日本食品科学工学会誌
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69 巻, 7 号
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総説
シリーズ─地域食品研究のエクセレンス(第26回)
  • 西脇 俊和
    2022 年 69 巻 7 号 p. 335-341
    発行日: 2022/07/15
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー

    A few novel strains of lactic acid bacteria were isolated from local foods, such as traditional Japanese pickles, in Niigata. We attempted to apply these strains to food fermentation to create new plant-based foods.Latilactobacillus sakei UONUMA strains (UONUMA-1, UONUMA-2, and UONUMA-3) isolated from Japanese pickles in snow caverns in the Uonuma region of Niigata have potential for use in biopreservation. Additionally, these strains were able to reform the flavor of koji amazake. Lactiplantibacillus paraplantarum YAMAKOSHI strain, which is isolated from traditional non-salt "Izekomina" pickles from the Yamakoshi region of Niigata, has the characteristics of yielding a viscous and sticky fermented food.These characteristics were exploited to produce foods such as lactic acid fermented koji amazake, rice bran pickles, vegetable paste, yogurt, and gelato for commercial use. Furthermore, a yogurt-like beverage, solely made from rice, was successfully produced and commercialized.

技術論文
  • 清野 晃之
    2022 年 69 巻 7 号 p. 343-352
    発行日: 2022/07/15
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー

    本研究では, ニラ茎の冷凍・解凍条件や抽出の際のエタノール濃度を変えることで, メチインとアリイン抽出量にどのような影響が生じるかを検討した. その結果, 冷凍期間が長くなるにつれ, ニラの細胞破壊が進行し, メチインとアリイン量が増加することがわかり, 冷凍前後で, メチインが約3.5倍, アリインで約5.6倍まで上昇した. また, ニラを細かく切断した方が, よりメチインとアリイン量の増加に繋がることもわかった. 冷凍したニラ茎を解凍する場合, 30〜50℃の高めの温度では, アリイナーゼの働きで一部が臭い成分に変換し, メチインとアリイン量に影響を与えることから, 低温での解凍が良いことが確認された. さらに, ニラの収穫時期や抽出の際のエタノール濃度により, メチインとアリイン抽出量及びその割合に影響を与えることがわかり, それらの割合が約80 : 20に変化することが確認された. 以上のように, 機能性成分であるメチインとアリインを増加させる方法を見出したことで, ニラ茎の廃棄ゼロに向けての基礎データとなることが考えられる.

研究ノート
  • 佐野 勇気, 高橋 洋武, 橘田 規, 照井 善光, 望月 直樹
    2022 年 69 巻 7 号 p. 353-359
    発行日: 2022/07/15
    公開日: 2022/07/15
    ジャーナル フリー

    種々の検討の結果, 迅速簡便な麦角アルカロイド12種の一斉分析法の構築に至った. 試料の前処理のミニカラムはCaptiva EMR-Lipidsが最適であった. 良好なMFが得られ, 2mLという少量で全化合物が完全に溶出し, かつ充てん剤に触れたときのepimerizationは起こらなかった. このミニカラムを用いた分析法の性能評価を実施したところ, 全ての化合物において, 選択性, 真度, 精度及び検量線の決定係数が目標値を満たす良好な結果が得られた. また, 低濃度でのLOQ及びLODが設定できたことにより, 10ng/g以下という微量の麦角アルカロイドを検出するに十分な高感度分析が達成できた. 本分析法を用いて市販小麦の汚染調査を行った結果, いずれの化合物も検出されず, 麦角アルカロイドによる汚染の可能性は低いことが示唆された.

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