日本食品科学工学会誌
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59 巻 , 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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報文
  • 北出 晶美, 樫木 宏美, 小林 奈央樹, 森髙 初惠
    59 巻 (2012) 8 号 p. 369-377
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    ミートグラインダーで破砕した破砕ゲル,3.5 mm立方体ゲル,15 mm立方体ゲルを試料とし,咀嚼後の食片サイズ,食塊のテクスチャー特性値,咽頭部における食塊の移動特性について検討し,あわせて官能評価を行った.
    破砕ゲルは,5回と30回咀嚼後の食片サイズの累積数は累積指数分布関数にフィットし,少ない咀嚼回数でも食塊の付着性および凝集性は高く,凝集性,飲み込みやすさは高いと評価され,咽頭部における食塊の移動速度は遅かった.
    3.5 mm立方体ゲルでは,咀嚼回数が増加しても食片数が少なく,30回咀嚼で累積指数分布関数にフィットした.食塊の流速スペクトル面積は大きく,30回咀嚼においても他の試料と比べ,まとまりにくいと評価された.また,咀嚼回数の増加に伴う食塊の凝集性の上昇は緩慢であった.
    15 mmゲルでは,食片サイズの累積数は対数正規分布関数および累積指数分布関数にフィットする2層性の破壊過程を示した.少ない咀嚼回数では,付着性および凝集性は低く,また,飲み込みにくいと評価され,咽頭部における食塊の移動速度は速かった.しかし,咀嚼回数の増加に伴い,顕著に食塊の付着性および凝集性は上昇し,咽頭部における食塊の移動速度は低下した.
    これらの結果から,摂食前の食品サイズについては,小さいものの方が大きいものよりも咀嚼,嚥下しやすいという単純な関係にはなく,今回用いた試料の中で中間のサイズである3.5 mmゲルでは,咀嚼の影響を受けにくいため,嚥下時の安全性を確保するためには,多くの咀嚼回数を必要とすることが示唆された.
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  • 上﨑(堀越) 菜穂子, 岡田 幸男, 竹下 和子, 鮫島 隆, 有原 圭三
    59 巻 (2012) 8 号 p. 378-386
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    食肉製品製造工場における汚染乳酸菌を対象に,簡便で高感度に検出する改良培地と培養条件を検討するとともに,RAPD-PCR 法などを利用した食肉製品製造工場における汚染源解析を試みた.
    (1) BCP 添加 APT broth からグルコース濃度,寒天濃度,緩衝能を調整した LA 培地は,既存の培地に比べ高感度に乳酸菌を検出できた.
    (2) LA 培地は,25°C で 48 時間培養することにより,食肉製品製造工場から分離した汚染乳酸菌を含む供試乳酸菌230株中の97%を検出し,さらに 24 時間培養することで全体の 99.6% を検出した.
    (3) LA 培地は試験管内の培地全体において指示薬の色の変化が鮮明になるため,LA 培地を用いることによって,効果的に汚染乳酸菌を検出できることが明らかとなった.
    (4) LA 培地を用いて食肉製品製造工場の汚染乳酸菌を検査,分離し,RAPD-PCR 法と 16SrDNA 解析を利用することにより,製品を汚染している乳酸菌の汚染源を特定できることが確認され,衛生改善に役立つことが実証された.
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  • 中村 結花子, 藤田 かおり, 杉山 純一, 蔦 瑞樹, 柴田 真理朗, 吉村 正俊, 粉川 美踏, 鍋谷 浩志, 荒木 徹也
    59 巻 (2012) 8 号 p. 387-393
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    蛍光指紋による非破壊・非接触の産地判別技術を開発するため,台湾産・宮崎産・沖縄産マンゴーの果皮および果肉の蛍光指紋を計測した.正準判別分析を行い,蛍光指紋から産地を推定する判別基準を得た.
    (1) バリデーションの誤判別率は,2010年度データのみを解析した場合は 3.2~19.2%,2010年度および 2011年度データを合わせて解析した場合は 7.7~13.6%であった.
