日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
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60 巻 , 4 号
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総説
シリーズ—地域食品研究のエクセレンス(第1回)
報文
  • 氏原 邦博, 吉元 誠, 和田 浩二, 高橋 誠, 須田 郁夫
    60 巻 (2013) 4 号 p. 159-164
    公開日: 2013/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では,異なる温度および時間で糖蜜の加熱加工を行い,処理された糖蜜の褐色度,DPPHラジカル消去活性およびポリフェノール様活性を評価した.糖蜜の褐色度は120°C∼160°Cの加熱によって,非加熱糖蜜よりも増加した.加熱温度が120°Cおよび140°Cの場合では加熱時間の経過とともに褐色度は増加し,60分処理で非加熱糖蜜の約9.5倍を示した.加熱温度が160°Cでは,加熱開始から10分後に褐色度は急激に増加し,20分後には非加熱糖蜜と比べて約16.7倍と最も高い値を示した.糖蜜のDPPHラジカル消去活性も120°C∼160°Cの加熱によって,非加熱糖蜜よりも増加し,120°C,50分加熱,140°C,10分加熱,および160°C,10分加熱した糖蜜は非加熱糖蜜と比べて4倍のDPPHラジカル消去活性を示した.糖蜜のポリフェノール様活性も120°C∼160°Cの加熱により増加し,その増減はDPPHラジカル消去活性それと類似していた.これらの結果から,加熱糖蜜について,加熱によって生成したポリフェノール性化合物がラジカル消去活性および褐変に大きく関与していることを明らかにした.その中でも,160°Cの加熱では,褐色度のより高いポリフェノール性化合物あるいは他の褐変に関与するメラノイジンやカラメル反応物質等も総合的に関与していると考えられた.さらに,加熱加工によって最もポリフェノール様活性の増加を認めた糖蜜についての抗変異原性の増加も確認した.即ち,本研究によって,加熱糖蜜のラジカル消去活性への褐色物質の関与および抗変異原性を明らかにするとともに,本加熱加工が糖蜜の食品機能性を向上させる加工技術として有用であることが示唆された.
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  • 中山 素一, 細谷 幸一, 朱 丹, 佐藤 豊樹, 畑 朋美, 宮本 敬久
    60 巻 (2013) 4 号 p. 165-172
    公開日: 2013/06/04
    ジャーナル フリー
    酸性調味料における腐敗事故は,高酢酸耐性のLactobacillus fructivoransによって引き起こされる.近年,消費者の健康志向や風味の要求性からドレッシングの低酸·低塩化が進み,それに伴い処方耐菌性が低下したため,L. fructivoransの制御技術の確立が強く求められている.まず,L. fructivoransの世代時間および拡散による物質の取り込み速度を評価したところ,L. fructivoransは他の乳酸菌と比較して増殖および取り込み速度が非常に遅い菌であることが明らかとなった.これより,酢酸の取り込み速度も遅いことが酢酸耐性の要因であると示唆された.このため,制御技術としては,膜を損傷し酢酸の取り込みを促進すると考えられるキトサンの利用が適していると考えられた.しかしながら,キトサン単独で膜の損傷を起こす濃度で添加すると風味に影響を与えた.そこで,キトサンによる菌体表面の疎水化および疎水化により菌体が油水界面に局在化することに着目し,油水界面に局在しやすく膜をさらに損傷するチアミンラウリル硫酸塩の併用を検討した.その結果,pH 4.1,塩分濃度3.5 %の低酸·低塩ドレッシングにおいて,0.04 %キトサンおよび0.04 %チアミンラウリル硫酸塩の併用により風味に影響を与えることなくL. fructivoransの制御が初めて可能となった.
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  • 菅野 友美, 川村 翔栄, 原田 栄津子, 亀谷 宏美, 鵜飼 光子, 大澤 俊彦
    60 巻 (2013) 4 号 p. 173-178
    公開日: 2013/06/04
    ジャーナル フリー
    13種のキノコ熱水抽出物についてORAC法とCYPMPOを用いたESRスピントラップ法による種々のラジカル捕捉能を評価した.その結果,ORAC法ではCoprinus comatusの値が最も高かった.ラジカル捕捉能はそれぞれ,ヒドロキシルラジカル捕捉活能は,Agrocybe cylindraceaが,スーパーオキシドラジカル捕捉能は,Leucopaxillus giganteusが,アルコキシルラジカル捕捉能は,Pleurotus ostreatusが,一重項酸素捕捉能は,Agrocybe cylindraceaが最も高い値であった.ORAC値と各ラジカル捕捉能との間には相関性が認められなかった.しかし,CYPMPOを用いたESRスピントラップ法が新規評価法の一つとして期待されるものと考えられた.
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技術論文
  • 渡邉 章子, 中根 一恵, 今井 克彦, 大羽 和子
    60 巻 (2013) 4 号 p. 179-183
    公開日: 2013/06/04
    ジャーナル フリー
    (1)ダイコンのNO3-は,上部に比べて顕著に下部に局在し,VCはNO3-含量の少ない上部に多く存在した.
    (2)全施肥窒素量を多く施用されたダイコンほどNO3-含量が多かった.また,施肥窒素量は同量であっても基肥窒素量を控えめにした場合に,NO3-含量が少なく,VC含量が多い傾向がみられたことから,基肥を控えた追肥主体の栽培方法により,NO3-含量の少ないダイコンが生産できる可能性が示唆された.
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  • 東 知宏, 長田 恭一, 相倉 悦子, 今坂 浩, 半田 正之
    60 巻 (2013) 4 号 p. 184-192
    公開日: 2013/06/04
    ジャーナル フリー
    一般に,りんごは中心果実を肥大させるために摘果される.摘果された未熟果実はプロシアニジン化合物を多く有するが,ほとんど利用されていない.りんご未熟果実の有効利用法を考えるために,4週齢のSprague-Dawly (SD)系雄性ラットに10 %の脂肪と0.17 %のりんご未熟果実由来ポリフェノール(UP)を含む飼料を62日間与え,UPによる脂肪蓄積抑制作用と血糖値上昇抑制作用を検討した.その結果,白色脂肪組織重量は,対照(C)群と比べてUPを摂取したラット(UP群)は有意に低くなった.血漿と肝臓のトリグリセリド濃度はC群よりもUP群は有意に低くなった.空腹時血糖値と血漿インスリン濃度は,C群と比べてUP群は有意に低くなり,血漿アディポネクチン濃度は,C群よりもUP群は高くなる傾向にあった.脂肪酸β酸化酵素のCPTIIとACOXのmRNA発現量は,両者ともにC群と比べてUP群は有意に高くなり,さらに,脂肪酸β酸化系酵素のmRNA発現に関連する核内受容体のPPARαのmRNA発現量も,C群と比べてUP群は有意に高くなった.また,in vitro試験で,UPの脂肪と糖質の吸収に与える作用を調べたところ,リパーゼと種々の糖質加水分解酵素の活性は阻害され,ミセル形成も阻害された.UPによる糖質と加水分解した脂肪の吸収阻害作用が反転腸管法でも確認された.以上のことから,UPの摂取により肝臓の脂肪酸β酸化が促進され,かつ,小腸からの脂肪と糖質の吸収が阻害されることで,生体内の脂肪蓄積が抑制されると考えられる.よって,ポリフェノールを多く含むりんご未熟果実は肥満予防食材として,有効利用できるのではないかと考えられる.
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研究ノート
技術用語解説
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