日本食品科学工学会誌
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57 巻 , 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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総説
  • 安達 修二
    57 巻 (2010) 7 号 p. 275-287
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    Basic food engineering studies have been carried out on extraction of food materials using subcritical water and chromatographic separation of sugars. An equation for describing the apparent distribution coefficient of a sugar to a cation-exchange resin was proposed. The equation allowed us to estimate the equilibrium constant for ligand exchange between various kinds of sugars and counter-ions, and the swelling pressure of the resin. Two mathematical models were proposed for calculating the concentration profiles of solutes in a simulated moving-bed chromatograph, by which two solutes can be continuously separated. A criterion for achieving good separation was also determined. Materials having functionalities such as emulsifying or antioxidative ability could be extracted from unused bioresources by their subcritical water treatment. Many reactions would occur during the treatment. Therefore, catalytic properties of subcritical water were kinetically investigated for decomposition or degradation of various compounds.
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報文
  • 石永 正隆, トヘティ ルケアム, 上田 愛子, 大濱 恵, 松田 悠衣, 杉山 寿美
    57 巻 (2010) 7 号 p. 288-295
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    小麦粉懸濁液の糊化過程におけるリン脂質の動態について,ラピッドビスコアナライザーを用いて調べた.小麦粉や懸濁状態では,水飽和n-ブタノールによる熱(沸騰水)抽出リン脂質量が常温抽出量を上回っていた.特にリゾレシチン(LPC)量は常温抽出より熱抽出の方が4から5倍高かった.しかし,小麦粉糊液では,逆に常温抽出LPC量が熱抽出より高くなり,熱抽出のLPC量は粘度上昇中ほぼ一定であった.しかし,最高粘度に達した後,粘度が低下する段階では再び熱抽出量が常温抽出量より高くなった.他のリゾリン脂質も似たような変動を示した.
    また,糊化状態では,熱抽出LPCのパルミチン酸の割合は56.5%,常温抽出では37.2%だったが,リノール酸の割合は熱抽出で28%,常温抽出で51.9%であった.一方,n-acylphosphatidylethanolamine (AcylPE)とn-acyllysophosphatidylethanolamine (AcylLPE)は小麦粉や糊化過程では,常温抽出でしか抽出されなかったが,最高粘度に達した後,粘度が低下する段階では,常温抽出と熱抽出で抽出された.
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  • 柴田 真理朗, 杉山 純一, 蔦 瑞樹, 藤田 かおり, 杉山 武裕, 粉川 美踏, 荒木 徹也, 鍋谷 浩志, 相良 泰行
    57 巻 (2010) 7 号 p. 296-303
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    すだち(気泡構造)からパンの食感を推定するために,粘弾性と気泡計測パラメータを計測し,それらの関係の定量化を行った.
    (1) すだちの構造把握に十分な数の気泡を含む大きさを持ち,合わせて試料間にバラツキが確保されるようにサンプリングするために,試料サイズの最適値を決定した.気泡パラメータの変動および実際の計測の安定性を考慮した結果,試料サイズの最適値は1辺20mmの立方体とした.
    (2) クリープ試験により得られた時間-歪曲線に4要素フォークト粘弾性モデルを適用し,4つの粘弾性係数(瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性および永久粘性)を得た.一方,イメージスキャナにより撮像したデータに,画像処理を利用した既往の研究8) の気泡検出法を適用し,平均気泡面積,平均気泡周囲長,単位面積当たりの気泡数,および気泡面積割合の4つの気泡パラメータを算出した.
    粘弾性係数および気泡パラメータの変動係数は7.5~49.2%であり,パン試料断面の部位によって不均一であることが明らかになった.
    (3) 粘弾性係数および気泡パラメータに相関分析を適用した結果,瞬間弾性,遅延弾性および永久粘性と気泡面積割合(画像全体に占める気泡面積の割合)に有意な相関がみられた(r>0.6, p<0.05).
