日本食品科学工学会誌
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61 巻 , 6 号
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総説
シリーズ―地域食品研究のエクセレンス(第3回)
  • 戸井田 仁一
    61 巻 (2014) 6 号 p. 213-217
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    The aim of this study was the development of miso with high quality and value by mutation breeding of koji molds with superior characteristics. We selected mutants generated by MNNG treatment of koji molds, and obtained two kinds of applicable strains for miso production. One is a high vitamin B2-producing strain with high neutral protease activity (R2 strain), which is useful for improving the color and taste of miso. The other is a high lipase-producing strain (NT12 strain), which increases miso functionality. We compared each mutant to BF-1, the commercial koji mold used as the control strain, during both laboratory-scale and pilot-scale miso fermentation. The koji manufactured from the R2 mutant showed high protease activity and contained 2∼3 times more vitamin B2 that manufactured from BF-1. In addition, the miso from the R2 strain showed higher x and y color values than that from BF-1, although the Y value (%) was somewhat lower. It also contained high contents of both formol and water-soluble nitrogen, and its color brightness and umami taste were evaluated well. On the other hand, the koji from the NT12 mutant showed lipase activity about 3 times higher than that from BF-1. The resulting miso using the NT12 strain was high in fatty acid ethyl esters, and showed higher inhibitory effects on the growth of tumor cells in vitro compared to BF-1.
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報文
  • 澤井 祐典, 沖 智之, 西場 洋一, 奥野 成倫, 須田 郁夫, 渡辺 慎一
    61 巻 (2014) 6 号 p. 218-222
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    各種アブラナ科野菜の種子についてスプラウトを栽培し,アスコルビン酸含量を調査した.
    アブラナ科野菜は大きくアブラナ属とダイコン属に分けられるが,アブラナ属の中の,カリフラワー,ブロッコリーなどBrassica oleraceaに属する野菜のスプラウトは,その他のアブラナ属やダイコン属のスプラウトよりも新鮮重量あたりのアスコルビン酸含量が高かった.Brassica oleraceaに属する野菜の中でも最もアスコルビン酸含量が高いスプラウトはカリフラワーであった.
    アブラナ属のスプラウトは種子の重量とスプラウトの水分含量は逆比例し,種子の重量とスプラウトのアスコルビン酸含量は正比例する傾向が認められた.ダイコン属も同様の傾向にあったが,カリフラワーなどBrassica oleraceaに属するアブラナ属のスプラウトは,種子1 gから生合成されるアスコルビン酸の量が,ダイコン属のスプラウトよりも多く,高いアスコルビン酸含量は水分含量の差によるだけではなく,アスコルビン酸生合成能力の高さにもよると推察された.
    ソバ(タデ科),オクラ(アオイ科)などその他の植物のスプラウトのアスコルビン酸含量はアブラナ科のスプラウトよりも低かった.
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  • 加藤 重城, 八木 敬広, 浪岡 真, 秋元 政信, 有原 圭三
    61 巻 (2014) 6 号 p. 223-231
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    牛乳のβ-ラクトグロブリンを免疫抗原として作製したモノクローナル抗体を用いて,特定原材料の通知法の抽出方法に対応した,新たな牛乳ELISAキットを構築した.
    (1)作製したモノクローナル抗体は,ドデシル硫酸ナトリウムと2-メルカプトエタノールで可溶化された牛乳標準品を検出可能であった.さらに,複数のモノクローナル抗体を組み合わせることで,現行法と同等の検出感度が得られた.
    (2)構築した牛乳ELISAキットの検出限界と定量限界はいずれも食品試料中の牛乳タンパク質濃度換算で1.0μg/mL未満であり,原材料表示が必要な数 μg/gレベルの測定には十分な感度であった.
    (3)添加回収試験では50%以上,150%以下の基準を満たし,現行法の2社のキットと同等の回収率を示した.再現性試験でのCV%は全て10%以下であった.さらに,羊乳および山羊乳以外の食品原材料では交差反応が認められなかった.
    (4)市販食品における原材料表示と構築した牛乳ELISAキットでの測定結果はすべて一致した.
    以上のことから,牛乳のβ-ラクトグロブリンに対するモノクローナル抗体のみで構築した牛乳ELISAキットは,特定原材料の牛乳の原材料表示の正しさを検証するための新たな定量検査法として有用であり,また通知法に示された現行法と同等の測定が可能であることが示唆された.
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  • 岸尾 昌子, 青柳 康夫
    61 巻 (2014) 6 号 p. 232-243
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    還元糖生成能には品種によって有意差がある.ヒノヒカリ,ひとめぼれ,あきたこまち,コシヒカリといった,一般に良食味とされる品種は60℃浸漬時に胚乳中心部の還元糖生成能が高く,一方,キヌヒカリは20℃・40℃浸漬時の胚乳外縁部の還元糖生成能が高い傾向が見られた.日本晴はいずれの品種よりも低かった.
