日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
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63 巻 , 10 号
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報文
  • 中村 善行, 増田 亮一, 藏之内 利和, 片山 健二
    63 巻 (2016) 10 号 p. 433-438
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    糊化開始温度の異なるデンプンを含むサツマイモ3品種(「ベニアズマ」,「ほしキラリ」,「クイックスイート」)の塊根を蒸した後に残存する総アスコルビン酸の含量をデンプン糊化度およびマルトース含有率と併せて測定した.糊化開始温度が約75℃の「ベニアズマ」,約65℃の「ほしキラリ」,約55℃の「クイックスイート」の総アスコルビン酸残存率はそれぞれ約57%,約71%,約80%で,糊化開始温度の低い品種ほど残存率が高かった.一方,細胞内デンプンの糊化およびマルトース生成が認められる塊根加熱温度は糊化開始温度が低い品種ほど低く,マルトース含有率が高いほどアスコルビン酸残存率が高くなった.これは加熱塊根におけるマルトースの存在がアスコルビン酸の分解抑制に関与することを示していると考えられた.さらに,加熱してもマルトースが生成しないサツマイモ「オキコガネ」やジャガイモの総アスコルビン酸残存率は約50%と上記3品種より低かった.以上の結果から,蒸したサツマイモではマルトース生成が総アスコルビン酸の含量低下を抑制すること,およびデンプン糊化温度の低いサツマイモ品種はアスコルビン酸含量の維持に有効であることが示唆された.

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  • 秋間 彩香, 篠原 由妃, 谷米(長谷川) 温子, 石原 清香, 礒野 舞, 中馬 誠, 中尾 理美, 船見 孝博, 熊谷 日登美, 熊谷 ...
    63 巻 (2016) 10 号 p. 439-449
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究ではゲル状食品に関して,嚥下音測定から求められる嚥下時間と咽頭部最大流速Vmaxとの関係について検討した.試料としては,TPA試験から求められるパラメータと咽頭部流速との関係について報告のあるものを用いた.

    試料の嚥下音波形から,喉頭蓋閉鎖に関わる時間t1,食塊流動時間t2,喉頭蓋開口に関わる時間t3の3つが求められた.試料濃度の増加に伴い,t2は減少する傾向がみられた.TPA試験から求められる硬さや食塊の見かけの粘度μの値が大きい試料ほど,t2の値は減少する傾向がみられた.咽頭部流速分布の広さ(流速分布観点からの “まとまりにくさ”)を示すVmaxが大きいほど,t2が大きくなる傾向がみられた.また,適切な濃度のゲル化剤を用いて調製されたゲルの食塊は,咽頭部流速の観点からは,一般的に誤嚥しにくいとされるヨーグルトと同様の “まとまりやすさ” になっていると評価できた.

    以上から,ゲル状食品においても,嚥下音測定から求められる食塊流動時間t2は食塊の “まとまりやすさ”(咽頭部流速分布の観点から)の簡易評価法となりうることが示唆された.

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  • 熊谷 雅孝, 門倉 雅史, 水田 賢司, 田中 真澄, 生駒 吉識, 鈴木 忠直, 安井 明美
    63 巻 (2016) 10 号 p. 450-454
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの測定法について,妥当性を確認するため,5種類の市販の果実試料を用いて11試験室で室間共同試験を行った.その結果,β-クリプトキサンチン含有量が4.7mg/kg∼23mg/kgの範囲で,RSDrは2.0%∼4.2%,RSDRは9.0%∼14%となった.このとき,HorRatは0.75∼1.1となり,2以下であることから測定法の妥当性が確認された.また,拡張不確かさは0.21×(β-クリプトキサンチン含有量)となった.

