日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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62 巻 , 4 号
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総説
報文
  • 肥後 温子, 和田 淑子, 佐藤 之紀
    62 巻 (2015) 4 号 p. 171-181
    公開日: 2015/05/31
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    市販の米煎餅,クッキーに焼成菓子を加えた糊化度の異なる6種の試料を用い,5∼40°Cにおいて調湿·調温時の力学特性と,WmMC値との関わりを調べた.
    (1)すべての試料において,脆性破断する水分領域,Wm領域とも5°Cで最大となり,40°Cで最小となった.
    (2)糊化度の高い煎餅は糊化度の低いクッキーの約2倍Wm値が大きく,脆性破断する水分領域が広くなった.
    (3)糊化特性値,測定温度帯にかかわらず脆性破断領域とWm領域とはすべて一致した.
    (4) MC領域内では力学特性が変化しやすく,試料の糊化特性値,測定温度帯によって硬化する場合,軟化する場合,硬化後軟化する場合があった.
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  • 北野 泰奈, 中村 祐美子, 卾 爽, 畠山 雄有, 山本 和史, 坂本 有宇, 都築 毅, 仲川 清隆, 宮澤 陽夫
    62 巻 (2015) 4 号 p. 182-190
    公開日: 2015/05/31
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    我々は最近,1975年頃の日本食は現代の日本食に比べて健康有益性が高いことを示した.1975年日本食の特徴のひとつに肉類の摂取量が低いことがあげられる.そのため,肉類を他の食品と置換することで,健康有益性の増加が期待できた.そこで本研究では,現代の日本において広く食べられている「ソーセージ」を伝統的な日本の食品である「かまぼこ」に置換することによる効果を,ラットを用いて検討した.凍結乾燥·粉末化した「ソーセージ」または「かまぼこ」を通常飼育食に重量当たり20%混合し,SD系ラットに4週間与えた.その結果,「ソーセージ」群に比べて「かまぼこ」群において,血漿と肝臓における脂質量と過酸化脂質量が低下した.次に,「かまぼこ」のタンパク質·脂質·炭水化物のエネルギーバランスと塩分を精製飼料のみを用いて再現した「mimicかまぼこ」を作製した.これを通常飼育食に混合し,ラットに4週間与えた.その結果,「mimicかまぼこ」群に比べて「かまぼこ」群で脂質量と過酸化脂質量が低下した.以上より,「ソーセージ」を「かまぼこ」で置換することは脂質量と過酸化脂質量を低減するために健康有益性が増加することが示され,この効果は「かまぼこ」のエネルギーバランスのみに依存しないことが示唆された.
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  • 齋藤 健太, 木下 友花, 釜口 良誠, 水谷 勝史, 中村 卓
    62 巻 (2015) 4 号 p. 191-200
    公開日: 2015/05/31
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    本研究では食用カプセル皮膜のモデルとしての湿潤ゲルと乾燥フィルムの相分離構造と物性の相関について明らかにすることを目的とした.ゼラチン/マルトデキストリン共存系のゲルとフィルムを作製し,CLSM,SEMおよびTEMを用いて微細離構造を観察した.また,クリープメータを用いて破断試験を行い,DE値が小さい高分子量のマルトデキストリンを用いる程,ゲルおよびフィルムの相分離構造のマルトデキストリン-リッチ分散相サイズが大きい傾向が見られた.これらフィルム構造を,分散相の平均長径の大きいものから順に,マクロ相分離構造(DE4-M添加,9.7μm),セミマクロ相分離構造(DE11-M添加,4.7μm),ミクロ相分離構造(DE16-M添加,1.7μm),均質構造(DE18-M添加,無)と分類した.
    ゲルとフィルムは,類似の相分離構造を示したが,破断強度試験での破断点には相関は見られなかった.また,破断前の一定変形距離でのゲルとフィルムの応力/荷重において負の相関が見られた.蒸留水への溶解時間のゲルとフィルムの間に正の相関が見られ,ゲルもフィルムも同様に分散相サイズの大きいもの程溶解時間が長く,溶けにくかった.