    また,産地間に還元糖生成能に差がある可能性が示唆された.北日本の地域の産米は60℃浸漬時における胚乳中心部の還元糖生成能が高い傾向が見られ,それに対して南日本の産米は20℃・40℃浸漬時の胚乳外縁部の還元糖生成能が高い傾向が見られたが,さらなる検証が必要である.
    還元糖生成能に関与するとされるα-グルコシダーゼ,α-アミラーゼ,β-アミラーゼの各デンプン分解酵素の活性において,品種によって優位となる酵素に違いがあることが示唆された.α-グルコシダーゼが最も強く関与するのはいずれの品種にも共通するが,2番目に寄与するアミラーゼの種類が品種によって異なり.ヒノヒカリはβ-アミラーゼ,コシヒカリはα-アミラーゼが2位で寄与すると分析された.
    食味に大きな影響を与えるとされる中心部の酵素活性において,1位と2位の酵素活性の寄与度はほぼ同等であった.α-グルコシダーゼに次いで優位に働く酵素は,ヒノヒカリとコシヒカリの場合,β-アミラーゼと分析された.日本晴の中心部にはα-グルコシダーゼおよびα-アミラーゼよりも,β-アミラーゼ様のマルトース生成酵素が寄与すると分析された.このような品種間の違いが,食味の違いに影響を与えている可能性が考えられた.
    胚乳外縁部の酵素活性においても,全品種の還元糖生成に最も強く影響する酵素はα-グルコシダーゼであった.しかし次に影響する酵素には品種ごとに違いがあり,ヒノヒカリはβ-アミラーゼ,コシヒカリはα-アミラーゼが2位で寄与すると分析された.日本晴はα-グルコシダーゼ,α-アミラーゼ,β-アミラーゼ様の酵素の順に還元糖生成に寄与すると分析された.
    上記3種のデンプン分解酵素は,品種により異なる活性を示し,それによって生成する還元糖の組成と生成量の違いが生ずると考えられた.
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  • 今泉 鉄平, 村松 良樹, 折笠 貴寛, 濱中 大介, 田中 史彦, 内野 敏剛, 田川 彰男
    61 巻 (2014) 6 号 p. 244-250
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    イモ類およびダイコンの熱湯浸漬過程における糊化熱量,電気インピーダンス,含水率および熱伝導率の測定を行い,以下の知見を得た.
    (1)ジャガイモやナガイモはサトイモに比べ低い温度で糊化が進行し,短時間の熱湯浸漬処理で大きく糊化熱量が低下した.
    (2)いずれの試料においてもCole-Coleプロットにより描かれる円弧は,5分間程度の熱湯浸漬処理で縮小,消失し,細胞膜の健全性が損なわれることが示唆された.
    (3)イモ類では,加熱に伴い含水率の増減が見られ,これが熱伝導率の値に影響を与える可能性が示唆された.一方で,ダイコンでは含水率と熱伝導率の値に相関は見られなかった.
    以上のことから,イモ類やダイコンの熱湯浸漬過程において熱物性や電気的特性,含水率などが変化することが示された.しかしながら,デンプンの糊化や細胞膜の損傷などが組織全体における水分分布,密度などに及ぼす影響についてはより一層の調査が必要となり,加工プロセスにおける各種物性変化のメカニズム解明の一助となる.
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研究ノート
  • 小川 拓人, 右田 光, 島田 聡子, 市田 淳治, 長田 恭一
    61 巻 (2014) 6 号 p. 251-257
    公開日: 2014/07/31
    ジャーナル フリー
    産業廃棄物として多量に排出されるりんご搾汁残渣にはグルコシルセラミドが存在するが,その詳細については不明な部分が多い.本報では,10品種のりんご搾汁残渣に含まれるグルコシルセラミドの構造とその含有量について調べた.
    りんご搾汁残渣中のグルコシルセラミドは2-hydroxypalmitic acid,4-hydroxy-cis-8-sphingenineおよびglucoseが主要な構成成分であり,現在,上市されている他の植物由来のグルコシルセラミドの構成成分とは異なっていた.また,10品種のりんご搾汁残渣中のグルコシルセラミドの構造は類似していた.グルコシルセラミド含有量が最も高い品種は,‘あかね’ であり,そのレベルは1.00mg/g乾燥重量であった.りんごの品種によるグルコシルセラミドのレベルと構造の差異を明確にするために,複数年にわたる検討を行う必要があろう.
    以上のように,りんご搾汁残渣に存在するグルコシルセラミド含有量は,米糠あるいは小麦胚芽と比べて高く,りんご搾汁残渣は植物由来グルコシルセラミドの素材として利用できるのではないかと考えられる.
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