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技術論文
  • 加島 優里, 南谷 臣昭, 川島 拓司, 中村 正
    63 巻 (2016) 10 号 p. 455-463
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    蜜源植物の異なる多くの蜂蜜の中でそば蜂蜜は高い抗酸化活性を有しアンチエイジング効果が期待できる食品として消費されている.しかし,そば蜂蜜にはmalty flavorと呼ばれる特有臭が有り,市場において敬遠されている.そこで,malty flavorの主因とみられる成分が3-methylbutanalであるとした報告を参考に,我々はそば蜂蜜から吸着材(シリカゲル,活性炭)あるいはUF膜処理によるアルデヒド類の除去を試みた.各処理蜂蜜は20℃で2∼4ヵ月保存後のmalty flavorの増減を評価する官能試験も行った.その結果,シリカゲルミズカソーブA処理そば蜂蜜が風味の改善では良好な成績であった.UF膜処理も同様に風味の改良では有効であったが,保存中に特異臭を再発させる傾向があった.各処理後の3-methylbutanalの減少率はシリカゲルミズカソーブA処理で21%,活性炭で2〜34%,UF膜処理で96%であり,UF膜処理による同成分の減少率が最も高かったが,保存中にpentanalが増加するもう一つの特徴が見られた.また,抗酸化活性に関わる総ポリフェノール量およびDPPHラジカル消去活性で,前者はいずれの処理後も増減はなく,後者は保存中に増加したことからそば蜂蜜の機能性は本処理後も維持されていた.

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研究ノート
  • 野村 知未, 松井 元子, 大谷 貴美子, 村元 由佳利, 古谷 規行
    63 巻 (2016) 10 号 p. 464-469
    公開日: 2016/11/30
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    栽培温度の異なる3つの試験区でエダマメ2品種を栽培し,マルトース生成量に関与するβ-アミラーゼ活性およびデンプンの糊化温度の影響を検討した.‘富貴’ は,子実肥大期の温度が低い25°C区がほ場区に比べて,β-アミラーゼ活性の強さが有意に(p<0.01)高くなったが,‘新丹波黒’ の場合,栽培温度の違いにより活性の強さは変化しなかった.一方,デンプンの糊化温度は両品種供に3つの試験区で有意に(p<0.01)異なり,子実肥大期の温度が高いほど大きく上昇した.これらのことから,エダマメ加熱後のマルトース生成量は,子実肥大期の温度に大きく影響を受けることが認められた.

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  • 山内 正仁, 永井 武, 是枝 清上, 渡 慶彦, 八木 史郎, 山口 昭弘
    63 巻 (2016) 10 号 p. 470-473
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    培地組成を変えて栽培したAuricularia polytricha (アラゲキクラゲ)子実体を,でんぷんと同時にマウスに経口投与したところ,血糖上昇を抑制する作用に違いが見られた.特に発酵バガス75%および米糠20%を含む培地で栽培した子実体の投与により,有意の血糖上昇抑制作用を認めた.作用機序および関与成分について今後の検討を要するが,アラゲキクラゲの培地組成が,その子実体が示す血糖上昇抑制作用に影響を及ぼすことが明らかとなった.

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  • 新本 洋士, 山口 貴士, 伊藤 愛美, 星﨑 玲奈, 長縄 康範
    63 巻 (2016) 10 号 p. 474-477
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー

    マウス3T3-L1細胞を用いた脂肪細胞分化試験における細胞内GPDH活性やトリグリセリド蓄積測定では,細胞を回収破砕する必要がある.これに対し,培地中のグルコース残存濃度は,細胞培養を継続しながら容易に測定できる.標準の低グルコース培地においては分化刺激とインスリンによって培養2日目には培地中のグルコースが消費しつくされてしまっていることが判明した.そこで高グルコース培地を用いて3T3-L1を培養したところ,グルコースは枯渇することなく,培養2日目のベルベリンによるグルコース消費の促進を確認することができた.このような高グルコース培地用いた短期間培養でのグルコース残存濃度測定はグルコースの細胞への取り込みを調節する化合物のスクリーニングに役立つと考えられる.また,GPDH活性およびトリグリセリド蓄積も高グルコース培地で低グルコース培地より数倍上昇した.

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解説
シリーズ—研究小集会(第26回)穀物部会
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