日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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60 巻 , 10 号
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報文
  • 本間 太郎, 北野 泰奈, 木島 遼, 治部 祐里, 川上 祐生, 都築 毅, 仲川 清隆, 宮澤 陽夫
    60 巻 (2013) 10 号 p. 541-553
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    日本は長寿国であり,日本の食事である「日本食」は,健康有益性が高いと考えられる.しかし,ここ50年ほどで日本食の欧米化が進行し,健康有益性に疑問が持たれる.本研究では,健康有益性の高い日本食の年代を同定するため,様々な年代の日本食の健康有益性について,特に脂質・糖質代謝系に焦点を当てて検討した.国民健康・栄養調査に基づき2005年,1990年,1975年,1960年のそれぞれ1週間分の食事献立を再現し,調理したものを粉末化した.各年代の日本食をそれぞれ通常飼育食に30%混合して正常マウスであるICRマウスと老化促進モデルマウスであるSAMP8マウスに8ヶ月間自由摂取させた.その結果,両系統のマウスとも1975年の日本食含有飼料を摂取した群(75年群)において白色脂肪組織への脂質蓄積が抑制された.このメカニズムを探るため,脂質代謝において中心的な働きをする肝臓に対してDNAマイクロアレイ解析を行った結果,ICRマウスの75年群において,エネルギー消費を促進する遺伝子の発現が促進されていた.そして,SAMP8マウスの75年群において,トリアシルグリセロールの分解や脂肪酸合成の抑制,コレステロールの異化を促進する遺伝子の発現が促進されていた.以上より,1975年頃の日本食の成分は,現代日本食の成分に比べてメタボリックシンドローム予防に有効であることが示唆された.
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  • 北出 晶美, 小林 奈央樹, 森髙 初惠
    60 巻 (2013) 10 号 p. 554-562
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    15mm立方体寒天ゲルおよび3.5mm立方体寒天ゲルを試料とし,咀嚼の影響が大きい1~10回咀嚼後の食片サイズを測定し,食片を10グループに分類して平均食片サイズを求め,平均食片サイズと咀嚼回数との関係を検討し,食塊のテクスチャー特性および官能特性について考察した.
    15mm立方体ゲルでは,食塊を構成する食片サイズの分布は広く,少ない咀嚼回数でも3.5mm立方体ゲルよりまとまりやすいと評価された.
    3.5mm立方体ゲルでは,少ない咀嚼回数では正規分布に近い分布を示したが,咀嚼回数が増加すると15mm立方体ゲルのサイズ分布に近い形状の分布へと変化した.3.5mm立方体ゲルでは,少ない咀嚼回数において,平均食片サイズが小さくなると,咀嚼回数に対する食片サイズの減少率が大きくなった.反対に,多い咀嚼回数では,咀嚼回数に対する食片サイズの減少率が小さくなるというクロスオーバー構造を有し,食片サイズに壊れにくくなる閾値があることが示唆された.
    嚥下にとって重要なファクターであるまとまりやすさは,食塊を構成している食片サイズの大きさよりも,食片サイズの分散に大きく影響され,食塊は単分散な食片から構成されるよりも,サイズ分布の広い食片から構成される方が,よりまとまりやすくなることが示された.
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  • 渡辺 純, 室 崇人, 柳田 大介, 山岸 喬, 石川(高野) 祐子
    60 巻 (2013) 10 号 p. 563-566
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    北海道産タマネギ9品種のケルセチン配糖体,ORAC法による抗酸化能測定値および総ポリフェノール含有量を比較した.その結果,ケルセチン配糖体含有量は31.24±2.15から133.7±8.88 μmol/100g FWの範囲,ORAC値は878.1±44.7から2 075.6±168.6 μmol TE/100g FWの範囲,総ポリフェノール含有量は22.65±1.41から48.44±1.35mg GAE/100g FWの範囲であり,いずれも「月交24号」が最も高値を示した.また,タマネギ中の主要な抗酸化物質はケルセチン配糖体であり,「月交24号」はケルセチン配糖体を高含有する品種であるため,高い抗酸化能を示したと考えられた.
