In soy sauce production, histamine, which causes allergy-like food poisoning, has become a problem. As a countermeasure against the proliferation of wild lactic acid bacteria responsible for histamine formation, a new lactic acid bacterial strain, Tetragenococcus halophilus MS0204, was isolated from soy sauce moromi in Miyazaki prefecture. The efficacy of adding MS0204, which does not produce histamine, as a starter culture was investigated, and it was confirmed that its use suppressed histamine production. Furthermore, sensory evaluations indicated that the quality of soy sauce produced with MS0204 was comparable to or superior to that of additive-free soy sauce. These findings confirm the suitability of this novel lactic acid bacterium as a starter for soy sauce production.
TAFを添加した豆乳に, 亜酸化窒素ガスを用いてサイフォン法によりエスプーマを生成し, その力学特性と咽頭部における食塊の最大移動速度について検討した. 比較として, ハンドミキサーにより生成した泡沫についても検討した. 起泡力は, サイフォン法ではTAF濃度が0.25 % (w/w)よりも0.5 % (w/w) 以上で増加し, ミキサー法ではTAF濃度が増加すると減少した. TAF濃度が増加すると, エスプーマではηapp, G’および付着性が増加し, ミキサー泡沫では付着性とG’は減少した. 両種類の泡沫において付着性とG’の間には正の相関が認められ, 両レオロジー特性値が最大であったのは, エスプーマでは0.9 % (w/w) TAF, ミキサー泡沫では0.25 % (w/w) TAFであった. 同一のTAF濃度において, 咽頭部における食塊の最大移動速度は, 泡沫生成前の豆乳で最も速く, エスプーマで最も遅かった. 0.25 % (w/w) TAF添加豆乳エスプーマの最大移動速度は気泡を含まない0.9 % (w/w) TAF添加豆乳よりも遅かった. 特に0.9 % (w/w) TAF添加豆乳エスプーマ食塊は, 全種類の試料の中で最も遅い最大移動速度であった. 以上の結果から, 豆乳エスプーマではTAFを豆乳に添加するだけでは得られないレオロジー特性の変化が生じ, 咽頭部における食塊の最大移動速度を顕著に低減できることが示された.
冷え症と非冷え症の体質間で, 温スープ摂取後の体温, 自律神経活動および主観的温度感覚の変化に違いがあるのかを明らかにするため, ランダム化クロスオーバー試験を行った. 被験者は20名の若年女性であり, 冷え症群と非冷え症群を各10名とした. 被験者は一晩の絶食後, 別の日の午前中に150 mL の37 ℃の水 (コントロール) または65℃の温スープを摂取し, 摂取60分後まで評価した. 足先温は, 体質に関らず温スープ摂取により一過的にコントロールよりも有意に上昇した後, 冷え症群では摂取60分後までコントロールよりも高値傾向を示したが, 非冷え症群では温スープ摂取とコントロールの値が逆転する傾向を示した. 耳内温, 手先温, 自律神経活動および主観的温度感覚には, 温スープ摂取後の推移に, 体質間の有意な違いは認められなかった. 以上の結果から, 温スープ摂取による足先温の上昇は, 非冷え症者より冷え症者で長く持続することが示唆された.