    (2) 励起波長260~290nm,蛍光波長 340~360 nm の範囲にある波長条件が共通していることから,マンゴーの産地判別にはこの波長帯の蛍光情報が大きく寄与していると示唆された.
    (3) 果皮を測定する場合において果肉の場合よりも低い誤判別率が得られたことから,果皮の方が果肉よりも判別に適していることが分かった.
    以上より,蛍光指紋が実用的な産地判別技術として有効である可能性が示唆された.
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  • 山田 耕路, 澤 智子, 村山 加奈子, 山口 智, 宮﨑 義之, 立花 宏文
    59 巻 (2012) 8 号 p. 394-400
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,不知火姫菊の免疫調節機能を明らかにするため,花弁および葉の水抽出物がラットおよびヒト好塩基球様細胞株の増殖およびヒスタミン放出に及ぼす影響を検討した.
    花弁および葉抽出物は,ラット好塩基球様細胞株 RBL-2H3 の増殖およびヒスタミン放出を終濃度10μg/mL 以上で有意に抑制することが明らかとなった.また,これらの抽出物のヒスタミン放出抑制活性成分は熱安定性が比較的高いことが示唆され,さらに,ラット RBL-2H3 細胞に比べて弱いものの,ヒト好塩基球様細胞株KU812に対しても抑制効果が確認された.これらの結果から,不知火姫菊抽出物が抗アレルギー活性を示し得ることが明らかとなった.
    現在,花弁のみが製品原料として使用されているが,葉抽出物は花弁抽出物と同等のヒスタミン放出抑制活性を示したことから,葉部についても生理活性物質の給源として利用可能であることが示唆された.
    一方,花弁乾燥物製品から生理活性成分を抽出する方法について,推奨されている土鍋と同等の生理作用がステンレス製の容器を用いることで回収された.この結果から,一般的な使用が普及しているIH調理器に対応するステンレス容器でその活性を抽出可能であることが示唆された.
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技術論文
  • 玉木 由佳莉, 折笠 貴寛, 村松 良樹, 田川 彰男
    59 巻 (2012) 8 号 p. 401-408
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    マイクロ波乾燥と熱風乾燥したダイコンとナスの乾燥後の空隙率および各乾燥試料の浸漬温度(20,30,50および70°C)における吸水性と空隙率の関係について調査したところ,以下の知見が得られた.
    (1) 乾燥条件は同じでも,乾燥後の空隙率は野菜によって異なった傾向を示し,ダイコンの場合,Mw 試料の方が高く,ナスの場合は Mw 試料および Ha 試料に差がみられなかった.
    (2) Mw 試料および Ha 試料いずれも吸水現象は拡散無限平板モデルで表せることが分かった.
    (3) Mw 試料,Ha 試料双方で吸水速度定数 k はダイコン・ナス共に Arrhenius 型温度依存性を示し,もともと空隙率の高いナスの方がダイコンより吸水速度定数 k の値は大きくなった.
    (4) ダイコンは乾燥後の試料空隙率が高い Mw 試料の方が吸水過程において,空隙率は高く保持された.一方,ナスは乾燥後の試料空隙率は Mw 試料,Ha 試料でほぼ一致しており,吸水過程においても空隙率の変化はほぼ同程度であった.
    (5) 吸水過程の空隙率および比容積は,Mw,Ha 双方とも含水率の一次関数で表され,同様の傾向を示した.
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  • 奥西 智哉, 中村 健治, 宮本 守, 宮下 香苗
    59 巻 (2012) 8 号 p. 409-413
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    加水量を変えたドウを作成し,ドウの評価を3つの機関において行った.これらの機関では,ドウミキシングのための機器が相互に異なり,ミキシング条件も異なるが,品質の良いドウを作成するための加水量は同じであった.このことから,米粉パンにおいて適正加水量はその組成に応じて固有の値があることが明らかになった.材料組成の異なる各種米粉パンを用いた試験により,適正加水量の決定手段はファリノグラフが適しており,400BUの最高粘度を与える加水量が適正であることが明らかになった.
