日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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59 巻 , 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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報文
  • 沢村 信一, 一谷 正己, 池田 博子, 園田 純子
    59 巻 (2012) 3 号 p. 109-114
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    粉砕方法と粒度の異なる抹茶を用いて起泡試験を行い,起泡性,安定性および画像処理によって泡沫径,抹茶粒子の泡沫における局在を調べた.
     (1)抹茶の起泡性は,茶葉サポニンなどの可溶性成分による一定量の起泡と,抹茶が微細なことによって粒子数が増加し,その粒子数の指数と相関した起泡が合わさったものであることが示唆された.
     (2)抹茶泡沫の安定性は,排液量比率,安定性,泡沫の薄膜化率および抹茶懸濁液の粘度の項目で評価した.これらのいずれの項目においても,規則性が認められず一定の値を示し,試験に供した粉砕方法や粒度あるいは抹茶濃度に関わらず安定性に差異が確認されなかったが,脂質などの成分の関与が示唆された.
     (3)抹茶泡沫を泡沫の上面から画像を撮ることによって評価した.粉砕方法や粒度の異なる抹茶において,泡沫径を体積基準で表したこと,および泡沫を上面から撮ったことで,径の大きな泡の影響が大きいため起泡直後および起泡10分後の泡沫径に差が認められなかった.抹茶粒子の泡沫における局在は,泡膜内面に沿って存在していることを確認した.
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  • 植村 泰介, 田川 彰男
    59 巻 (2012) 3 号 p. 115-121
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    ダイコンのDFにおける,脱水,解凍の条件に関して以下の知見を得た.
     (1)電気インピーダンスの測定結果,併用乾燥における新鮮重量の80%(93.4%(w.b.))までの脱水ならば,生試料とほぼ同等の細胞膜健全性を示した.
     (2)脱水後における電気インピーダンスの測定結果,凍結状態の細胞構造の観察,および内容成分の損失の観点から,短時間で且つ内部水分を均一に脱水する併用乾燥は,DFにおける脱水法として適用できる可能性がある.
     (3)硬さおよび貫入抵抗の結果,短時間の解凍で,同時に復水を行う温水浸漬解凍(40℃)は表面硬化の抑制する.
     (4)解凍後のインピーダンス測定結果,温水浸漬解凍(40℃)は復水性を有し,Cole-Coleの円弧の維持が見られた.
     今後は詳細な解凍に用いる蒸留水の温度および浸漬時間の設定,加えてその後の微生物の繁殖しやすくなる解凍後の温度管理の検討が必要である.
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  • 鈴木 学, 浅野 祐三, 藤田 治子, 井上 直幸, 阿部 忠博, 越智 浩, 小石原 洋, 岩附 慧二
    59 巻 (2012) 3 号 p. 122-126
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    (1)クリープメータによる物性測定において,プロセスチーズは脂肪率を下げると最大荷重が大きくなる傾向が認められた.
    (2)官能検査結果において,脂肪率が下がると「硬さ」と「弾力」は双方共に評価得点が大きくなった.一方,「口どけ」の評価得点は脂肪率と共に小さくなった.
    (3)SEM画像結果において,プロセスチーズ表面の組織は脂肪率が下がると網目構造が緻密になる傾向が見られ,この組織の変化が硬さ等の食感に影響を与えている可能性が考えられた.
    (4)WPC80または熱変性WPC80を脂肪率18% (w/w)の低脂肪プロセスチーズに添加すると,最大荷重が小さくなり脂肪率の高いチーズの物性に近づく傾向が見られた.
    (5)WPC80または熱変性WPC80を添加した低脂肪プロセスチーズは,官能評価において未添加の低脂肪プロセスチーズよりも「軟らかい」,「弾力が弱い」,「口解けが良い」と評価され,脂肪率の高いプロセスチーズの食感に改善されていた.
    (6)SEM観察から,熱変性WPC80は添加割合を大きくすると網目構造の目が粗くなり,脂肪率の高いプロセスチーズの組織に近づくことが示唆された.一方,WPC80は添加割合を大きくすると,網目構造の目は変化しないが網目を構成している骨格が細くなっていくことが示唆された.
    (7)WPCには低脂肪プロセスチーズの食感を改善する効果があることが示唆された.また,WPCの添加によって低脂肪プロセスチーズの組織構造が変化し,その変化は添加するWPCの熱変性度によって異なる可能性が示唆された.
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  • 右田 光史郎, 高濱 結花, 高萩 康, 杉山 尚弥, 菊池 圭祐, 松石 昌典, 沖谷 明紘
    59 巻 (2012) 3 号 p. 127-138
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    市販の和牛,交雑牛,乳牛および輸入牛(豪州産)の皮下脂肪(SF)と筋内脂肪(IF)について,固相マイクロ抽出(SPME)した加熱香気成分を比較した.その結果SFでは,和牛はアルデヒド,アルコール類が,交雑牛ではアルカン,芳香族化合物類が,輸入牛はエステル類が多かった.和牛香に寄与するラクトン類(γ-あるいはδ-Cn (nは炭素数)と表す)については,和牛ではγ-C7,C8,C9が,乳牛と輸入牛ではγ-C10,C12,δ-C10が有意に多かった.交雑牛のラクトン類組成は乳牛に似ていた.
