日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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58 巻 , 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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報文
  • 吉村 美紀, 大矢 春, 藤村 庄, 渡辺 敏郎, 横山 真弓
    58 巻 (2011) 11 号 p. 517-524
    公開日: 2011/12/31
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    本研究ではシカ肉の有効活用のため,シカ肉の食肉としての肉質および嗜好性の改良を目的として,兵庫県で捕獲した天然のニホンジカの「熟成前肉」「熟成後肉」のモモミンチ肉に,麹菌(Aspergillus oryzae)で製麹した多穀麹を添加し,10℃で2日間保蔵し加熱調理したシカ肉試料の物性測定,遊離アミノ酸分析および官能評価を行った.
    「熟成前肉」と「熟成後肉」とも,多穀麹の添加により試料の面積は広がり,破断応力と破断エネルギーが小さくなり,放出する肉汁が減少し,遊離アミノ酸量が増加した.官能評価において,多穀麹を添加した試料は,軟らかく,うま味が多く,飲み込みやすいと評価された.「熟成後肉」は「熟成前肉」と比較し,やや軟らかく,放出する肉汁が少なく,遊離アミノ酸量の蓄積が多かった.「熟成前肉」では蓄積されているアミノ酸量が少なかったが,多穀麹添加により総遊離アミノ酸含量が著しく増加した.
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  • 吉田 充, 三好 恵子, 堀端 薫, 水上 裕造, 竹中 真紀子, 安井 明美
    58 巻 (2011) 11 号 p. 525-530
    公開日: 2011/12/31
    ジャーナル フリー
    日本人の主食である炊飯米からのアクリルアミド摂取寄与を推定するために,炊飯米に関して臭素化誘導体化GC-MS法による低濃度での定量分析法を確立し,アクリルアミドの測定を行った.本分析法の玄米おけるLOQは0.20 μg/kg,LODは0.09 μg/kg,発芽玄米では,LOQは0.17 μg/kg,LODは0.07 μg/kg,精白米では,0.14 μg/kg,LODは0.06 μg/kgであった.2種類の家庭用炊飯装置で炊飯を行った結果,米に生じたアクリルアミドの濃度は,発芽玄米,玄米,精白米の順であった.IH真空圧力炊き炊飯器の1機種を用いた炊飯ではいずれの米の場合も,電子ジャー炊飯器の1機種を用いた炊飯よりもアクリルアミド濃度は低く,業務用炊飯装置の1機種による炊飯ではさらにアクリルアミド濃度は低かった.この炊飯器の違いによるアクリルアミド濃度の差は,炊飯時の温度履歴の違いと高温になる鍋肌の材質の違いによると考えられた.本測定結果を日本人の炊飯米の摂取量と合わせて考えると,他の食品を含めたアクリルアミドの摂取量全体に対して,炊飯した精白米からのアクリルアミド摂取の寄与は小さいことが確認された.玄米および発芽玄米についても,IH真空圧力炊き炊飯器や業務用炊飯器で炊飯すれば,アクリルアミド摂取に対する寄与率は小さいが,焦げを生じさせるとその寄与はアクリルアミドの摂取源の一つとして無視できないものとなり得る.
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技術論文
  • 谷本 昌太, 甫出 一将, 川上 晃司
    58 巻 (2011) 11 号 p. 531-536
    公開日: 2011/12/31
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    無洗米処理時の副産物であるアリューロン糠(NTWPおよびSJR)を有効利用する目的で,アリューロン糠の全アミノ酸組成,タンパク質濃縮物のタンパク組成および食品機能特性を米糠および白米のそれらと比較した.アミノ酸分析の結果,NTWPとSJRのアミノ酸組成に有意差は認められなかった.GABA含量は,SJRで米糠および白米と比べて有意に高い値を示した.タンパク質濃縮物のタンパク質含量は,白米,NTWP,米糠,SJRの順に多かった.SDS-PAGEの結果,NTWPおよびSJRのタンパク濃縮物は,米糠と白米のタンパク質濃縮物のそれらの中間的な泳動パターンを示した.NTWPのタンパク質濃縮物の起泡力および気泡安定性は米糠のタンパク質濃縮物と同様に白米およびSJRのタンパク質濃縮物と比べて有意に高い値を示した.タンパク質濃縮物の乳化力は,アリューロン糠,米糠,白米でほぼ同等の値を示し,有意差が認められなかった.タンパク質濃縮物の乳化安定性において,アリューロン糠は米糠と比べて有意に低く,白米と比べて高い値を示したが,有意差は認められなかった.
