日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
73 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
報文
  • 大富 あき子, 熊谷 百慶, 井野 睦美, 日高 健人, 大富 潤
    原稿種別: 報文
    2026 年73 巻3 号 p. 57-66
    発行日: 2026/03/15
    公開日: 2026/03/13
    [早期公開] 公開日: 2025/10/31
    ジャーナル オープンアクセス

    深海性未利用種のアイアナゴ (Uroconger lepturus)とニセツマグロアナゴ (Bathycongrus wallacei) の有効利用のために, 化学成分特性と調理後の物理的特性を調べるとともに官能評価を行い, 浅海性有用種のマアナゴ (Conger myriaster), クロアナゴ (C. jordani) と比較した. その結果, アイアナゴとニセツマグロアナゴの呈味性遊離アミノ酸は有用種と大きな差は認められず, タウリンを多く含有していた. また, 加熱後の水分蒸発量が多くても身が柔らかいという特徴があり, 官能評価ではゆでおよび焼きの両調理法において有用種と遜色のない総合的な好ましさを示した. 以上より, 深海性種のアイアナゴおよびニセツマグロアナゴは, 有用種の代用ではなくそれら自体が優れた食材になり得ることがわかった.

技術論文
  • 宮地 夏奈, 坂本 みのり, 神津 博幸, 小林 功, 下久 由希, 金﨑 真悠, 柴田 賢哉
    原稿種別: 技術論文
    2026 年73 巻3 号 p. 67-76
    発行日: 2026/03/15
    公開日: 2026/03/13
    [早期公開] 公開日: 2025/10/22
    ジャーナル オープンアクセス

    常圧含浸法を用い, 鶏ムネ肉に2種類のたんぱく質分解酵素をそれぞれ導入し, 硬さと消化性を制御した形状保持軟化鶏ムネ肉を調製した. R処理試料は形状を保持して過剰軟化することなく, BR処理試料よりも多くの可溶性たんぱく質が生成した. また, 形状保持軟化鶏ムネ肉について, GDSを用いたin vitro胃消化試験により消化挙動を解析した. 2種類の酵素処理鶏ムネ肉は対照とは異なる消化挙動を示した. エンド型プロテアーゼを用いたBR処理試料は, 消化試験開始後速やかに微細化し, 消化物中の粒子サイズ分布が最も小さくなるとともに, 可溶性たんぱく質も溶出しやすかった. エキソ型ペプチダーゼを用いたR処理試料は, BR処理試料と比較して微細化の速度が遅いものの, 消化試験後の可溶性たんぱく質量が多かった. 以上から, 試料の軟化度のみが可溶性たんぱく質溶出量に影響する訳ではなく, 事前の酵素処理によって生成する可溶性たんぱく質量と消化時の微細化の程度の両方が影響することが分かった. 常圧含浸法を適用した形状保持軟化食品について, 酵素選択により食材の力学特性を調整しつつ, 消化性を向上させた食品を製造可能なことが示唆された.

解説
シリーズ─研究小集会 (第65回) 卵部会
feedback
Top