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  • 藤田 由美子, 村上 恭子, 原口 浩幸
    59 巻 (2012) 8 号 p. 414-421
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    コムギのDNA品種識別を行うために多様なコムギ加工食品に適用できる DNA 抽出法を比較検討した.3カ所の実験施設において,3種類の市販キット(DNeasy Plant Mini Kit,Genomic-tip 20/G,GM quicker 3)を用い,12種類のコムギ加工食品から DNA 抽出を行った.その結果,いずれの実験施設でも,3種類の抽出法によりすべての食品から DNA が抽出されたが,Genomic-tip 20/G のみ,すべての食品について O.D.260 nm/O.D.280 nm 値が1.7以上の高純度な DNA 溶液が得られた.いずれの実験施設でも,3種類の抽出法によって得られたすべての DNA 溶液から DNA マーカーによってコムギ由来の DNA が検出された.品種識別マーカーの一つである外国産コムギ検出マーカーでは,一部の食品において,実験施設によって増幅産物が得られないものや,増幅パターンのばらつきが見られた.食品の種類によってコムギ由来の DNA 量が異なることや,複数品種の DNA が混在していることから,特定品種の遺伝子型を検出する本マーカーでは検出が困難になる場合があると推測され,抽出法の違いに基づく影響は小さいと考えられた.したがって,いずれの抽出法も DNA マーカーの適用に対して十分に有用であり,確実な品種識別を行うためには,食品の種類および実験環境に応じてプライマー量や DNA 供試量等の実験条件を調整することが必要であると考えられた.コストや時間を考慮して最適な手法を選択することが望ましい.
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解説
  • 増田 亮一
    59 巻 (2012) 8 号 p. 422-423
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
  • 廣塚 元彦
    59 巻 (2012) 8 号 p. 424-428
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    Soybeans contain many useful nutrients and high-quality proteins. However, around the world today, soybeans are harvested primarily for their oil. This results in huge amounts of defatted soy flour, which is used primarily for live-stock as opposed to human consumption, being created as a correlated by-product. While the flavor and texture of soybeans do pose some minor issues for use in food production, the much larger issue of a population growth-induced food shortage needs to be addressed. Therefore, research on how to improve the use of the whole soybean for human consumption is paramount for the future. Recently, plant breeding and biotechnology have been making remarkable progress. Therefore, it should be possible in the near future to improve the taste, texture, and physiological function of soybeans by applying new technological developments. These improvements should lead to the expanded application of soy-related products worldwide. In order to both improve the favorable and reduce the unfavorable aspects of soy taste, research on the constitution of lipids may be effective. Concerning the improvement of texture, it has been suggested that the re-combination of soy globulin subunits could be useful. With respect to physiology, β-conglycinin fractions have been shown to be effective for the prevention and improvement of metabolic syndrome. Additionally, reducing production cost by altering membrane properties which surround the protein body is discussed.
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  • 塚本 知玄
    59 巻 (2012) 8 号 p. 429-434
    公開日: 2012/09/30
    ジャーナル フリー
    大豆加工食品の日常的摂取は,日本人の健康長寿を担う一要因となっている.大豆は種々の健康機能性成分を含むが,最近,サポニンへの関心が高まっている.大豆サポニンはグループAとDDMPサポニンに大別される.グループAサポニンは不快味原因物質であるが,DDMPサポニンとその分解産物(グループB,Eサポニン)は健康機能性を示す.これらの特性はサポニンの化学構造と濃度に依存するため,不快味なサポニン成分を減らし,健康機能性を示すサポニン成分を増やすことができれば,大豆加工食品の改善につながると期待される.種子の大豆サポニンの組成は複雑で,品種依存的かつ種子の部位(子葉と胚軸)依存的な遺伝的多型を示す.これまで見出された大豆種子のサポニン組成の多型は,サポニン配糖体の糖鎖とアグリコン骨格への酸素原子付加を制御する5遺伝子座上の11遺伝子で説明できることが報告されている.大豆祖先種ツルマメ(野生大豆)は,大豆と相互交配可能で,可稔性のF1種子を作ることから,サポニン組成や含量に関する変異体のスクリーニングに有用である.本稿では,大豆サポニンの化学構造の遺伝育種的改変に関する研究結果をまとめて示す.
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