日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
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58 巻 , 1 号
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総説
報文
  • 渡辺 満, 六角 啓一, 鮎瀬 淳
    58 巻 (2011) 1 号 p. 7-15
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    生食可能な紫ニンジン(タキイ種苗,TCH-721)のアントシアニンおよびカロテノイド色素組成を明らかにし,調製した両色素抽出物を拘束ストレス負荷マウスに投与して生体内反応に及ぼす影響を調査した.
    (1) 紫ニンジンにはアントシアニンとして,いずれもシアニジンをアグリコンとする5つの化合物が含まれていた.またカロテノイドとして,β-およびα-カロテン,フィトエンが含まれていた.
    (2) 紫ニンジンから調製したカロテノイドおよびアントシアニン色素抽出物を各々単独,あるいは両者の混合物を拘束ストレス負荷マウスに投与したところ,拘束ストレス負荷により増加するマウスの血漿動脈硬化指数,血漿および肝臓の脂質過酸化度の増加がいずれも抑制された.
    (3) 同じく拘束ストレス負荷マウスで増加する肝臓総コレステロールは,カロテノイドまたはアントシアニンを投与したマウスでは低下傾向にあったが,両色素の混合物投与により有意に低下し,カロテノイドとアントシアニンの相加的効果が認められた.
    これら結果から,紫ニンジンに含まれるカロテノイドおよびアントシアニン色素抽出物には両者の相加的な効果を含め,抗ストレス作用が期待できることが明らかになった.
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  • 平良 淳誠, 大嶺 和可奈
    58 巻 (2011) 1 号 p. 16-20
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    カンショ茎葉に含まれる機能性ポリフェノールのカフェ酸誘導体のcaffeic acid (CA), chlorogenic acid (ChA), 4,5-di-caffeoylquinic acid (4,5-diCQA), 3,5-diCQA, 3,4-diCQAおよび3,4,5-triCQAについて,沖縄在来系統由来の9品種と比較品種系統の2品種の計11品種で定量した.各品種の総カフェ酸誘導体の含量とポリフェノール含量は相関し(r=0.94),主要なポリフェノールであることが示された.特にカフェオイルキナ酸誘導体の4,5-diCQAと3,5-diCQAは全ての品種の主成分であった.品種別では,‘コガネユタカ’, ‘春コガネ’および‘名護マサリ’の含量が顕著に高かった.またカフェ酸誘導体がLDL酸化の抑制に寄与していることが示唆され,初期の動脈硬化症の予防食素材になることが期待された.本研究から沖縄産カンショ茎葉が機能性食品素材として有用品種になることが示された.
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研究ノート
  • 岩井 邦久, 岩井 佳代, 松江 一, 小野寺 昭夫
    58 巻 (2011) 1 号 p. 21-25
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    ガマズミ果実のBrixおよびDPPHラジカル消去活性は採取時期とともに増加し,11月に最大となった.11月は熟度が増して果汁が増加するとともに,Brixも増大することから果汁の搾汁に適している.また,ガマズミ·ポリフェノール含量(C3S, 5-CQA, C3G等)も10∼11月に最大となった.特に,C3SおよびC3Gは時期とともに顕著に増加し,Brixとの良好な相関性も得られた.従って,糖度や熟度が関係する収穫時期の簡易な判定にはBrixが用いられるが,Brixはガマズミ·ポリフェノール濃度の指標としても有用であることが示唆された.
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  • 岸根 雅宏, 奥西 智哉
    58 巻 (2011) 1 号 p. 26-29
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    糯米の簡易検出法を開発したので報告する.我々はまず,既に報告されている糯米の2つのモチ性変異に由来するDNAマーカーを開発し,その2つのマーカーいずれかによって,糯米の主要48品種(流通量の99.6%)がすべて検出可能であることを示した.また,開発したDNAマーカーの特異性と感度を検証するため,粳米に糯米を人為的に混入したサンプルを用いて分析を行った結果,どちらのDNAマーカーも糯米に特異的であり,また少なくとも0.5%以上の糯米の混入であれば検出可能であることが明らかとなった.
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技術用語解説
  • 安井 明美
    58 巻 (2011) 1 号 p. 30
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    標準物質(reference material : RM)は,端的に言えば,モノを測るときの「基準となる物質」で,その適切な使用によって分析の信頼性を確保することが,各種の規制·規格,安全対策の基盤などにおいて必須となっている.
    JIS Q 0035 : 2008 標準物質の認証—一般的および統計学的原則(ISO Guide 35 : 2006)では,RMは,「一つ以上の規定特性について,十分均質,かつ,安定であり,測定プロセスでの使用目的に適するように作製された物質」と定義されている.それには,高純度物質(標準品)だけではなく,特性値が確定された組成物質も含まれる.組成物質とは,食品のようなマトリックスを持つものを言う.後者は「標準試料」とも呼ばれている.
    RMの中で,「一つ以上の規定特性について,計量学的に妥当な手順によって値付けされ,規定特性の値及びその不確かさ,並びに計量学的トレーサビリティを記載した認証書が付いている標準物質」が,認証標準物質(certified reference material : CRM)である.CRMにおいて,その認証書に記載された規定特性の値は,認証値と呼ばれ,その不確かさは,「ある量の認証値に付けられた推定値で,「真の値」が,表記された信頼水準で,確実にその内にあるといえる値の範囲を指定したもの」で,通常,包含係数k=2(約95%の信頼区間)の拡張不確かさで表されている.ここでは,組成標準物質に限定して解説する.
    1. 認証標準物質
    分析法の妥当性確認や内部質管理(内部精度管理)における真度の検討,国際単位系(SI)へのトレーサビリティ確保のために,分析対象試料と似たマトリックスを持ち,分析種の認証値が決められている組成CRMが利用される.RMに関しては,国際標準化機構(ISO)が発行している特に関連深い指針として,ISO Guide30∼35がある.対応するJIS はQ0030∼0035である.
    現在の日本のCRMには,(1) ISO Guide 34に適合した品質システムであると第三者の認定を受けた標準物質生産者が供給しているもの,(2) 校正事業者登録制度(Japan Calibration Service System, JCSS)の体系内で扱われているもの,(3) 標準物質生産者の自己宣言によってその品質が保証されているもの,(4) その他など,様々な品質のものがある.なおJCSSの対象となる校正の源である国家計量標準(一次標準 : 特定標準器等又は特定標準物質)は,計量法に従い,産業界のニーズや計量標準供給体制の整備状況等に基づき経済産業大臣が指定している.
    2. CRMの選び方
    使用する分析法の真度の確認には,CRMの使用が最も推奨されるが,そのマトリックスが,分析対象試料のマトリックスと類似していることが重要である.分析法の妥当性確認において,あるマトリックスで妥当性が確認されても,マトリックスが異なれば,妥当性確認されたことにはならないのと同様である.
    しかし,常にマトリックスが類似したCRMがあるとは限らない.また,ルーチン分析の内部質管理に高価なCRMをいつも使用するのは負担が大きい.そこで,そのような場合には,自身で実用標準物質を作製して利用する.また,技能試験終了後の残余試料が標準物質として供給される場合は,これを使用することもできる.
    目的とする標準物質の検索には,(独)製品評価技術基盤機構(以下,NITE)のウェブサイト(http://www.rminfo.nite.go.jp/index.html)から,NITEの認定センターが運営している標準物質総合情報システム(Reference Materials Total Information Services of Japan, RMinfo)やドイツ連邦材料研究試験局(BAM)が運営し,NITEがコーディングセンターとして参画している国際標準物質データベース(COMAR)のデータベースが利用できる.
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