日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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59 巻 , 10 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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報文
  • 山形 純子, 伊與田 浩志, 西村 伸也
    59 巻 (2012) 10 号 p. 491-502
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    水蒸気を利用したオーブン加熱における被加熱物への伝熱形態別の伝熱量の時間変化を把握するために,気流の温度,湿度,流速が一定条件のもとで,湿らせたガーゼ球を試料として,加熱実験を行い,試料表面における熱収支に基づき,伝熱機構解析をおこなった.また,実機としてスチームコンベクションオーブンの伝熱機構解析を行った.その結果,以下のことが示された.
    (1) 気流温度,ガーゼ球表面温度および加熱前後のガーゼ球重量を測定することで,対流熱伝達係数を概算し,試料へ加えられた熱流束を形態別(対流,ふく射,伝導伝熱および凝縮伝熱)に分離し,各熱流束の時間変化を図示した.
    (2) 試料への伝熱形態別熱流束の時間変化を計算することで,試料水分変化量を推算し,推算結果と実測値がほぼ一致することを示した.
    (3) 実機であるスチコンの伝熱機構を,伝熱形態別熱流束の時間変化を図示することで示した.これにより,試料に加えられる総受熱量や凝縮熱量(凝縮水量),蒸発速度の大小を設定条件(気流温度,湿度,風速)により比較することが可能となった.
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  • 柴田 真理朗, 杉山 純一, 藤田 かおり, 蔦 瑞樹, 吉村 正俊, 粉川 美踏, 荒木 徹也
    59 巻 (2012) 10 号 p. 503-508
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    様々なアミロース含量の米を用いて調製した米粥パンのローフの比容積およびクラムの粘弾性を計測し,アミロース含量との関係を調べた.
    (1) 中アミロース米粥パンが最も比容積が大きく,高アミロース米粥パンが最も小さかった.
    (2) 高アミロース米30%米粥パンを除いて,米粥パンは米粥非含有パンよりクラムの粘弾性が減少した.
    (3) 米のアミロース含量,および米の小麦粉との置換率という2つの要因によって得られる米粥パンの物性は,パン生地中の正味のアミロース含量という点で整理すると,3段階で変化した.
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  • 則松(田村) 亜紀子, 森 浩
    59 巻 (2012) 10 号 p. 509-514
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    健常人女性10名において,下肢むくみに対するボタンボウフウを含む試験飲料の6日間摂取による改善効果を検討した.その結果,飲料摂取により下腿周囲径の増加が抑制され,VASアンケートにおける被験者の体感でもむくみの軽減が示唆された.また,飲料に含まれるボタンボウフウ中のポリフェノールを分析したところ,柑橘類に含まれることが知られているヘスペリジンやジオスミンが検出され,他の含有成分とともに血流改善,むくみ改善に関与する可能性が推察された.
    以上のように,ボタンボウフウを含む試験飲料の摂取により健常人のむくみが改善することが示唆された.
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技術論文
  • 松本 泰典, 森山 洋憲
    59 巻 (2012) 10 号 p. 515-521
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    スラリーアイス製造装置と遠心分離機を組み合わせた懸濁結晶法による凍結濃縮システムにて,ブンタン果汁を用い濃縮を行ったときの成分分析,濃縮果汁の回収率から同システムの性能の有効性を調べた.
    実験では11.0 °Brixのブンタン原液果汁を濃縮装置に投入し,13.2∼38.7 °Brixの濃縮果汁を得た.HPLC分析により,濃縮果汁のフルクトース,グルコース,スクロース,クエン酸,リンゴ酸,アスコルビン酸,ナリンギン,ヘスペリジン,リモニン,アミノ酸の各含量の分析を行った.その結果,すべての成分が原液果汁よりも濃縮され,各成分とBrix値の濃縮倍率には相関があり,線型的な関係が見られた.濃縮果汁の回収率を調べる実験では,約3倍に濃縮したときの平均回収率が87.9%であった.これによりブンタン果汁を用いた実験では本システムにて安定した濃縮が行え,しかも高い回収率が見込めることが示唆された.
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  • 山崎 慎也, 澁澤 登, 栗林 剛, 唐沢 秀行, 大日方 洋
    59 巻 (2012) 10 号 p. 522-527
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    (1) 杏仁をエタノール濃度0∼99.5 % (v/v)の水溶液に1∼3日間,25℃で浸漬し,アミグダリン量の変化を調べた結果,エタノール濃度10∼30% (v/v)の範囲の水溶液に浸漬した杏仁において,特にアミグダリンの低減促進効果が高かった.
    (2) 0,20,50% (v/v)のエタノール水溶液に杏仁を浸漬し,アミグダリンの低減における酵素分解と浸漬液への溶出の割合について調べた結果,分解量は20% (v/v),溶出量は50% (v/v)で特に高い数値を示した.
