日本食品科学工学会誌
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72 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
報文
  • 武内 純子, 阪内 淳逸, 山﨑 雅夫
    原稿種別: 報文
    2024 年72 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2025/01/15
    公開日: 2025/01/15
    [早期公開] 公開日: 2024/08/05
    ジャーナル オープンアクセス

    北海道オホーツク地域から発酵性酵母の分離を試み, 果実, 木質素材, 花等からいくつかの酵母を分離した. これらのうち, プラムから分離された非Saccharomyces酵母Lachancea thermotoleransの酒類製造上の特性を調べた. L. thermotoleransは乳酸を生成する酵母で食産業にも利用されている菌株もあるが, その特性については不明な点も多く, 原因不明で発酵停止する事例も報告がある. OK300株はぶどう糖, 果糖, 麦芽糖に比べてショ糖を良く発酵し, ショ糖培地での乳酸生成は少なかった. 一方, 麦芽糖の発酵は良好ではなかった. ビール製造において, 発酵温度が高い, 発酵性窒素が多い, 初発の菌体数が多いといった条件において一時的に発酵が停滞し, 最終的なアルコール度が低くなることを明らかにした. OK300株によるビールは残存糖として麦汁由来のマルトトリオースを含んでいたが単糖や麦芽糖の残存はなかった. これらの特徴を活用し, 酵母単独で製造するサワービールを製造できた. 試作ビールは酸味が特徴的なフルーティなビールで, オホーツク産酵母L. thermotoleransの有用な用途が示された.

技術論文
  • 内田 雅人, 橋本 恭輔, 木下 大
    原稿種別: 技術論文
    2025 年72 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 2025/01/15
    公開日: 2025/01/15
    [早期公開] 公開日: 2024/08/01
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究ではCNNを用いたコーヒー生豆の良否判定においてStructured PruningとQuantizationによってモデルの軽量化および高速化しその有効性を検証した. 実験ではまず基準となるCNNのモデルを構築した. ここでは10層の畳み込み層と1層の全結合層を用いたモデルを作成した. 基準となるCNNはテストデータを84.9 %の精度で良否判定が可能なモデルとなった. 次にCNNと軽量化モデルを比較した. 軽量化モデルはPruning, Quantization, PruningとQuantization (LCNN) の三種類を作成した. 実験により, 各軽量化モデルはCNNと同精度でコーヒー生豆の良否判定が可能なモデルとなった. また, CNNとLCNNそれぞれの特徴マップとCAMによる活性化マップを作成し比較した. 特徴マップはCNNとLCNNで同様のものが作成されていることを確認した. また, 活性化マップではそれぞれ正常豆と欠点豆と判定した箇所が類似していた. また, 円形状や一部がカビ. 虫食いのように見える豆に対しては欠点豆と誤判定しやすく, 欠けやシワなどがカメラ画像からほとんど判定できないものは正常と誤判定しやすいことがわかった. しかし, 軽量化しても両者の判定基準や判定精度は同程度に保つことができることがわかった. 今回は基準としたCNNは2値分類のシンプルなモデルである. 判定精度を向上させるには基準となるCNNの性能向上が必要となる.

    最後に, モデルの実行速度を汎用デバイス (ここではRaspberry Pi 4BとJetson Orin Nano) 上に実装し比較した. 処理速度はどちらも30 %程度まで高速化させることができ, 画像の前処理を含めてリアルタイムに処理可能であることがわかった.

    以上の結果から, コーヒー生豆の良否判定においてPruningとQuantizationを用いることでモデルの判定精度を維持しつつ高速に推論可能なモデルを構築できることがわかった.

研究ノート
報告
  • 進藤 久美子, 川崎 光代, 江花 薫子, 石川 (高野) 祐子
    原稿種別: 報告
    2025 年72 巻1 号 p. 27-34
    発行日: 2025/01/15
    公開日: 2025/01/15
    [早期公開] 公開日: 2024/08/09
    ジャーナル オープンアクセス

    同時期に同一圃場で栽培されたさまざまな遺伝的背景を持つアブラナ科野菜のコマツナ, タイサイ, ケール, キャベツ, ルタバガおよび葉ダイコン6作目, 計30品種・系統を使って, 可食部のNa, K, Ca, Mg, P, Fe, Zn, Cu, Mn, Mo, SrおよびBaを分析した. 作目ごとに供試した品種・系統は限られているが, 無機元素別に分析すると作目ごとにほとんどの元素でp < 0.05で有意な品種・系統間差が認められた. 無機元素含有量に特徴のある品種・系統も見られた. 作目間にも, Znではp < 0.05で, Na, K, Ca, Mg, Fe, Cu, Mn, Mo, SrおよびBaではp < 0.001で有意な差が認められ, 作目ごとの無機元素含有量には一定の傾向が見られた. 参考として分析した別圃場で栽培された芽キャベツとナバナを含めた場合, 今回供試したアブラナ科野菜では, 緑黄色野菜に分類されるコマツナ, タイサイ, ケール, 葉ダイコン, 芽キャベツおよびナバナで全般に無機元素含有量が高かった. 緑黄色野菜が無機元素摂取の点でも重要であることが改めて示された.

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