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  • 國本 弥衣, 奥村 知生, 渡辺 宗一郎, 加藤 登, 新井 健一
    60 巻 (2013) 10 号 p. 567-576
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    ホッケ(AG)とスケトウダラ(WP)の冷凍すり身を3%NaClと擂潰後,3%各種タンパク質(卵白(Al),大豆タンパク質(Sp)およびカゼインNa (C-Na))粉末の添加の有無の下で,90°Cで30分間,または25°Cで数時間予備加熱後に90°C,30分間加熱して,直加熱ゲルと二段加熱ゲルを調製した.加熱ゲルの物性(破断強度,BSと破断凹み,bs)をレオメーターにより測定しゲル剛性(Gs=BS/bs)を求めた.また,細切した加熱ゲルを0.6M NaCl (N),1.5 Mまたは8.0M 尿素(U),および2%-2メルカプトエタノール(Me)から成る各種の溶媒と共に撹拌し,タンパク質の溶解度を測定した.
    結果は以下の通りであった.
    1) AGからの直加熱ゲルと二段加熱ゲルは,3種の添加物の有無に関わりなく,全て非坐りゲルとなり,物性値は低値に留まった.
    2) WPからの直加熱ゲルは,3種の添加物の有無に関わりなく,非坐りゲルとなる.二段加熱ゲルは坐りゲルとなり,物性は高値に達する.またAlとSpの添加は坐りゲル化能を増強し,物性はさらに高値となるが,C-Naの添加は坐りゲル化を抑制し,物性は低値に留まった.
    3)非坐りゲルタンパク質は,その大部分がN-8.0M U-Me溶剤に溶解した.N-8.0M U溶剤への溶解度との差から,疎水性相互作用がゲル形成に強く関与していること,またAlとSpを加えるとS-S結合も関与することが示唆された.
    4)坐りゲルのタンパク質は,予備加熱の進行に伴ってN-8.0M U-Meに溶解しなくなり不溶化成分が増加した.AlやSpを加えると不溶化を増強するが,C-Naはむしろ抑制した.不溶性成分はSDS-8.0M U-Meには完全に溶解するので極めて強い結合力により坐りゲル化に関与していると推定された.
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  • 久保 雄司, 齋藤 勝一, ダニエル ホルヴェック, 舟根 和美, 中川 力夫, 木村 啓太郎
    60 巻 (2013) 10 号 p. 577-581
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    新規に取得した納豆菌Miyagi-4株を親株とする分解酵素高生産を示すrpoB遺伝子変異株Miyagi-4100株を用いて,硬い種皮を持つ黒大豆を原料として納豆を製造した.Miyagi-4100株の黒大豆発酵適性を粘り物質であるポリ-γ-グルタミン酸とレバンの含量および納豆の硬さを指標として評価した.比較対照株として,商用スターター株であるMiyagino株とMiyagi-4株を用いた.試験の結果,Miyagi-4100株で作った黒大豆納豆は,より多くのレバンを含み,切断強度が5%程度(約8g)下がる傾向が見られた.このことから,Miyagi-4100株は黒大豆を納豆に発酵する適性が高いことが示唆された.
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  • 野口 真己, 尾﨑 嘉彦, 東 順一
    60 巻 (2013) 10 号 p. 582-588
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    カキ果実の剥皮を目的として,食品用乳化剤処理-弱アルカリ沸騰水加熱処理-ポリガラチュロナーゼ処理という三つの化学的な連続溶液系処理を組み合わせた工程を開発した.この工程により,カキ果実を物理的な傷付け処理をすることなく,溶液処理のみで剥皮することが可能となった.この工程は複数のカキ品種に適用可能であった.
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技術論文
  • 橋本 啓, 小原澤 知美, 伊藤 和子, 阿久津 智美, 大山 高裕, 渡邊 恒夫, 山﨑 公位, 角張 文紀, 吉成 修一, 荒井 一好, ...
    60 巻 (2013) 10 号 p. 589-594
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    高い機能性を持つが安定性に乏しいため食品素材としての利用が進んでいないナス由来のアントシアニン色素「ナスニン」を,ナスの外果皮から安定性を保った状態で回収して有効活用することを目指して試験を行った.
    ナスニンはナス皮から0.5%酢酸水溶液により抽出されるが,その抽出条件を検討した結果,始めの3回の抽出液を廃棄することにより共存するクロロゲン酸を効率よく除去することができた.その結果,抽出液を固相抽出法により分画することで,185gのナス外果皮から80.6mgのナスニンを純度86.5%で得ることができた.固相抽出ナスニンはpH 4.5の溶液中で4°C,暗所にて2週間保持した所65.1%に減少していた.
