Sake yeast produces a fruity flavor called “ginjo-ka” during sake brewing. Ethyl caproate is one of the important flavor components of ginjo-ka. In this study, to brew rich-flavored sake, we aimed to breed high ethyl caproate-producing sake yeast strains derived from the Gifu Prefecture yeast strain G. Among the obtained mutant strains, we selected strain Ce18 from small-scale brewing tests because (i) it inherited a high fermentation ability from the parent strain G, (ii) it produced 3.5 times more ethyl caproate than strain G, and (iii) the sake brewed using this strain exhibited a unique fruity flavor and taste. Furthermore, in sake brewing tests with Ce18 at sake breweries, a sake rich in flavor (3.6–8.7 ppm ethyl caproate) and with a dry taste (-1.0–18.3 sake meter value) was produced. From the results, strain Ce18 was named Gifu G2 and was made available to breweries.
本研究は, 一般消費者によって認識される飲むヨーグルトの「こく」の感覚を理解することを目的とした. 8種類の飲むヨーグルトをサンプルとし, QDA法により官能特性, 非訓練パネルを用いて「こく」の強度を評価し, これらの評価データを使用して「こく」を形成する官能特性を探索することで, 以下の知見を得た.
(1) QDA試験によって30語の評価用語が開発され, サンプルを味わった時の感覚を網羅的に体系化することができた.
(2) 評価用語を用いた定量評価により, 各種サンプルの官能特性が明らかとなった. 主成分分析を行った結果, PC2までに約91 %の情報が集約され, PC1は「とろみ・脂肪分の濃厚さ」, PC2は正方向に「酸味」, 負方向に「甘味・バニラ感」と解釈した. 得らえた散布図から, サンプルの特徴を一元的に把握することができた.
(3) サンプル8種類のうち, 7種類を対象とし, 38名の非訓練パネルを用いて「こく」の強さを評価した. 得られたこく得点からパネリストのクラスター分析を行った結果, 28名 (74 %) , 7名 (18 %) および3名 (8 %) のクラスターに分類された.
(4) 各クラスターのこく得点を目的変数, 風味, 食感および後味に属する21語の官能得点を説明変数としてPLS回帰分析を行った. その結果,「とろみ」,「脂肪分の濃厚さ」および「風味の余韻」は, 28名と7名の両クラスター (計35名, 92 %) において「こく」の評価に影響し,「こく」の形成に重要な官能特性であることが推定された. 一方で, 風味の特徴も両クラスターの「こく」の評価に影響を及ぼしたが, 影響する風味の特徴が2つのクラスターで異なり, 一般消費者による「こく」の認識は一様でないことが示唆された.
これらの知見を踏まえ, さらに「こく」を形成する官能特性を絞り込んでいくことで,「こく」のある飲むヨーグルト製品の開発等において, 重視すべき官能特性を決定する際の指標となることが期待される.
減圧マイクロ波乾燥によるドライキウイフルーツ100 gの製造について, LCA手法を用いて環境影響評価を行った. その結果に基づき, ロス率をパラメータとして感度分析を行った. 特性化の結果より, 影響領域16項目中15項目で, 加工工程において発生する環境負荷の寄与度が最大となった. 加工工程の寄与度が大きい (寄与度90 %以上) 影響領域のみを抽出し, 加工工程について特性化を行ったところ, 乾燥時の電力消費および包装時の段ボールの寄与度が大きくなる結果が得られた. また, 感度分析を行った結果, ロス率を考慮することで環境影響評価の結果の解釈が大きく変わることがわかった. さらにロス率の定義を変えた際にも結果の解釈が大きく異なったことから, 農産加工のLCAにおいては, ロス率を考慮して環境影響評価を行うことが重要であると考えられた. 今後は減圧マイクロ波乾燥において, 焦げが発生しない乾燥条件や, スケールアップ25)26) によるエネルギー消費量削減の検討に加え, それに伴う環境負荷の評価が必要である.
ジエチルエーテル (DEE) およびクロロホルムは歴史的に食品の脂質分析において広く用いられてきたが, 使用時の危険性または人体への有害性を有している. 本研究はこれらの溶媒の使用量回避や削減による安全性向上を目的とし, 代替溶媒による比較検討を実施した.
DEEの代替溶媒としてヘキサン (Hex) を選定し, 定量値の同等性について評価した. 含有脂質の主成分がトリグリセリド (TG) である食品群については多くの試料で同等性が認められた. 一方で, 含有脂質としてTGをほぼ含まない食品群についてはDEEとHexの極性の違いによる影響が大きく, 抽出された脂質の定量値がHex抽出で低くなることが認められた. また, クロロホルム・メタノール混液の代替溶媒の候補であるヘキサン・イソプロパノール混液 (HIP) においては, 脂質の含有量が低い食品群では同等性が認められた一方で, 含有量が高い食品群ではHIP抽出の定量値が低くなることが認められた. これらの抽出溶媒の違いにより定量値に差が認められた食品群については, 定量値の差に一定の法則が見つかれば, 代替溶媒により抽出された脂質に係数を乗じた値を従来の脂質として扱うことも一案と考えられた.
本研究の結果から, 代替溶媒としてHexおよびHIPを用いることにより, 特殊引火物であるDEEと特定化学物質であるクロロホルムの使用量を削減し, 安全性を向上できる可能性が示唆された.