    フィルムの破断変形距離は,マルトデキストリン分散相サイズの大きいフィルム程短くなった.また,一定変形距離での荷重と連続相の領域面積比率の間,および溶解時間と連続相の領域面積比率の間にそれぞれ負の相関が有意に見られた.このことから,連続相の領域面積比率の減少に伴い,連続相のゼラチンネットワーク密度が相対的に上昇したため,かたく,溶けにくいフィルムになったと考えらる.
    以上のように,ゼラチン/マルトデキストリン共存系において,マルトデキストリンの分子量(DE値)を選択することで,ゲル-シートおよびフィルムの相分離構造のマルトデキストリン-リッチ分散相(大きさと数)を制御できることが明らかとなった.このフィルムの相分離構造の違いにより,かたさ,割れやすさ,溶けにくさといったフィルムの物性を制御できることが明らかとなった.
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技術論文
  • 伊藤 和子, 阿久津 智美, 渡邊 恒夫, 吉澤 史昭, 宇田 靖
    62 巻 (2015) 4 号 p. 201-206
    公開日: 2015/05/31
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    ナス下漬液からナスニン含有粉末を調製する研究を行ってきた.しかし,得られたナスニン含有粉末は,水への溶解性が低く,強い酢酸臭が残るものであった.この問題を解決するため,β-CDおよびγ-CDを用いた検討を行った.
    その結果,ナスニンとクロロゲン酸のモル数(合計値)との比率が1 : 1となるようγ-CDを添加して,10分間以上撹拌することが最適条件であることが示された.この条件で作製した包接体の水溶性は,包接前の32%から81%に上昇した.また,酢酸臭は包接することにより,81%低減することが示された.さらに包接体の機能性の評価を行ったところ,ORAC値は1g当たり5159μmolのTrolox当量であり,デルフィニジン標準品の56.2%に相当する強い抗酸化性を保持していた.また,抗アレルギー性を,ヒアルロニダーゼ阻害率として評価したところ,抗アレルギー製剤として使用されている柴朴湯とほぼ同等の阻害率を示した.
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研究ノート
  • 市原 敬司, 福田 純矢, 高橋 早苗, 鷹羽 武史, 北村 進一
    62 巻 (2015) 4 号 p. 207-211
    公開日: 2015/05/31
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    澱粉はそのゲル物性を利用して,様々な食品のテクスチャーを変化させるために利用されている.我々はα-アミラーゼによるタピオカ澱粉粒の限定的な加水分解処理が,澱粉のゲル物性を高める画期的な技術であることを報告した( J. Appl. Glycosci., 61, 15-20 (2014)).今回,この新しい酵素処理技術と,従来から澱粉のゲル物性改変のために広く利用されてきた化学的架橋化技術とを組み合わせることを試みた.未加工タピオカ澱粉,リン酸架橋タピオカ澱粉,そしてそれをA. niger 由来α-アミラーゼで処理したα-アミラーゼ処理リン酸架橋タピオカ澱粉を準備し,糊化特性とゲル物性について評価した.分析した3つの澱粉の中で,α-アミラーゼ処理リン酸架橋タピオカ澱粉は最も弾力に富むゲルを形成することが確認され,酵素処理技術がリン酸架橋澱粉に影響を与えることが示唆された.
    今後は,酵素処理技術と化学修飾との組み合わせにより,これまでにない新たな物性を示す澱粉をさらに作り出していきたいと考えており,食品·非食品分野全般において,広く活用されていくと期待される.
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  • 柴田 真理朗, 杉山 純一, 藤田 かおり, 平野 由香里, 蔦 瑞樹, 粉川 美踏, 吉村 正俊, 荒木 徹也
    62 巻 (2015) 4 号 p. 212-218
    公開日: 2015/05/31
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    高速せん断加工によって調製された高アミロース米ゲルを小麦パン生地に添加し,比容積と粘弾性において既存の米粥パンと比較した.
    (1)本研究の試験区内では加水量に関わらず,米ゲルパンの比容積は米粥パンより高かった.
    (2) 65%加水区を除いて,米粥パンと米ゲルパンの粘弾性には明らかな差は見られなかった.
    (3)米ゲルパンの比容積は加水量に依存せず,粘弾性に関しては,米粥パンおよび米ゲルパンの粘弾性は加水量が増加するほど,減少する傾向が見られた.
    (4)粘弾性の経時変化は,加水量の増加に伴い,お粥パンは増加し,米ゲルパンでは減少することが分かった.
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