    一方で,抽出液に添加したカゼインを等電点沈殿することによりナスニンを回収率60.8%でナスニン-カゼイン複合体として得ることができた.この複合体中のナスニンは4°C,暗所にて2週間保存しても有意な減少は認められなかった.さらに,凍結乾燥したものでは室温条件でも89.4%が残存しており高い安定性が認められた.
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研究ノート
  • 沖 智之, 古川(佐藤) 麻紀, 山下 南穂, 白土 英樹, 後藤 一寿, 奥野 成倫, 須田 郁夫
    60 巻 (2013) 10 号 p. 595-600
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    2010年度から2012年度に国内の各地(北海道,本州,九州)で収穫された116検体の黒大豆中の総アントシアニン量と総プロアントシアニジン量を,それぞれpH differential法とDMAC法で定量した.総アントシアニン量はシアニジン-3-グルコシド相当で0.25mg/gから1.40mg/gの範囲であり,平均値は0.90mg/gであった.総プロアントシアニジン量は(+)-カテキン相当で0.23mg/gから1.52mg/gの範囲であり,平均値は0.93mg/gであった.黒大豆の百粒重は総プロアントシアニジン量と弱い負の相関(rs=-0.332, P<0.01)を示したが,総アントシアニン量との間には相関は認められなかった(P=0.18).黒大豆中の総アントシアニン量は総プロアントシアニジン量と正の強い相関(r=0.739, P<0.01)を示した.
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研究小集会
  • 稲熊 隆博
    60 巻 (2013) 10 号 p. 601-602
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
  • 小川 一紀
    60 巻 (2013) 10 号 p. 603-608
    公開日: 2013/11/30
    ジャーナル フリー
    Citrus fruits contain a variety of functional constituents. However, in some cases, the citrus flesh lacks certain functional constituents, such as nobiletin and auraptene. During juice extraction, nobiletin is extruded from the peel of ‘Shiikuwasha’ into the juice. As a result, nobiletin becomes available in the juice. The new Citrus-Ponciruss hybrid ‘Aurastar’ contains large quantities of auraptene in both the flesh and peel. Additionally, satsuma mandarin juice, enriched with β-cryptoxanthin, was produced by supplementation with an extract of its by-product. A simple, low-cost production process for isolating β-cryptoxanthin from by-products was also developed. Development of novel products containing functional constituents is significant for farmers and agribusiness.
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  • 長谷川 美典
    60 巻 (2013) 10 号 p. 609-613
    公開日: 2013/11/30
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    Programmed citrus breeding in Japan began at the National Institute of Fruit Science in 1937. The intent was both to improve fruit quality and productivity and to broaden fruit ripening time. Citrus is a woody perennial crop that requires a lengthy period of time during cross-breeding for the cross-seedlings to flower and bear fruit. Polyembryony is a fatal obstacle specific to citrus cross-breeding in many cultivars in which a high percentage of seedlings are not hybrids, but rather identical to the female parent, which severely hinders cross-breeding. Therefore, cultivar improvement was achieved through identification of bud sports (natural mutation) among the tree branches.
    On the other hand, in 1979, cross-breeding efforts slowly continued and succeeded in producing ‘Kiyomi’ tangor, which is a hybrid of ‘Miyagawa-wase’ mandarin and ‘Trovita’ orange. ‘Kiyomi’ is the first tangor cultivar to be released in Japan. It has excellent eating quality, high juiciness, and fragrant flavor. Fortunately, ‘Kiyomi’ seeds are monoembryonic, meaning that all the seedlings raised are hybrids.
    In addition, since the latter half of the 1990’s, new cultivars bearing fruit containing functional constituents, including carotenoids such as β-cryptoxanthin and/or polymethoxyflavonoids such as nobiletin, have been released. ‘Kankitsu Chukanbohon Nou 6 gou’ fruit has excellent eating quality when fresh, contains high levels of functional constituents, including β-cryptoxanthin, nobiletin, tangeretin, and phenylpropanoids, and is suitable for value-added fruit processing due to its functional constituents.
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