    (3) 細胞損傷による酵素溶出がエタノール水溶液による低減の要因である可能性について検討し,エタノール濃度0% (v/v)においてもアミグダリンの減少が見られたことなどから,細胞損傷はエタノール水溶液によるアミグダリン低減機構の直接的な要因ではない考えられた.
    (4) 以上の結果から,エタノール水溶液によるアミグダリン低減促進効果の要因の一つとして,杏仁からのアミグダリンの溶出力とエタノール水溶液中での酵素活性のバランスにより,10∼30% (v/v)のエタノール濃度で特に高くなったという機構を推察した.
    (5) 杏仁を20% (v/v)エタノール水溶液に35℃で2日間浸漬することによってアミグダリン濃度を低減した後,蒸留水に交換してさらに35℃で2日間浸漬し,その後40℃で16時間送風乾燥を行うことで,最終的にシアン化水素残存量を7μg/gまで低減することができた.
    本研究の一部は,第58回日本食品科学工学会大会において発表した.
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研究ノート
  • 平畑 理映, 小林 麻貴, 江草 信太郎, 榊原 里恵, 福田 滿
    59 巻 (2012) 10 号 p. 528-532
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    肥満は先進国において深刻な問題であるが,脂肪エネルギー比の高い食生活が依然として続けられている.大豆食品の摂取は脂質代謝改善に効果的であることが知られている.通常食投与ラットでは乳酸発酵豆乳による脂質代謝改善効果が既報で明らかになっているので,本研究では高脂肪食投与時の乳酸発酵豆乳による効果を調べた.7週齢SD系雄性ラットをAIN-93G組成の基準飼料で1週間予備飼育後,AIN-93G組成基準食群(コントロール群,CO群),基準食の28.5%を牛脂に置換した高脂肪食群(脂肪エネルギー比60%)(HF群),高脂肪食の24.1%を乳酸発酵豆乳で置換した試験食群(飼料中大豆タンパク質10%含有)(HF-FS群)の3群(各群7匹)に分け5週間飼育した.飼育期間中に血漿脂質濃度と体脂肪量を,飼育終了後に肝臓脂質量を測定した.HF-FS群ではHS群に比べて血中TG濃度の有意な減少が認められた.また,HF-FS群ではHF群に比べて肝臓総脂質量,肝臓コレステロール量が有意に低下した.以上の結果から,高脂肪食投与ラットにおいて乳酸発酵豆乳を摂取すると,肝臓の脂質代謝を改善して血中TG濃度を低下させると推定された.
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  • 竹中 真紀子, 永谷 幸善, 小野 裕嗣, 七山 和子, 五十部 誠一郎
    59 巻 (2012) 10 号 p. 533-537
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    タマネギを原料とした風味付け調味料であるオニオンエキスが高いラジカル消去活性を有していることに着目し,その変動特性を明らかにするために,オニオンエキスの製造工程におけるラジカル消去活性の変動,主要なフラボノイドの含有量および褐変度の変動を追跡した.製造工程のうち,タマネギ搾汁濃縮液を加熱する段階でラジカル消去活性および褐変度が上昇し,遊離糖および遊離アミノ酸の一部ならびに多くのフラボノイドは消失した.オニオンエキスのラジカル消去活性本体はメラノイジンであると考えられ,疎水性相互作用による固相抽出を用いたオニオンエキスの分画において,疎水性の高い画分がより高い褐変度およびラジカル消去活性を有する傾向が見られた.
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  • 山﨑 民子, 荒井 克仁, 得字 圭彦, 川原 美香, 大庭 潔, 木下 幹朗, 大西 正男
    59 巻 (2012) 10 号 p. 538-543
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    十勝産ナガイモの成分組成,アミラーゼ力価およびO2‾消去活性を検討し,基幹作物である十勝産ジャガイモの既報の分析結果と比較した.その結果,十勝産ナガイモは水分とカルシウムが多く,ビタミン類についてはα -トコフェロールは多かったものの,ビタミンB1,ビタミンB6およびアスコルビン酸は少なかったが,ビタミンEの供給源としては期待できることが示された.また,食物繊維量は少ないが,その中で水溶性食物繊維の占める割合が高かった.デンプンは少なく,アミロースの割合は25%であった.一方,RSは多く含まれていた.遊離の糖類としては,ブドウ糖と果糖が多く,ショ糖が同程度であった.主要な構成アミノ酸はグルタミン酸とアルギニンであった.アミラーゼ力価は低レベルであったことから,ナガイモが生食できることとナガイモ自体のアミラーゼ活性は関係していないと推測される.また,水抽出物のO2‾消去能は70単位/gと少し低かったが,抗酸化成分の供給源として十分に期待できる値であった.以上より,十勝産ナガイモは十勝産ジャガイモと同様に基幹作物としての利用が大いに期待できる.
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