    本実験で用いた試料においては計測した咀嚼面の気泡面積割合が大きいほど,「かたく」感じられることが示唆された.また,既往の研究と異なる方向の画像解析においても食感を推測できる可能を示せた.
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技術論文
  • 沢村 信一, 原口 康弘, 池田 博子, 園田 純子
    57 巻 (2010) 7 号 p. 304-309
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    (1) 石臼抹茶,ボールミル抹茶,粗粉抹茶の中位径は,15~20μm,最大径は50μm以上であり,微粉抹茶,ジェットミル抹茶の中位径は,5μm以下,最大径は10μm以下であった.
    (2) ジェットミル抹茶の円形度は,石臼抹茶,ボールミル抹茶と比較して高く,円形度の違いが伸展性試験や流動性に影響を及ぼしていると推測された.
    (3) 伸展性試験は,粒度の微細なジェットミル抹茶の伸展性が粗い粒度の粗粉抹茶と比較して2倍以上良かった.また,触感においては,伸展性試験の結果以上に,微細さや粗さを感じた.
    (4) ジェットミル抹茶の流動性は,流動開始振動加速度が一定しており,流動速度や流量も一定であった.これに対して,微粉抹茶は流動開始振動加速度が一定せず,流動速度や流量も一定でなかった.これは,円形度が高いことに起因すると考えられる.
    (5) 微粉抹茶の起泡性は,粗粉抹茶と比べて非常に優れていた.泡沫の起泡性向上や安定化には,粒子が微細であるとこが重要であることが分かった.
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研究ノート
  • 宮崎 清宏, 鈴木 芳孝, 杉本 貴美, 今堀 義洋
    57 巻 (2010) 7 号 p. 310-313
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    アールス系メロン‘雅夏系2号'果実を28℃の暗所で,5% O2 (5% O2+0% CO2+95% N2),15% CO2 (20% O2+15% CO2+65% N2),5% O2+15% CO2 (5% O2+15% CO2+80% N2)および空気の各ガス条件下で10日間貯蔵した.
    呼吸量は,いずれのCA処理も空気下での貯蔵に比べて抑制された.5% O2および5% O2+15% CO2条件下では,エチレン生成が著しく抑制され,果肉の軟化,水浸症状および果梗の萎凋が抑制された.これに対して,15% CO2条件下では,貯蔵中はエチレンが生成して空気下と同様に追熟が進行した.このことから,アールス系メロン果実の品質保持には,高濃度CO2条件では効果は認められず,低濃度O2条件または低濃度O2と高濃度CO2を組み合わせた条件が効果的ではないかと思われた.
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  • 村山 徹, 長谷川 浩, 宮沢 佳恵, 武田 容枝, 村山 秀樹
    57 巻 (2010) 7 号 p. 314-318
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    夏秋作における有機および慣行栽培ミニトマトの品質成分の実態を明らかにするため,有機および慣行栽培ミニトマトを各16圃場から試料を得,果実特性とアスコルビン酸,リコペン,β-カロテン,糖類,遊離アミノ酸,クエン酸含量およびエチレン生成量を調査した.有機栽培ミニトマトでは,慣行栽培のものと比較して,果実硬度が小さく,アスコルビン酸とリコペン含量が有意に高かった.また,エチレン生成量が有意に低かった.これらの差違の原因として,実際に流通している有機と慣行栽培ミニトマトには熟度に差がある可能性が推察された.
