Beer is a microbiologically stable beverage due to several inhibitory factors for microbial growth. In fact, only a restricted number of species can grow in and spoil beer. The vast majority of beer spoilage microorganisms are lactic acid bacteria belonging to the genera Lactobacillus and Pediococcus. However, many beer spoilage microorganisms exhibit extremely poor culturability, and they are hard to detect by the conventional laboratory media adopted for the quality control of beer. This often leads to quality incidents without the detection of the causative agents in breweries. In addition, the continual emergence of new beer spoilage species has been problematic for brewers that traditionally depend on species identification methods for quality control in the brewing processes. To overcome these difficulties, the brewing industry has strived to develop new microbiological media and species-independent methods for comprehensively detecting and identifying beer spoilage microorganisms. Some brewers are now evaluating new techniques, including inexpensive third-generation DNA sequencing, for the comprehensive identification of beer spoilage microorganisms and hygiene indicators. In this review, the recent progress of microbiological quality control methods in unpasteurized beer production is summarized.
R-FISSにて算出したコーヒー飲料飲用時のレトロネーザルアロマに含まれる香気成分の定量値比は,各香気成分が特有の値を示した.この定量値比は,10呼吸分の定量値を最初の1呼吸目の定量値で除した値であることから,その大小は香気成分の発現速度(フレーバーリリース特性)を示すことが予想される.そこで,R-FISSにおける定量値比の大小と,レトロネーザルアロマの時間変化の関係をリアルタイム測定にて調べた結果,定量値比の小さい成分は飲用後速やかに減少し,定量値の大きい成分は飲用後長時間に亘って一定量が維持される傾向を認めた.さらに,TDS法による官能評価結果も,R-FISSで得られた各香気成分の定量値比から予測された風味変化と矛盾しないことがわかった.これらの結果は,F-FISSにより得られる定量値比が,飲料における香気成分ごとのフレーバーリリース特性の評価に適用できることを示している.
グルカンを結合様式毎に定量するために,1H qNMRを用いてグルカンのスペクトルを測定した.グルコースユニット由来のシグナルのうち,相互分離に優れたアノメリックプロトンに由来するシグナルを用いて主要な結合様式である(1→4)-α-GB,(1→6)-α-GB,(1→3)-β-GB,(1→4)-β-GBおよび(1→6)-β-GBを識別・定量した.粘性を示すグルカンの定量を考慮し,試料溶液の濃度は0.1~2 %(w/v)とした.
本法は認証標準物質を基準としていることから,本法の定量値は国際単位にトレーサブルである.本法により求めた市販のグルカン標準品(カルコフロール分析用および米国薬局方 β-グルカン分析用)の定量値は,標準品の保証値と一致した.また,本法による高精製グルカンの含量測定値は,HPLC法とも一致した.よって,本法により決定した結合様式レベルの定量値はさまざまな既存のグルカン定量法とも互換性を有するものと考えられた.なお,本法は高分子のグルカンにおける結合様式レベルの定量に適し,低分子化したグルカンではグルコースやマルトースなどの二糖の影響に配慮を要する.
凍結含浸法を用いた酵素や乳化油の含浸処理により,事前にジャガイモの硬さや内在成分を改変させると,熱風乾燥過程における収縮変形の抑制,多孔性の向上が認められた.X線CTにより乾燥ジャガイモの内部構造を観察すると,酵素含浸処理により軟化された試料は,空隙率が25%から57%に増加していた.機器による乾燥ジャガイモの力学特性解析の結果,乳化剤は空隙の微細化に寄与し,油は脆く破断し易い組織となることに寄与したと考えられた.このとき,含浸溶液中に含まれる油の濃度は,10~15%(w/w)が適量であることが示唆された.本研究によって,凍結含浸技術が乾燥素材の品質向上に役立つ可能性が示された.
溶質白肉モモにおける酵素剥皮技術を確立するため,酵素の選抜,酵素剥皮効率の改善を目的とした界面活性剤の添加,処理濃度,処理温度および品種間差異についてそれぞれ検討した.溶質白肉モモの酵素剥皮はアクレモセルラーゼKMにより,2~3hと短時間に剥皮できた.界面活性剤の添加により酵素3 剤ともに剥皮程度が高くなる傾向を示したが,アクレモセルラーゼKMではその影響は小さかった.室温条件下(32.4±1.0℃)では,アクレモセルラーゼKMの処理濃度が0.25%以上で2~3hと短時間に剥皮できた.アクレモセルラーゼKMの処理温度は高くなるほど,処理時間が短くなったが,5℃,40℃,65℃では一部の果実で果肉が損なわれるものが見られた.そのため,アクレモセルラーゼKMにおける処理温度は室温程度(26~30℃)が適していると考えられた.溶質白肉モモにおける酵素剥皮では,品種間による差異はみられなかった.以上から,溶質白肉モモの酵素剥皮はアクレモセルラーゼKMが適しており,室温条件下(26~30℃)では,処理濃度0.25%以上で2~3hと短時間に剥皮できる.