日本食品科学工学会誌
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59 巻 , 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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報文
  • 窪 孝雄, 藤田 尚孝, 南部 優子, 松村 康生
    59 巻 (2012) 11 号 p. 545-555
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    食品添加物として用いられているカリウム型の脱アシルジェランガムのゲル化に与えるカルシウム濃度と冷却速度の影響を円偏光二色性試験,動的粘弾性試験,圧縮試験,離水測定,走査型電子顕微鏡観察により検討した.0.15%のジェランガム水溶液を90℃に加熱して種々の濃度のカルシウムを添加しpHを3.8に調整した後,様々な冷却速度で80℃から10℃まで冷却しゲル化させた.その結果,カルシウム濃度6.5mMのジェランガム水溶液では40℃から10℃を速く冷却するよりも遅く冷却した方がG'の飽和値が高くなり,冷却後のゲルの破断応力も高く緻密な構造となることが示唆された.一方,カルシウム濃度26mMのジェランガム水溶液では40℃から10℃を遅く冷却するより速く冷却した方がG'の飽和値は高くなり,冷却後のゲルの破断応力も高く緻密な構造となることが示唆された.食感を比較すると6.5mMはなめらかであるのに対して26mMではざらざらしていた.以上の結果より,カルシウム濃度に応じて,ジェランガムのゲル化挙動と構造形成に対して,冷却速度は異なった様式で影響を与えることが示された.
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  • 田中 守, 山岸 賢司, 菅原 卓也, 廣内 智子, 岡本 威明
    59 巻 (2012) 11 号 p. 556-561
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,抗アレルギー作用を持つカゼイン由来ペプチドの検索を目的とし,抗アレルギー作用と関連が高い脱顆粒阻害作用を検討した.さらに,抗アレルギー作用を持つペプチドを構成するアミノ酸の脱顆粒阻害作用,およびサイトカイン産生とアミノ酸の荷電密度との関連性について検討した.ペプチドサンプルは,カゼイン由来ペプチド混合物であるCE90GMMに含まれているトリ,もしくはテトラペプチド,HAQ,DMES,EQPI,KIKEを用いた.ラット好塩基球様細胞株(RBL-2H3)を用いて,ペプチド共存下で抗原抗体反応による脱顆粒の際に放出されるβ-hexosaminidaseを測定し,抗アレルギー作用を評価した.サイトカイン産生(TNF-α,IL-4)はELISA法により求めた.各種アミノ酸の最適化構造,および電荷状態は,静電ポテンシャルの三次元マップにより評価した.CE90GMM(0.25mg/mL)刺激下で有意な酵素放出活性の低下が認められた.また,4種類のペプチド刺激下(10~500μg/mL)では,全てのペプチドにおいて用量依存的に脱顆粒阻害作用があることが示唆され,脱顆粒阻害作用はペプチドの種類により異なることが明らかとなった.さらに,抗アレルギー作用を示すアミノ酸の特徴として,側鎖に芳香環を持ち,さらに芳香環の電荷密度が関係している可能性が示唆された.
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  • 肥後 温子, 和田 淑子, 佐藤 之紀
    59 巻 (2012) 11 号 p. 562-571
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    生地の配合割合を変えてガスオーブン加熱法とマイクロ波併用加熱法でクッキー様焼成品を作製し,調湿保存して力学特性値の変化を調べたところ,マイクロ波加熱を含めた糊化度の高い試料では吸湿時にさらに硬化が助長されて最大破断強度,総エネルギー値が大きくなり,強靭な硬さになるとともに硬化領域が拡大する現象がみられた.
    吸湿時の硬化現象と水のクラスとの関わりを吸着および脱着時の収着曲線を解析して調べたところ,脱着時のWmMC量の方が力学特性値との相関が高く,力学特性値の変化と水のクラス変化とがよく一致することがわかった.
    力学特性値とWmMC量との間に高い相関関係が認められたことから,デンプン性食品が吸湿後に強靭な硬さを保持し硬化領域が拡大する要因の一つは糊化に伴う結合水量の増加である可能性が大となった.