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技術用語解説
  • 八巻 幸二
    57 巻 (2010) 7 号 p. 319
    公開日: 2010/09/01
    ジャーナル フリー
    アディポカインとは,脂肪細胞から産生・分泌されるさまざまな生理活性物質の総称である.従来アディポサイトカインの名称でも用いられて来た.「アディポ」は脂肪,「サイトカイン」は細胞間生理活性物質を意味する複合語である.現在「サイトカイン」の名称は細胞間の情報伝達物質で免疫調節物質として用いられる場合が多く,免疫調節と関係のない物質もあることより,大きな意味で,近年はアディポカインを用いる場合が多いと思われる.これまでは脂肪細胞は単なる油滴を蓄えるエネルギー貯蔵庫細胞と考えられてきたが,近年メタボリックシンドロームに関わる重要な生理活性物質を産生・分泌していることが明らかとなった.これまでに報告されたアディポカインとして,アディポネクチン(adiponectin),レプチン(leptin),レジスチン(resistin),TNF-α (tumor necrosis factor-α,腫瘍壊死因子),アンジオテンシノーゲン(angiotensinogen),PAI-1 (plasminogen activator inhibitor-1),HB-EGF (heparin binding-epidermal growth factor-like growth factor),ビスファチン(visfatin)などがある1) .またアディポカインの分類では,インシュリンの抵抗性やメタボリックシンドロームを進行させるものを悪玉,よい方向に導くものを善玉と慣用的に呼ぶ場合がある.
    脂肪細胞には形態学的に,小型脂肪細胞,大型(通常)脂肪細胞,巨大化した大型脂肪細胞に分類されている.小型脂肪細胞は直径10μm前後で,球形であり,大型(通常)脂肪細胞は直径70-80μmで,球形ぶどう型である.また巨大化した大型脂肪細胞は直径が100μmを超える多面体型である.通常成長から肥満への過程で,小型脂肪細胞から大型の細胞に分化し,さらに巨大化した大型脂肪細胞へ分化する.また脂肪組織としての分類は,付着する部位が周辺の場合内臓脂肪,皮膚の下の皮下組織の場合は皮下脂肪に分類されている.また脂肪組織の機能によって,脂肪組織は白色と褐色に分類され,通常エネルギーとしての中性脂肪を蓄える単胞性脂肪細胞を白色脂肪組織,蓄えた脂肪をエネルギーとして使用し熱産生の働きを持つ多胞性脂肪細胞を褐色脂肪組織としている.
    1) アディポネクチンは小型脂肪細胞から分泌され,インシュリンの感受性を高めて糖代謝を促進する.また血管拡張作用を持ち血圧上昇を抑制する.また内臓脂肪の巨大化ではその分泌量が低下し,糖代謝異常高血圧を誘導することでメタボリックシンドロームが進行する.そのため,善玉と考えられている.
    2) レプチンは,白色脂肪細胞から分泌され視床下部の満腹中枢に働き食欲を抑制する.脂肪が増加すると分泌が高まり食欲を低下させ肥満を予防するが,脂肪がたまりすぎるとレプチン過剰になり満腹中枢が反応しなくなりレプチン抵抗性となる.
    3) レジスチンは脂肪細胞から分泌されるインシュリン抵抗性ペプチドとして発見された.この遺伝子の変異では糖尿病リスクが高まることが明らかになっている.
    4) TNF-αは白血球(マクロファージ)から産生されるサイトカインとしてよく知られている.通常マクロファージから産生され炎症やアレルギーの初期において白血球の遊走に関与するサイトカインである.近年このタンパクが脂肪細胞からも産生されることが明らかになって,インシュリンレセプターの働きを抑制し,インシュリンの抵抗性を誘導する.すなわち悪玉として作用するアディポカインの一つである.
    5) アンジオテンシノーゲンは,本来肝臓で産生,血液中に分泌される血圧に関与するタンパクであるが,脂肪細胞でも産生されることが明らかとなった.血液中のアンジオテンシノーゲンは腎臓から分泌された分解酵素であるレニンで分解され10個のペプチドからなるアンジオテンシンIとなりアンジオテンシン変換酵素によって2個ペプチドが切り出され,アンジオテンシンIIになり,この物質は強力な血管収縮作用を持つため血圧を上昇させる方向に働く.(View PDF for the rest of the abstract.)
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