日本食品科学工学会誌
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65 巻 , 8 号
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技術論文
  • 村上 桂, 杉本 佳恵, 海貝 尚史
    2018 年 65 巻 8 号 p. 393-400
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2018/08/25
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    本研究では,機能性表示食品をはじめとした健康食品に広く利用されるようになった食品素材であるクロセチンについて,固相抽出法を用いて定量する方法を検討した.カロテノイド類の他,クロセチンと同時に配合されることの多いアントシアニン類や水溶性ビタミン類の影響を除去し,精度よく簡便にクロセチンを定量できる方法であることを確認した.

  • 片桐 実菜, 細田 朝夫, 赤木 知裕, 三宅 英伸, 福西 伸一, 芝 浩美
    2018 年 65 巻 8 号 p. 401-408
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー

    本研究では,ウメジャム加工の前処理として,果実(ウメ青果)をさまざまな温度条件で加熱(定温予備加熱)し,ジャムの性状を変化させることを試みた.その結果,以下の知見を得た.(1)果実の定温予備加熱により,ジャムの力学特性は定温予備加熱温度依存的に変化し,60℃付近の温度帯で30分間予備加熱したとき,最も破断応力が大きく,加熱時の保形性に優れたジャムを作製できた.(2)果実に含まれるペクチンは,無処理(非加熱)の果実ではほとんど不溶性であり,定温予備加熱により加熱温度が高いほど多く可溶化され,同時に低分子化が起こることが分かった.60℃30分程度の定温予備加熱は,ペクチンを可溶化し,かつ比較的高分子量に保つ点で,ペクチンをゲル化に最も有利な状態とする処理であったと考えられる.(3)定温予備加熱によるペクチン可溶化の機構には,酸加水分解による部分的な低分子化が関与すると考えられる.

研究ノート
  • 桑田 和宏, 岩田 和佳, 今西 忠雄
    2018 年 65 巻 8 号 p. 409-415
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー

    遠赤外線放射セラミックスが水の蒸発速度とα-アミラーゼ活性に与える影響を調べた.静置した純水をセラミックス処理すると,対照に比べ30,40℃で蒸発速度が低下したが,45,50,60℃では差が見られなかった.純水で調製した150mM 塩化カリウム溶液では,セラミックス処理による40℃での蒸発速度に差が見られなかったが,150mM 塩化ナトリウム溶液では,蒸発速度が約20%低下した.このことから,蒸発速度に対するセラミックスの影響は,溶質により変化することがわかった.セラミックス処理した水道水から調製した150mM 塩化ナトリウム溶液では,40℃で蒸発速度が有意に低下したことから,セラミックス処理した水道水は蒸発速度が低下する性質を内包していると考えられた.α-アミラーゼ溶液をセラミックス処理すると,対照に比べ40~80℃で活性が上昇した.しかし,α-アミラーゼ溶液からCaと尿素を除くと70℃,80℃で活性が低下したことから,α-アミラーゼの活性に対するセラミックスの影響は,溶質により変化すると考えられた.また,基質であるデンプン溶液をセラミックス処理すると活性に変化が見られなくなるなど,セラミックス処理の仕方によっても活性への影響が変化した.

解説
シリーズ─研究小集会(第37 回)果汁部会
  • 稲熊 隆博
    2018 年 65 巻 8 号 p. 416-418
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 寿広
    2018 年 65 巻 8 号 p. 419-424
    発行日: 2018/08/15
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー

    The Japanese pear (Pyrus pyrifolia Nakai) is one of the most commercialized fruit trees in Japan and it has been consumed for a long time. The concept of pear cultivars was first developed in the middle of Edo Era (1603-1887). Commercial pear orchards were established in the late Edo Era and over 1000 cultivar name have since been recorded. ‘Taihei’ was the leading cultivar in 1890-1900, followed by ‘Kozo’ in 1900-1910. ‘Chojuro’ became the leading cultivar from the 1910s to the late 1940s due to its high productivity and disease resistance, but ‘Nijisseiki’ replaced it until the late 1980s, as this cultivar had superior flesh texture despite its extreme susceptibility to black spot disease. The systematic breeding program of the Horticultural Research Station [currently National Institute of Fruit Tree and Tea Science (NIFTS), National Agricultural Research Organization (NARO)] began in 1935 and it mainly aimed to improve fruit quality by focusing on flesh texture and black spot disease. As a result, cultivars ‘Kosui’ and ‘Hosui’ were released in 1959 and 1972, respectively. ‘Kosui’ became a leading cultivar in the late 1980s and ‘Hosui’ became second in the beginning of the 1990s. Current breeding at NIFTS uses DNA marker-assisted selection for combining superior fruit quality with traits related to labor and cost reduction, multiple disease resistance, and self-compatibility.

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