    糊化した試料ほどWmMC量が多く,吸湿時に脆性破断状態が保持されるR.H.7.6~43 %はすべてWm領域に入ること,R.H..56 %から延性破断となり,糊化度が高い試料ではR.H.56~88 %まで硬化領域が拡大すること,硬化した領域はすべてMC領域に入ることが明らかになった.
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  • 肥後 温子, 和田 淑子, 佐藤 之紀
    59 巻 (2012) 11 号 p. 572-582
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    クッキー,ビスケット,クラッカー,コーンスナック,ポテトチップ,小麦煎餅,うるち米煎餅,もち米煎餅,ポテト煎餅の9種の市販菓子を用いて,調湿保存時の力学特性の変化と,吸着時・脱着時の収着曲線を解析して求めたWmMC値との関わりを調べた.
    (1) R.H.7.6~32 %付近では,すべての試料が脆性破断を示した.R.H. 43 %付近より延性破断となって硬化する試料と軟化する試料に分かれ,R.H.88 %付近まで硬化状態が続いたが,それ以上になるとすべての試料が軟化した.
    (2) 脆性破断領域はすべてWm型の結合水領域に含まれ,硬化領域の大部分はMC型の結合水領域に含まれた.
    (3) 糊化度の高い試料はMC領域において硬化し,高湿度域まで硬化領域が拡大した.糊化度が低い試料はMC領域から軟化が始まった.
    (4) 吸着時の収着等温線から計算したWmMC値より,脱着時の収着等温線から計算したWmMC値の方が,力学特性値の変化とよく対応することがわかった.
    (5) 糊化特性値とWmMC領域内の硬さとの間に高い相関が認められ,糊化に伴うMC値の増加が吸湿後の硬化要因である可能性が強くなった.
    (6) 単分子層から多重層収着水への変化が誘因となって脆性破断状態から硬化状態へ移行する力学特性の変化が引き起こされた可能性が示唆された.
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技術論文
  • 森房 素乃子, 折笠 貴寛, 村松 良樹, 田川 彰男
    59 巻 (2012) 11 号 p. 583-590
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    リンゴ果肉の熱風乾燥過程において,各種溶液を果肉表面へ散布処理した結果,以下の知見が得られた.
    (1) 散布処理を施すことで,試料内部の温度上昇および表面硬化が抑制された.
    (2) 熱風乾燥において散布処理を施すことで乾燥時間の短縮および乾燥速度の増大が確認された.
    (3) 散布処理を施しながら熱風乾燥した場合の試料の含水率変化は,減率乾燥第一段で適用される指数モデルで表すことが可能であった.
    (4) リンゴ果肉の熱風乾燥における褐変反応の速度論的解析の可能性が示唆された.
    (5) 褐変の抑制効果がある溶液を散布溶液として用いることで,褐変の抑制が可能となり,褐変反応において基質となる成分減少も抑制された.
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研究ノート
  • 宮井 輝幸, 秋山 正行, 中川 稔, 矢野 陽一郎, 池田 三知男, 市橋 信夫
    59 巻 (2012) 11 号 p. 591-594
    公開日: 2012/12/31
    ジャーナル フリー
    コーヒー,紅茶および緑茶の各種試料に,Bacillus属細菌(B. cereus, B. subtilis, B. coagulans) 芽胞を接種し,85℃30分間(食品衛生法におけるpH 4.6以上の清涼飲料水の殺菌基準) 加熱処理した後,その試料の保存中における生育挙動を調べた.コーヒー,紅茶試料では,牛乳を添加した場合,B. cereusB. subtilisの菌数の増加がみられたが,牛乳を添加していないコーヒー,紅茶および緑茶の各種試料(pH調整の有無;コーヒーの焙煎度;紅茶の抽出温度;コーヒー,紅茶への砂糖添加) では,Bacillus属3菌種の菌数の減少がみられた.これらのことより,85℃30分間の加熱殺菌条件で製造した牛乳無添加の各種飲料中にBacillus属3菌種が生残していたとしても,コーヒー,紅茶および緑茶の抗菌性により商業的な無菌性が保証される可能性が示唆された.
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