    以上の結果は,NTWPのタンパク質濃縮物は米糠または白米のタンパク質濃縮物と同等の食品機能特性を有し,SJRのタンパク質濃縮物は起泡性に劣るものの,米糠または白米のタンパク濃縮物と同等の乳化性を示すことが明らかとなった.
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研究ノート
  • 竹中 真紀子, 七山 和子, 井上 栄一
    58 巻 (2011) 11 号 p. 537-541
    公開日: 2011/12/31
    ジャーナル フリー
    ヤーコンの品種・系統間の各種特性を比較し,健康増進への寄与が期待できる食品として有望な品種・系統を見出すことを目的として,2カ年分の3品種および13系統のヤーコンの塊根および塊茎に含まれるポリフェノール化合物の含有量を中心に各種特性を評価した.3品種のうち‘サラダオトメ’および‘サラダオカメ’は塊根のポリフェノール含有量が多かった.16品種・系統のうち ‘ペルー1’,‘ペルー3’ および ‘ペルー4’ は特に塊茎のポリフェノール含有量が多く,‘CIP205029’は糖含量が最も多かった.ヤーコンの同一品種・系統の塊根および塊茎のポリフェノール含有量には正の相関が認められた.
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  • 工藤 重光, 伊藤 聖子, 吉原 秀一, 加藤 陽治
    58 巻 (2011) 11 号 p. 542-547
    公開日: 2011/12/31
    ジャーナル フリー
    サケ鼻軟骨から調製したPGNPの安全性を確認するために,細菌を用いた復帰突然変異試験,ほ乳類の培養細胞を用いる染色体異常試験,ラットにおける単回および90日間反復経口投与毒性試験,並びに,ヒトによる安全性試験を実施した.
    復帰突然変異試験および染色体異常試験おいて,PGNPは陰性であった.
    ラットを用いた単回投与試験においては,PGNPの投与(2000 mg/kg)に関連した変化は認められず,PGNPの致死量は2000 mg/kgを超える量であると結論づけられた.従って,PGの致死量としては,800 mg/kgを超える量であると考えられる.また,90日間反復経口投与毒性試験においては,PGNPの無毒性量が1000 mg/kg/日であることから,PGとしての無毒性量は少なくとも400 mg/kg/日であると考えられる.
    ヒト安全性試験においては,PGNPを1日当たり1500 mg (PGとして600 mg),5日間継続摂取しても臨床上問題となることはなかった.
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解説
  • 増田 亮一
    58 巻 (2011) 11 号 p. 548-551
    公開日: 2011/12/31
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  • 井上 義之
    58 巻 (2011) 11 号 p. 552-558
    公開日: 2011/12/31
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    食品分野において粉体技術は様々な場面で用いられている.中でも微粉砕は近年特に重要な単位操作になっている.そこで本文では分級機内蔵衝撃式粉砕機,ピンミル,ジェットミルの三種類の粉砕機を用いて大豆の微粉砕のテストを行った結果を示した.分級機内蔵衝撃式粉砕機では,固着とそれに伴うオーバーロードが生じたため連続運転が出来なかった.これは油分によるものと考えたが,それを抑制することは熱分析の結果から非常に困難であると考えていることを示した.一方,ピンミルでは平均粒子径として10∼30 μmの製品を時間当たり数十kg以上の能力で得られることを示した.特に10 μmの粒子は,一度ピンミルで粉砕した粒子をもう一度,同じ粉砕機で処理することによって得る事ができる.さらにカウンタージェットミルを用いることにより20 kg/hという比較的低能力ながら,平均粒子径として5 μmの粒子が得られることを示した.
    また粉砕分級システムを利用することによって,豆類の成分濃縮を乾式で行いうることを示した.このシステムにおいて,粉砕機は単に微粉化するだけではなく,タンパクとデンプン粒を分離する役割を果たしている.また分級機は分離したタンパクとデンプン粒をそのサイズによって分離している.
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  • 中村 彰宏
    58 巻 (2011) 11 号 p. 559-566
    公開日: 2011/12/31
    ジャーナル フリー
    水溶性大豆多糖類(SSPS)は, 分離大豆蛋白質を製造する過程で副生するオカラから抽出した水溶性の多糖類である.食物繊維含量が高く, 水溶液は低粘度であり, 酸性下でも熱安定性に優れた特徴を持つ.分散安定性, 乳化性, 結着性, 造膜性に優れることから, 食物繊維強化食品への利用のみならず, 様々な食品の物性改良剤として利用されている.本稿ではSSPSの多糖類としての基本的性質と食品における物性改良機能について紹介する.
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