与8週後のHDLコレステロール値およびLDLコレステロール値の低下がみられたが,対照果汁介入群とは有意な差は認められなかった.
    これらの結果から,β-クリプトキサンチンを豊富に含むウンシュウミカン果汁の摂取は肝機能障害の改善に有効である可能性が示唆された.
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研究ノート
  • 高杉 美佳子, 加藤 雅子, 前田 典子, 島田 和子
    57 巻 (2010) 3 号 p. 121-127
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    14種の乾燥ハーブ熱水抽出物のヒスタミンおよびロイコトリエン(LT) B4放出抑制作用,DPPHラジカル消去活性,デオキシグアノシン酸化阻害活性を検討し,ポリフェノール量およびフラボノール類量を定量した.ペパーミント,ローレル,バジル(F),ローズマリーは,ラット腹腔細胞からのヒスタミンの放出を50%以上抑制し,ポリフェノール量の多い乾燥ハーブ熱水抽出物ほどヒスタミン放出量が低下する傾向が認められた.また,タイム,スペアミント,マジョラム,セージ,オレガノ,ペパーミント,タイム(F),ローズマリー(F),ローズマリーは,LTB4の放出を約50%以上抑制した.ヒスタミンおよびLTB4放出を抑制した乾燥ハーブ熱水抽出物には,ポリフェノールが多く含まれ,DPPHラジカル消去活性およびデオキシグアノシン酸化阻害活性が高い傾向が認められた.この結果は,ハーブ熱水抽出物によるヒスタミンおよびLTB4放出抑制作用では抗酸化作用を有するポリフェノール類が関与している可能性を示唆しており,その作用機序の一つとして,ラジカルの消去が考えられる.
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  • 沖 智之, 三好 絢子, 後藤 一寿, 佐藤 麻紀, 白土 英樹, 寺原 典彦, 須田 郁夫
    57 巻 (2010) 3 号 p. 128-133
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    東京都内で市販されていた紫サツマイモを原材料に用いた61種の加工食品に含まれる主要な8種のアントシアニンを定量した.紫サツマイモのパウダー,フレークおよび干し芋を分類した一次加工食品(10種)には,主要アントシアニンが,53.22~936.26mg/100gの範囲で含まれていた.紫サツマイモを原材料に用いた清涼飲料水や醸造酢,また醸造酢を原材料とする清涼飲料水を分類した飲料形態の加工食品(13種)には,1.19~131.95mg/100mLの範囲で含まれていた.11種の紫サツマイモ油加工食品(チップス・かりんとう)は,33.00~376.39mg/100gの範囲で主要アントシアニンを含んでいた.紫サツマイモを原材料に用いた洋菓子,和菓子およびジャムを分類した二次加工食品(27種)の主要アントシアニン含量は,1.01~69.75mg/100gの範囲であった.また,紫サツマイモの一次加工食品では10種中9種,飲料では13種中13種,油加工食品では11種中6種,二次加工食品では27種中21種において,ペオニジン系アントシアニンの占める割合が70%以上のアントシアニン組成であり,これら加工食品が「アヤムラサキ」「ムラサキマサリ」を原材料にしていると推定された.一方,シアニジン系アントシアニンを多く含む紫サツマイモ加工食品は,紫サツマイモそのものを加工した食品である油加工食品に多く存在した.
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解説
  • 箱田 晃子
    57 巻 (2010) 3 号 p. 134-141
    公開日: 2010/05/01
    ジャーナル フリー
    Validated analytical methods have been adopted in Codex Alimentarius Commission for international regulatory analysis. They also have been needed in the Japanese Agricultural Standard (JAS) because of increased international business through the import and export. In this regard, the Food and Agricultural Materials Inspection Center (FAMIC) have designed the candidate analytical methods and conducted their interlaboratory studies in commission of the Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries. All procedures were performed under the international harmonized protocol of method-performance study. In this article, the general procedure for analytical methods in the JAS is summarized. Practical interlaboratory studies, performed at FAMIC, are also introduced on determination of crude protein and ash in macaroni products.
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