     IFでは和牛はアルカン,芳香族化合物,エステル類が多く,輸入牛はアルコール,アルデヒド類が多かった.いずれの牛でもSFとIFで香気成分の構成割合が異なっていた.ラクトン類は和牛のγ-C4,C6がその他の牛より多い傾向にあり,逆にδ-C6,γ-C7,C8,C9はその他の牛より少ない傾向にあった.交雑牛のラクトン類組成は乳牛と似ていた.
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  • 蔦 瑞樹, 中内 茂樹, 西野 顕, 杉山 純一
    59 巻 (2012) 3 号 p. 139-145
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    本研究では,2次元データである分光スペクトルを対象とした分光フィルタ設計法を応用し,かつそれを3次元データにも適用できるように拡張することにより,蛍光指紋の膨大な情報量を活かしつつ,計測波長条件数ごく少数に絞り,なおかつ高精度な定性·定量分析を行う蛍光指紋フィルタ設計法を提唱した.また本手法をYogurt multi-way fluorescence data に適用したところ,計測波長条件数を元の225から18または22に減らしつつ,蛍光指紋解析の従来法であるPartial Least Squares Regressionよりも高精度にリボフラビン含量を推定可能であることが明らかとなった.今後は,本手法を蛍光指紋の新しい解析法として活用していくこと,また本手法に基づいて実際に干渉フィルタを設計し,簡易分光蛍光測定システムや蛍光指紋イメージングに応用していくことが期待される.
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技術論文
  • 武内 純子, 永島 俊夫
    59 巻 (2012) 3 号 p. 146-152
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    サトイモ乾燥粉末を用いて,サトイモのフレーバーを有する発泡酒を開発した.表面色がL*:72.79, a*:3.56, b*:19.35となるようにサトイモ乾燥粉末を焙煎した結果,サトイモペーストでは特徴を出すことができなかった色や香りを改善でき,サトイモらしさを有する製品となった.また,あらかじめサトイモ乾燥粉末を焙煎処理することで,原料の煮沸処理による麦汁の粘度増大を抑制することも可能になった.焙煎により,サトイモ原料から煮沸抽出されるポリフェノール量が増加し,発泡酒でありながらビールに近いポリフェノール量を有し,食物繊維も含有する製品の開発に成功した.
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  • 宮澤 紀子, 松岡 寛樹, 小澤 好夫
    59 巻 (2012) 3 号 p. 153-160
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    担子菌バイリング(Pleurotus eryngii var. tuoliensis)を食品栄養学的に位置づける基礎的な知見を得るために,遊離アミノ酸,遊離糖・糖アルコール,有機酸,5′-グアニル酸の分析および官能評価を行った.凍結乾燥試料の遊離アミノ酸含有量は,アルギニン,グルタミン酸,アスパラギン酸,アラニン,ヒスチジンの順に多かった.機能性アミノ酸はオルニチン,γ-アミノ酪酸,シトルリンが検出された.遊離糖·糖アルコールはトレハロースを主体としており,含有量が多く,種に特徴的な呈味成分であることが見出された.有機酸は,リンゴ酸,フマル酸,コハク酸で8割以上を占めることが分かった.
     乾燥したきのこを利用する際に必要となる水もどしおよびその後の加熱調理に伴う呈味成分の挙動を検討した結果,5′-グアニル酸は,加熱調理によって増加し,浸漬温度の低い方が増加の割合が大きい傾向にあった.遊離アミノ酸は水もどしにより増加し,その後の加熱調理による増減はほとんど認められなかった.水もどしの過程で生成される疎水性アミノ酸は,官能評価において苦味の強弱と好ましさに影響を与える要因であることが推察された.
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研究ノート
  • 江越 加州生, 岡 輝美
    59 巻 (2012) 3 号 p. 161-165
    公開日: 2012/05/24
    ジャーナル フリー
    メラトニン(MEL)のプレカラム蛍光誘導体化法を利用し,米飯中 MEL の定量法を確立した.米飯を α-アミラーゼにより液化し硝子ホモジナイザーで磨砕後マグネチックスターラーで撹拌し,飯汁中の MEL をジクロロメタンで抽出した.抽出液中の MEL はシリカ充填のカートリッジに吸着させ,ジクロロメタン/メタノール(1:1,v/v)で溶出後過酸化水素存在下アルカリ性で硫酸銅を添加し,加熱,誘導体化後,酢酸エチルで抽出し蛍光検出器付 HPLCで定量分析した.米飯中 MELの確認は,ピークの保持時間,励起スペクトルおよび蛍光スペクトルの比較により行った.MEL標準品を液化した飯汁に加えたときの添加回収率は,精白米では 99.6 ± 6.9%(n=6)(MEL, 320 pg添加),玄米では 76.7 ± 5.6%(n=4)(MEL, 320 pg 添加)および78.6 ± 3.7%(n=3)(MEL, 1 290 pg 添加)であった.
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