炊飯前の磨砕処理が炊飯後の米のテクスチャーに及ぼす影響を明らかにするとともに, 米の新素材としての有用性を評価した. 白米または玄米を十分な吸水が得られるまで浸漬し, 磨砕後, 炊飯を行うことで新たな米素材を得た. 米素材調製時の加水量は, 1倍加水ではかためのゲル状素材, 2倍加水ではやわらかめのゲル状素材となった. 米素材のテクスチャー特性は市販米ゲルに比べてやわらかかった. 官能評価では, 市販米ゲルに比べてなめらかで食べやすいと評価された. 米素材の食品への応用として団子について検討したところ, 米素材を使用した団子は米粉を使用した団子に比べて食感が良く, 食べやすいと評価された. 今後さまざまな加工品への応用が期待される.
本研究では総合食品製造者10社を対象に, 食品安全文化, 食品防御, 食品偽装防止の各項目を総合的に調査した. この調査を通じて, 企業内での食品安全に関わる活動を, 単一の観点からではなく, 包括的に評価することが可能になり, 企業のGFSI承認認証規格への対応が明らかになった. さらに, 方針や基準の存在だけではなく, それらが企業の業務にどのように組み込まれ, 企業にどのような影響を与えているかを分析した. この分析を通じて, 食品製造者の品質保証強化と食品産業の発展に寄与することを目的とした.
調査結果から, 各企業において品質に関する方針・基準・ルールが存在し, GFSI承認認証規格の普及に伴い, 各企業で再定義されて, それに基づいて, 食品安全文化, 食品防御, 食品偽装防止に関連する取り組みが行われていることが確認された. 食品安全を含む製品品質を実現するため, 食品安全文化が醸成され, それを土台に食品防御や食品偽装防止等の品質保証・品質管理活動が行われていることが示唆された. 調査対象となった企業におけるこのような取り組みは, 企業が設計した製品の品質を実現するために不可欠であり, 他の食品製造者にとって有意義な内容であると考えられ, 調査結果が食品産業の発展に寄与することが期待される.
近年のマーケティングの傾向は顧客経験価値重視にある. 企業が上市している製品そのものが顧客に直接提供する機能価値を超えて, 顧客がその製品や企業との関係においてどのような経験ができるかという観点からビジネス活動を組み立て直すことになってきている. 製品開発の上流にある研究開発部門がこの顧客経験価値に対する理解を深めて製品開発やマーケティング・コミュニケーションへ主体的に参画することにより, 企業はより高い顧客満足度を獲得することができると考えられる. 本稿では, 食品企業の研究開発者を主な対象として, 顧客経験価値を中心としたマーケティング理論を食品領域の事例を盛り込んで紹介し, 社会や市場の環境の変化を捉えた食品領域の研究開発の新しいあり方を模索するうえでの参考情報を提供する.
This paper investigates the economic implications of animal welfare considerations in egg production. Rising production costs associated with improved animal welfare pose a challenge for a sustainable livestock industry. To address this, we estimate production costs and retail prices across four egg production systems: conventional battery cages, enriched cages, aviaries, and barn-farming systems. Our analysis reveals a significant cost increase for animal welfare-friendly systems compared to battery cages. Barn-farming production, for example, incurs 2.4 times higher production costs and double the retail price compared to battery cages. The cost differences primarily stem from increased facility requirements, chick procurement, feed needs, and labor costs. The findings highlight the need for a multifaceted approach to promote animal welfare in the egg industry. This may involve certification schemes, alongside government regulations and cost-sharing mechanisms, to ensure economic viability for egg producers.